【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
212 / 331
第3章 第2幕 はぐれ梁山泊極端派【灰と青春と学園モノ!!】

第212話 対話を求める者

しおりを挟む

「おのれ! 認めんぞ! シルヴァン・クロー!!」


 銀仮面は決着に納得がいかずに俺への攻撃を止めなかった。何やら拳の突起の所から縫い針の様な爪を生やしてきた。エベリオンは壊れてしまったからな。


「……異空跋渉。」

「……!?」


 手刀で空を斬り瞬間移動した。爪による攻撃、これはルールの中で使うとは言ってなかったので、反則と見なした。その上で俺も武術使用を解禁した。


「破竹撃!」


 相手の背後に瞬間移動し、後頭部に手刀を叩き込んだ。もちろん手刀なので仮面が割れるわけではない。こちらも本気で叩けば手が痛くなるので、冗談程度で済ませた。


「何故だ? 何故後ろにいる!」

「瞬間移動しただけだぞ。別に変わったことはしてないぞ。」


 別に変わったことはしてませんが? 魔術師だったら瞬間移動くらい普通なんじゃないの? 人によってはもっと大それた事してるクセに驚き方が大げさすぎ。


「転移の魔術が使えるとは聞いていないぞ! 魔術は使えないのではなかったのか!」

「魔術じゃない。武術だぞ。」

「武術でそんなことが出来るはずがない!」

「だって、出来るようになっちゃったんだもん。」


 色々鍛錬、実戦を重ねた上での習得だ。人に文句を言われる筋合いはない。使うの自体は簡単だが、そこまで到達するのが難しい。何も知らんヤツはに否定されるのは実に遺憾である!


「大体、武術は学長から禁止されていたのではなかったのか!」

「先に反則をしたのはお前だからな。勝敗付いた後の攻撃、エベリオン以外の武器使用。ダブルアウトだぞ。」

「クッ!?」


 二つも反則しといて文句を言うとは、なんて不届きなヤツだ。これ以上言うなら、学長に訴えてやる。


「君が取り乱すとは、珍しいこともあるのだな、シルヴァン。」

「ム? トープスか? 今さらのこのこ出てきて何をするつもりだ?」


 突如、はげ頭でひげ面のおっさ……じゃなくて先生が現れた。ローブがここの教員の物なので一目でわかる。ラヴァンも同じのを着ているのでわかりやすい。この人が噂のトープス先生か。


「人の妨害をしたのは君の方だろう? そもそも私は勇者殿と接触を図ろうとしていたのだからな。君の決闘趣味に邪魔をされたから様子を窺っていたのだ。」

「ハッ! おおっぴらに勇者と密会とは大した度胸だな?」

「どこで何をしようと学長には筒抜けだろう。別に構わんよ。私としては一部の身内に知られなければそれで良い。」

「たいした開き直りっぷりだ。」


 やっぱトープス先生も銀仮面から監視されていたのか。他に判明したのは銀仮面が学長の側の人間だということ。俺に接触しようとしていたとはどういうことか? ここでリン先輩とローレッタの話のどちらが正しかったのかが判明するかもしれない。


「勇者ロア、初めましてと言っておこうか。噂はよく聞いている。」

「ああ、どうも、トープス先生。アンタのよからぬ噂はよく聞くよ。今日はその弁明を聞けるのかな?」

「困ったな。私は世間では悪者にされているのか。それも含めて君には真相を話すつもりだ。君の協力は不可欠だからね。」


 こっちも接触を考えていたから、願ったり叶ったりの状況だ。できれば二人だけで話したいが、銀仮面はそのまま居座り続けるようだ。とりあえずおとなしくなってくれたから、まだマシかもしれないが。


「私の事はどこまで聞いている?」

「アンタが生身の人間じゃないというのは、方々から聞いている。アンタが所属している勢力が近いうちに反乱を起こすとも聞いてる。」

「そうか……私はその様に見られているのだな。しかし、私はその反乱を内側から止めようとしている。無益な戦いは止めさせたいのだ。」

「アンタの味方を止めようとしている?」


 組織内でも意見が割れているのだろうか? 強行派と穏健派みたいな? これから大事を起こそうとしている団体がそんなことで統率は取れるんだろうか?


「私はゴーレム達の組織、インスティチュート・ソサエティに所属しているが、私は完全なゴーレムではない。」

「……? 生身の部分も残っていると?」

「その経緯を説明しよう。私はダンジョンの研究で探索していたときに怪我で下半身を失ってしまったのだ。その怪我で私は再起不能に陥ってしまった。」


 リン先輩の話によると、トープス先生は大怪我をしたという記録が残っていたはず。それが切っ掛けでゴーレムと入れ替わってしまったと。


「それを証明できる? ホントかどうか話を聞いただけじゃ信用できないし。」

「わかった。証明を見せよう。」


 先生はズボンの片側の裾を膝の所までまくり上げて足を見せた。生身ではなくカラクリ仕掛けの金属の足だった。義足のような感じだ。次は上半身。腕まくりをして、ナイフを取り出し、腕に少し切り傷を付けて見せた。赤い血が流れ出ているので、生身なのは間違いなさそうだ。そこまで偽装されてたらわからんけど。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...