382 / 490
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第2幕 K'(ケー・ダッシュ)
第381話 断頭台のブレンダン
しおりを挟む「しないなら、しないで、オレにここまでやらせた責任は取ってもらうよ!」
切り札はあるが、使えば後戻りが難しくなる。アレは極限まで自分の力を出しきった後で使いたい。俺の普段のの力がどれほど通用するのか試してからにしよう。まださっきのは不意に攻撃を食らったからにすぎない。真正面から対処できれば十分対応できるはず!
「見せてみな。その魔王の力が本物だって事をな!」
「お得意の技を防がれて、まだ強気でいれるなんて大したもんだよ!」
(ガッ!! ゴッ!! ギィン!!)
俺は全力で相手を細切れにする勢いで怒涛の連撃をお見舞いする。とうとう棍棒を使わせることには成功したが、相手の体に攻撃は一切届くことなく、その全てが捌かれてしまっている。しかも小さいからだの時とは違い、ごく最小限の動きで制されてしまっているのだ。
「反射神経も前より良くなってないか? 俺の動きに先んじて動きやがって!」
「当たり前だ。この力を解放すると腕力だけでなく、感覚すら鋭敏になるんだ。攻撃の前のちょっとした筋肉の動きでさえよくわかる。だから、お前が次にどう動くのか手に取るようにわかるのさ。」
俺はてっきりアクセレイションというヤツを勘違いしていたようだ。腕力を初めとした身体能力ばかりが向上するものかと思っていたのだ。だが実際は感覚というか五感すら高めることが出来るのだということになる。今まで相手にしてきた半端な魔族どもではそこまでの強化を図れる者がいなかっただけなのかもしれないが。
「感覚すら鋭敏になる……。それだけで俺の攻撃を全て凌げると思うなよ!」
「生身の人間ならどうやったって筋肉に頼らないと動けない。それが把握できる以上はお前は何をやったところで、先読みされる運命なんだ!」
(ゴンッ!! ギンッ!! ガィンッ!!!)
絶えず攻撃を浴びせるうちに先んじて攻撃を合わされた挙げ句、断頭鋏を大きく撥ね飛ばされる結果になった。途端に俺は無防備となり、相手に接近させる機会を与えてしまった。このままではやられる……と言いたいところだが、これは俺自身がそうさせるために仕向けたのだ。
「これで終わりにさせてもらう!」
「かかったな、馬鹿め!!」
棍棒を振りかぶり必殺の一撃をいれに来たところを狙い、敢えて相手の懐に飛び込んだ。その過程で振り下ろしにかかる腕を義手の鍵爪でガッチリと掴んだ。これをやるために俺はワザと武器を飛ばされるような真似をしたんだ。
「義手だと!」
「やっぱり、義手の動きまでは認識できなかったようだな! これには筋肉なんてものはないからな。血の通わない機械だ。機械のメカニズムを把握してなきゃ、動きなんて読めねえだろうと俺は判断したのさ!」
肩から上腕までの部分は生身だ。どう腕を振るうのかまでは読まれるのは承知の上だ。問題は肘から先が機械、義手になっているということ。そこから先の動きは感覚が鋭敏になろうと読み取れるものではないと俺は読んだのだ。
つまり、腕を掴むという動きまでは把握されていなかったということになる。動きを読まれるって言うのなら、読めない部分で攻撃すればいいのさ!
「クソッ!? こんなので掴んだくらいでオレを倒したと思うなよ! このくらいすぐに引き剥がしてやる!」
「させるかよ! 一度掴んだ獲物は放さない!」
(ズドンッ!!!!)
そう、掴んだだけで終わりじゃない! 大抵の相手は掴んで握りつぶすだけでくたばるが、この義手はそこから駄目押しの一撃をくれてやることも可能になっている。腕の中央部に備え付けられた杭射ち機を使い、爪のでの粉砕後に止めの一撃を食らわせるのだ!
「ぐあぁぁぁっ!!??」
「その腕もらった!!」
(ベキッ!! ブチブチッ!!)
杭射ち機で刺し貫いただけで終わらない。こんな程度ではすぐに再生されてしまう。この状態から更に損傷を与えないといけない。この段階まででグシャグシャになった腕を強引にもぎ取る! これでしばらく右腕は使えまい!
「くっ! よくもここまで!!」
(ドゴアッ!!)
「ぬうっ!!」
相手はたまらず俺を間合いから引き剥がそうと強烈な回し蹴りを食らわせ吹き飛ばした。途中で受け身を取りバランスを崩すことなく着地は出来たがガードに使った義手の右腕がビリビリ来るくらいに凄まじい衝撃だった。生身の腕で受け止めていたらへし折れていたに違いない。
「やってくれるじゃないか! 最初は対応すら出来ていなかったのに。」
「舐めるなよ。こっちは商売で魔族狩り、異端者狩りをしてるんだ。これくらいの修羅場は何てことない。格上の相手でも必死に食らいついて、例え負けたとしても道連れにするくらいの心意気で戦ってるのさ!」
さて、問題はここからだ。片腕を失った今が最大のチャンスだと言える。だが今のまま戦っても、頭にちが上った相手の攻撃を凌ぎきれるとは思えない。ここはアレを解禁して一気に攻め立て、止めまで持っていかないと、やられるのはこっちかもしれない。
0
あなたにおすすめの小説
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる