【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
278 / 331
第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】

第278話 三番手ってことで、オチはお願いします。

しおりを挟む

「次は君かね、侍君。最初に声を上げた者が最後でなくて良いのかね?」

「当然、問題などござらんよ。拙者が二番手を務めねばいかんのでござるよ。」


 嘘つけーっ! 何にも相談してないのに問題ないわけあるかい! ちょっと待て、コレ大喜利大会とかっていうドッキリではなかろうな?俺が綺麗にオチを付けないといけないじゃないか! 勇者はそんなことする職業じゃないよ!


「……。」


 侍は教授の正面に立ち、精神統一を始めた。距離的にはギリギリ結界にパンチが命中する程度の間合いだ。加えて侍の構えも、右拳は脇の下まで引き、左拳は前に出した格好になっている。……コレ、“雷覇音速拳”直前のかまえじゃないか! あんなの使ったら、反射でこの建物どころか、学院全部が吹き飛びそうだ! やめろ!


「……。」


 侍の精神統一は長く続いていた。侍が技を出す直前のピリピリと皮膚を刺すかのような、鋭い殺気が感じられない。むしろ、侍自身の気配が薄れていっている。何をしようとしているんだ?


「……せいっ!!!」

(……ピッ。)


 侍は右拳を突き出した。いわゆる正拳突きと言う技だな。目にも止まらぬ、高速の突きだったが、結界は何も反応を示していない。軽く音が鳴ったか、鳴ってないか、というくらいだ。拳は結界に触れているのに?


「……お見事。結界に触れても結界が反応せんとはな。」


 会議室がザワザワし始めた。また失敗、何も意味がないのでは、とか言い合っている。コレはただの寸止めなのではと、俺も思う。


「諸君、これの凄さがわからんのかね? 私の結界は軽く叩こうとした程度でも、手痛い反撃を行う。彼はその反応をゼロにしたのだ。凄い技術だぞ。」

「教授殿はお見通しであったか。」


「君は破壊のエネルギー、相手を倒すという意志を極限に減らし、ゼロにした。武術家達の言う、殺気というものを消した上で拳を放ったのだ。これは中々出来るものではない。魔術師でさえ同様の真似を出来る者はそうそうおるまい。」


 この解説でみんな納得したのか、おおーっ、とか、そんなことが可能なのかとか言い始めた。たしかにこれは凄いかもな。でも、似たような技の使い手がいたような気が……。


「拙者の番は終わりでござる。後は勇者、お主の出番でござるよ。」

「お、俺? お前に出来なかったら無理だろ……。」

「拙者は拳術の達人が使ったと言われる、“殺気なき技”を聞きかじった話を元に再現したのでござるよ。」


 俺もそういう話を師父から聞いたような? 確か寝ているときに、血を吸おうとして近付いてきた蚊を寝たまま、拳を放って打ち落としたとかなんとか? 嘘みたいなホントの話があった。


「他に手本となった例を目の当たりにしたからこそ、拙者も再現を試みたのだ。拙者はお主の秘剣を真似た。あの“殺気なき剣”をな。それでも今の拙者にはこれがせいぜいでござるよ。」

「え? 俺の? 何を?」

「あの“八刃”と申す技でござるよ。あれこそ、この難題を解決する手段でござる。」


 でも、あれは禁止されてるんだけど? しかも、峨嶺辿征まで対策されちゃってる。どうすれば……。


「……。」


 策は思い浮かばないが、教授の前に立つ。でも何をすればいい? 何をやれば、この結界を破れるんだ?


「……結界の下の床を掘って中に到達するというのは……?」

「もちろんそれでは破れない。床や地面を掘ろうと、結界の範囲もそれに従い、下方向に広がるだけだ。」


 ですよね~。そういうのもダメですよね? 下からがダメなら、上から攻めれば……ってそれも同じ結果になりそう。


「拙者が行った事と、結果から考えてみるのでござるよ。あれがほぼ正解だったと拙者は信じておる。」


 侍は殺気を消して結界を破ろうとした。でも、破れなかった。とはいえ、結界の反射反応はなかった。タニシの低威力魔法でも反射されたのに、だ。この事実に答えはあるのか……?


「……。」


 俺は余計な邪念を消して、結界へと手を出した。ごく自然に、結界が存在しないかのように何も考えずに手を差し出す……。すると、結界をすり抜け俺の手は教授の手元まで伸びていった。


「……?」


 教授は俺の手を掴み、握手の形にした。まるでそうなることを願っていたように……。


「……ほう。出来たか。私の結界を突破することが。合格だ。」


 え? まさか、結界をすり抜けただけだったけど、成功扱いらしい。策もなく無意識的にやったことなのに……。


「君の話は聞いていたのだよ。相手を傷付けることなく倒す秘剣の話をね。それがどんな物かこの目で見てみたかったのだよ。それほどの奇跡を起こせるのなら、無理難題を吹っ掛けても乗り越えられるのではと、考えたのだよ。」

「いや、俺は考えもなしに……、」

「そうではない。君の仲間が教訓を見せてくれたからこそ成功したのだよ。しかも、それぞれ異なる能力の持ち主が力を合わせた結果だ。無意識的にとはいえな。」


 ウチら何にも相談とかしてないんだが? とはいえ俺が一番手なら成功しなかったような気がする。タニシの失敗とか、侍が出したヒントとか、それをバネに成功を収めたと、教授は言いたいのか。

「見たか、諸君? 我々も彼らを見習わねばならん。いつまでもいがみ合っていては脅威に立ち向かう事も出来ぬ。学長の意向など撥ね除ければ良い! 互いに協力し合い、平和的に解決しようではないか!」


 会合に集まった人全員が教授の言葉に賛同していた。なんか険悪ムードで始まったが、最後はうまくまとまった。これならタルカスや学長に立ち向かえるかもしれない!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。

アノマロカリス
ファンタジー
【赤魔道士】 それは…なりたい者が限られる不人気No. 1ジョブである。 剣を持って戦えるが、勇者に比べれば役に立たず… 盾を持ってタンクの役割も出来るが、騎士には敵わず… 攻撃魔法を使えるが、黒魔道士には敵わず… 回復魔法を使えるが、白魔道士には敵わず… 弱体魔法や強化魔法に特化していて、魔法発動が他の魔道士に比べて速いが認知されず… そして何より、他のジョブに比べて成長が遅いという… これは一般的な【赤魔道士】の特徴だが、冒険者テクトにはそれが当て嵌まらなかった。 剣で攻撃をすれば勇者より強く… 盾を持てばタンクより役に立ち… 攻撃魔法や回復魔法は確かに本職の者に比べれば若干威力は落ちるが… それを補えるだけの強化魔法や弱体魔法の効果は絶大で、テクトには無詠唱が使用出来ていた。 Aランクパーティーの勇者達は、テクトの恩恵を受けていた筈なのに… 魔物を楽に倒せるのは、自分達の実力だと勘違いをし… 補助魔法を使われて強化されているのにもかかわらず、無詠唱で発動されている為に… 怪我が少ないのも自分達が強いからと勘違いをしていた。 そしてそんな自信過剰な勇者達は、テクトを役立たずと言って追い出すのだが… テクトは他のパーティーでも、同じ様に追い出された経験があるので… 追放に対しては食い下がる様な真似はしなかった。 そしてテクトが抜けた勇者パーティーは、敗走を余儀無くされて落ち目を見る事になるのだが… 果たして、勇者パーティーはテクトが大きな存在だったという事に気付くのはいつなのだろうか? 9月21日 HOTランキング2位になりました。 皆様、応援有り難う御座います! 同日、夜21時49分… HOTランキングで1位になりました! 感無量です、皆様有り難う御座います♪

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

処理中です...