あやかしおかしい百鬼学園

ice

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不審者に出会う

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……【あやかし】。
それは、人々を化かしては楽しむ
悪の魂の集うもの也。

-しかし、それはもう時代遅れ!
昔と違い人とあやかしは協力している。

「あ~寒ぅぅぅ!火炎車!火ィつけろ!」

「はいよ、濃黒ちゃん。」

まぁ、最初は困惑した人々もいたらしいが。

今、俺こと、濃黒こるく光清こうせいはこうして冬のコタツとして《火炎車》という【あやかし】を使ってに協力してもらって生活することが普通になっている。

男子中学生にですら【あやかし】に協力してもらうことができるのだから、外の人々から見たら異様で奇怪な光景だろうと俺は思う。

他人事だがな。

そう思っていると、こう呼ばれた。

「おーい、冬休みぐらい手伝えよ、クロ~!」
……ふゆやすみ、うんいい響きだな。
「おう、後5分……」「じゃねーよ!!」

解せぬという不快な感じを顔に精一杯出すが、
通用しない。何故ならこのあやかしの名は
《さとり》という。聞いた事がある人もいると思う。

そう、人の心を読むあやかしだ。

「んな事考えてる暇あんなら行ってこい。」

仕方がない。さとりにそう言われたら行くのが家の鉄則だから、まぁ、行くか。

「まぁまぁ、さとりさんいいじゃないですか」
「良くない!全然良くない!お前も他の奴らも甘やかしてんじゃねぇよ!」
火炎車がフォローするが間髪入れずにさとりが言う。

……どやされそうだから。早く行くか。
雪が降っているときにコタツから出て外に手伝いに行くのは2、3回目だが、、慣れないな。

スッと手のひらに雪をのせたくて、コートから手を出してみるが手の温度で解けてしまった。
さとりがいう、手伝いというのは。
「……」
本当に5分の暇さえあれば行けるコンビニという場所で夕飯の材料の買い出しに行くことだ。

いつも通りに買ってビニール袋を下げて帰る。

改めて、家や道のまわりを見てみるとあやかしと人間の子供、親達などが賑わしい。


それを異常だと思うのは、俺が陰陽師の母とあやかしの父の子……だからだろうか。

現に俺の家系もあやかし多めの人間少なめ位で
それが異常だと思ってしまう。

まぁ、俺はどちらの跡を継ぐ気もないが。

俺は思い出してしまいそうなものを忘れ、
道の角を左へと曲がった。

本当なら、すぐそこに神社があって、神社の角を右に曲がれば騒がしく目立つ木造建築物が見える。

ハズだったのだが……

「はぁ……!?……何だこの場所?」


青の空間、というか透明感のある青いガラスでできた箱の中、というか。そんな感じの空間に
居た。よく分からんが………え?

ガチめにここ何処?

「ねぇ、君。」
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