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第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】
第262話 トレ坊先生の提案“隻ロア”
しおりを挟む「石像がしゃべった?」
「あんな石像、置いてありましたっけ?」
「ちょっと、ワンちゃん! こんな時に変なイタズラしないでよ!」
「ガーン! あっしが犯人にされてるでヤンス! さすがにあんな趣味の悪い石像なんて使わないヤンス!」
「いやいや、これはタダの石像じゃないからね。」
病室に現れた謎の石像。突然現れたら、当然こんなリアクションになるだろう。タダの怪異以外の何者でもない。もちろんそれは、トレ坊先生の事を知らなければ、の話だ。
「あーっ!? 思い出したでヤンス!?」
「ホラ、ヤッパリ、ワンちゃんの仕業じゃん。」
「ダメだよ、タニちゃん! 病室で遊んじゃダメ!」
「そ、そうじゃなくて! 思い出したんでヤンス!」
「何を?」
タニシは何を思いだしたというのか? ノウザン・ウェルでの握手会に来ていたた先生を見たんだろうか? エルは参加してたから、それをどこかで見ていた? いやいや、あの時、先生は違う石像に乗り移ってたはずだが?
「学院の七不思議№0! しゃべる石像! そうに違いないヤンしゅ!!」
「なんでその話が今出てくるんだ! いい加減にしろ!」
「そうだそうだ! ワンちゃん、度重なる失態により、退場を命ずる!」
「ええ~!? しょんなぁ~!?」
もう、こんな時に遊んでるヒマなんてないのに……。まあ、いいか。暗く落ち込んだ雰囲気を払拭してくれただけでもありがたいと思うことにしよう。
「……バレてしまいましたか。学院の七不思議№0とは私の噂に尾ひれが付いた物でして……。」
「本当だったの?」
「ええ、恥ずかしながら……。」
まさか実話だったのか! じゃあ、タニシの話は当てずっぽうではなかったと? いやいや、もうその話はやめておこう。話が脱線してしまっている。
「それはさておき、改めて自己紹介をば。私、名前はロバート・トレと申します。訳あって石像に閉じ込められる呪いをかけられてしまったのでこのような姿となっております。以後、お見知りおきを。」
「色々、アンタの事について聞きたいのは山々だが、先に提案の内容とやらを聞かせてもらおうか?」
先生の自己紹介が終わり、ファルが単刀直入に話を再開させた。俺も内容は気になっていたので、助かった。さすが、我が相棒。
「オホン! それではお話ししましょう。私の策とは、勇者殿の義手を作る、という物です。」
「義手? 欠損して再生できないとかじゃないのに?」
「賢者殿、義手をこれから用意したとしても適合、調整に時間がかかります。手首を元通りに治療するよりは短期間で済むのは確かですが……。」
まさかの義手、か。それもいいかもしれんが。違和感とか物凄そう。利き腕だから余計に使いこなすまで時間がかかりそう。不器用な俺だから余計にね。トープス先生も難しいと言っているから、無茶なんじゃないか?
「確かに普通に用意すれば時間はかかると思います。この問題を解決する方法を私は思いついたのです。」
「時間を短縮できると?」
「ええ。その鍵は“剣の巫女”殿が握っていると言っても過言ではないと思います。」
「ええ!? ウチが!? なんで?」
「勇者殿の剣を義手に作り替えるのです!」
「な、何ぃーっ!?」
前代未聞の方法だった。これはみんなの想像を遙かに超えていた! 病室がざわめいている! 滅多に驚かないファルや、いつもクールな表情のローレッタまで驚きの表情になっている。それだけ衝撃的だったって事だ!
「先生、そんなことをしたら剣がなくなってしまうのでは?」
「確かに剣の素材は使うので、少し剣が小さくなると思います。とはいえ、勇者殿の剣は刃の部分が存在してない分、通常よりも大振りなサイズと言えるのではないでしょうか? うまく調整すれば可能ではないでしょうか?」
「なるほど。義手の内臓武器の技術を応用すれば、作成出来るかもしれません。」
義手に武器を内蔵する? なるほど、俺もローレッタやジムみたいに腕から「ジャキーン!」て剣を出すことになるのか。そんな勇者今までいたんだろうか? 義手の傭兵とか騎士とかの武勇伝は聞いたことがあるような……。
「素材をこれにすれば、勇者殿の体と親和性が高いのではないでしょうか? 正に剣と一体化する事になり、他人から奪われる危険性も皆無になると思われます。」
「うう、ウチの責任重大じゃん!」
「義手の設計図面はお見せしますし、作成のサポートはさせて頂きますよ。」
ミヤコはプレッシャーを感じて、珍しくうろたえている。剣の巫女が義手を作るなんて前代未聞の大仕事なんだから仕方ない。でも、トープス先生も手伝ってくれると言ってるし、実物…というか、その物を持っているローレッタの腕を参考にさせてもらえば、何とかなるだろう。
「じゃあ、決まりだな。後は手術中の敵勢力の襲撃にどう備えるかだな。」
腕の問題はどうにかなっても、そっちの問題をどうするかが難問だろうな。敵の数の方が多く、勢力も多数ある。ここをどう凌ぐかが正念場だろうな……。
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