一寸法師の異世界転生録

第三話

老夫婦との出会い

一寸法師は鬼の去った後も、その言葉が心に残った。彼は街の人々が騙されていることを知っていたが、それを変える方法が見当たらなかった。

途方に暮れて歩いていると急に後ろから声がした。

「一寸法師、あなたは勇敢ですね。私があなたを支えましょう。」

驚いて振り向くとピンクのマフラーを巻いた女性が立っていた。

「あなたは誰ですか？」
一寸法師は女性に尋ねた。

「私は桃恵。鬼にいいように翻弄されている人々を見て困っているあなたの姿。まるで若き日の桃太郎ちゃんを見ているようだわ」

「桃太郎ちゃん？それは誰のことですか？」
一寸法師の疑問を無視してその女性は続けた。

「ここじゃあなんだから、私の家に来て話しましょう。ほら、バックに入って。」

そういうと、半ば強引に一寸法師を持っていたバッグに入れて、歩き始めた。