4 / 331
第1章 はぐれ梁山泊極端派【私の思い出に決着を……。】
第4話 新タマネギはいかがですか?
しおりを挟む
「いつの間に師匠になったの?」
エルがくすくすと笑いながら、俺をからかう。いやいや、知らんがな。俺かて初めて聞いたんだけど? こんなむさ苦しい、面白おかしいヤツのことは知らん!
「どういうことだ、タニシ? なにがあったか説明しろ!」
「これは深い理由があるでヤンス。ヤンス、ヤンスでヤンス。ヤンスヤンス! ヤンス~ぅ! ……と言うわけでヤンス!」
「何語だよそれ!? 意味が全然わかんないんだけど?」
ヤンスばっかりだ。ヤンスの大洪水だ。
「そっか、そっか! なるほど! 前々から付いてきてたけど、声をかける切っ掛けがなかった? んで、ワンちゃんが一人きりになったのを機にコンタクトを決行! ワンちゃんに御馳走し恩を売り、勇者へのアポをとりつけたのだ! だってさ!」
ドヤ顔でミヤコが説明する。さも当たり前のようにヤンス語を翻訳している。内容が本当なら今までの違和感、気配はコイツの仕業ということになる。タマネギ臭さもな。というか、メシを奢られたからって、安易に怪しい奴を連れてくるとは! 賄賂受け取ったり、買収されたようなモンじゃないか。
「だってさ、って何だよ! お前は通訳か! なんでわかったんだよ!」
横ではエルがくすくす笑っている。多分、俺と同様、意味はわかってないと思われる。
「それは企業秘密です!」
なにが企業秘密だ! さっきのヤンス語は暗号かなにかなのか? 開示しろ! 俺にわからないような秘密を持つなよ!
「お願いしヤス! 是非とも弟子にしてもらいたいッス! 強くなりたいッス!」
「言うて、俺のどこがいいの? 他に強い人いるよ?」
エドとかファルとか、侍とか? 梁山泊という手もある。俺に弟子入りとか何を血迷ったのか。俺、人に教えたりしたことないんだけど。非常に困る。
「いえ! 一番強い人に弟子入りしたいッス! 世界一強くなりたいんスよ、俺っち!」
「ええ~? 世界一強いわけないから。大武会ちゃんと見てた? 優勝したとはいえ、決勝でフルボッコにされてたんだけど?」
「見てたッス! でも勝ったから問題ないッス!」
お前も勝利至上主義か? もうそういうのはいいんで勘弁して頂きたい。疲れるから。様子を見ると、どうあっても引き下がるつもりはないらしい。鼻息が荒い。タマネギ臭い。
「うふふ、いいんじゃない? 弟子にしてあげても。宗家さんには分派って認めて貰っているんだから。」
「う~ん。」
困ったな。エルにそんなこと言われたらなあ……。いきなり分派として活動せにゃならんのか。一生フリーでいるつもりだったのに。俺みたいなんが誰かの世話をしないといけなくなるなんてな。
「……じゃあ、しょうがない。認めてやろう。これより俺達は……流派梁山泊、極端派として活動する!」
「うふふ、やる気満々じゃない。」
「ノリノリじゃん! 前から考えてただろ、絶対!」
今思いついた。考えてたわけじゃないんよ。パッと頭に浮かんだ。我ながらいいアイデアだと思う。俺自身の戦い方は極端に変則的なことに定評があるからだ。色んな人から言われる。
「そういえば、タニシ? お前、コイツのこと舎弟とか言ってたけどなんで?」
「そりゃ、あっしはアニキの弟子一号でヤンスから……、」
「断る。」
「ええ~、しょんな~!?」
「だが断る。」
「破門されたでヤンス……。」
お前、戦闘力ほぼ皆無じゃないか。戦闘以外でがんばればいいだろ。この前も商売の勉強してたんだし。加えて、実家の稼業引き継ぐんだからな。
「あ、そういえば、お前の名前聞いてなかったな? 名前は?」
「ウス! 俺っちはゲイリー・ザ・オニオンって言うッス! よろしくお願いしやス!」
名前もタマネギかよ! 名を名乗りゲイリーは深々とお辞儀する。頭の頭頂部がよく見えるくらいに。その時俺は奇妙な物を見た。……ヤツの頭頂部後ろ側に“108”という謎の数字が書かれていた。入れ墨だろうか? まるで戦技“一0八”計みたいじゃないか。これは偶然? 何だろう? 何か背中にゾワッとするものを感じた。
エルがくすくすと笑いながら、俺をからかう。いやいや、知らんがな。俺かて初めて聞いたんだけど? こんなむさ苦しい、面白おかしいヤツのことは知らん!
「どういうことだ、タニシ? なにがあったか説明しろ!」
「これは深い理由があるでヤンス。ヤンス、ヤンスでヤンス。ヤンスヤンス! ヤンス~ぅ! ……と言うわけでヤンス!」
「何語だよそれ!? 意味が全然わかんないんだけど?」
ヤンスばっかりだ。ヤンスの大洪水だ。
「そっか、そっか! なるほど! 前々から付いてきてたけど、声をかける切っ掛けがなかった? んで、ワンちゃんが一人きりになったのを機にコンタクトを決行! ワンちゃんに御馳走し恩を売り、勇者へのアポをとりつけたのだ! だってさ!」
ドヤ顔でミヤコが説明する。さも当たり前のようにヤンス語を翻訳している。内容が本当なら今までの違和感、気配はコイツの仕業ということになる。タマネギ臭さもな。というか、メシを奢られたからって、安易に怪しい奴を連れてくるとは! 賄賂受け取ったり、買収されたようなモンじゃないか。
「だってさ、って何だよ! お前は通訳か! なんでわかったんだよ!」
横ではエルがくすくす笑っている。多分、俺と同様、意味はわかってないと思われる。
「それは企業秘密です!」
なにが企業秘密だ! さっきのヤンス語は暗号かなにかなのか? 開示しろ! 俺にわからないような秘密を持つなよ!
「お願いしヤス! 是非とも弟子にしてもらいたいッス! 強くなりたいッス!」
「言うて、俺のどこがいいの? 他に強い人いるよ?」
エドとかファルとか、侍とか? 梁山泊という手もある。俺に弟子入りとか何を血迷ったのか。俺、人に教えたりしたことないんだけど。非常に困る。
「いえ! 一番強い人に弟子入りしたいッス! 世界一強くなりたいんスよ、俺っち!」
「ええ~? 世界一強いわけないから。大武会ちゃんと見てた? 優勝したとはいえ、決勝でフルボッコにされてたんだけど?」
「見てたッス! でも勝ったから問題ないッス!」
お前も勝利至上主義か? もうそういうのはいいんで勘弁して頂きたい。疲れるから。様子を見ると、どうあっても引き下がるつもりはないらしい。鼻息が荒い。タマネギ臭い。
「うふふ、いいんじゃない? 弟子にしてあげても。宗家さんには分派って認めて貰っているんだから。」
「う~ん。」
困ったな。エルにそんなこと言われたらなあ……。いきなり分派として活動せにゃならんのか。一生フリーでいるつもりだったのに。俺みたいなんが誰かの世話をしないといけなくなるなんてな。
「……じゃあ、しょうがない。認めてやろう。これより俺達は……流派梁山泊、極端派として活動する!」
「うふふ、やる気満々じゃない。」
「ノリノリじゃん! 前から考えてただろ、絶対!」
今思いついた。考えてたわけじゃないんよ。パッと頭に浮かんだ。我ながらいいアイデアだと思う。俺自身の戦い方は極端に変則的なことに定評があるからだ。色んな人から言われる。
「そういえば、タニシ? お前、コイツのこと舎弟とか言ってたけどなんで?」
「そりゃ、あっしはアニキの弟子一号でヤンスから……、」
「断る。」
「ええ~、しょんな~!?」
「だが断る。」
「破門されたでヤンス……。」
お前、戦闘力ほぼ皆無じゃないか。戦闘以外でがんばればいいだろ。この前も商売の勉強してたんだし。加えて、実家の稼業引き継ぐんだからな。
「あ、そういえば、お前の名前聞いてなかったな? 名前は?」
「ウス! 俺っちはゲイリー・ザ・オニオンって言うッス! よろしくお願いしやス!」
名前もタマネギかよ! 名を名乗りゲイリーは深々とお辞儀する。頭の頭頂部がよく見えるくらいに。その時俺は奇妙な物を見た。……ヤツの頭頂部後ろ側に“108”という謎の数字が書かれていた。入れ墨だろうか? まるで戦技“一0八”計みたいじゃないか。これは偶然? 何だろう? 何か背中にゾワッとするものを感じた。
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる