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第四章
二話
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神社を訪れてから一週間経った。あれから神社の面々には変化はない。その代わり私のイライラは日に日に増すばかり。私はこんなところで終わっていい人材じゃない。何とか功績を挙げて戦闘部署に返り咲いてやる。
神社の誰かがヘマをして討伐対象になってくれれば私の活躍するチャンスが生まれるというものの、流石何百年も波風立てず生活している連中が早々尻尾を出すとは思えない。となるとあの泣き虫妖怪が何かやらかす確率の方が高いだろう。妖怪のくせにピーピー泣きやがって、思い出すだけでイライラする。あんなのでも今は神社の管理下にいる。奴が何かやらかせば責任は神社側にあるわけだ。吸血鬼である高慢ちきなチスイ討伐も夢ではない。吸血鬼を倒したとなれば再びエリートコースに戻れるのは確実。再び私の時代がやってくるわ!
そんなことを考えていると神父様がなにやら難しい顔で私を見ているのに気が付いた。
『どうかしましたか神父様?私の顔に何かついてるんですか?』
『…いえいえ、今は彼女もいますし大丈夫でしょう。ですがくれぐれも無理はしないようにしてくださいね。』
なんだかよくわからないが私の心配をしてくれているのだろう。確かに神社には脅威度Aの憎き化け物の風美がいる。何の策もなしに突っ込むのは自殺行為だ。ここは先にエイミィの罪を暴き、チスイを糾弾するのが得策だろう。…エイミィの罪?どうせ妖怪なんだからやましい事の一つや二つあるでしょう。
意識的にも無意識的にも神社の三人への憎悪が膨らんでくる。もはや私をハメたエルドババァより憎い。こうなったら徹底的に監視してボロを出すのを見逃さないでやる!
意気込んで神社に乗り込む。監視といっても四六時中見張っているわけにもいかない。妖怪なんてのは昼間はほとんど活動しない。奴らの本業は夜に行われる。ボロを出すのはそこしかない。
相変わらず寂れた神社だ。あれから毎日来ているが夜の参拝客なんてほとんど見たことなかった。夜に参拝するものでもないし、せいぜい朝方に近所のおじいさんが犬の散歩ついでに石段前の道路で神社に向かって拝んでるだけ。律儀に境内まで来ているのは私くらいだ。
だが今日は違った。夜の0時を過ぎた頃、十数人の男たちが石段を登ってくる。珍しいこともあるもんだと思ったが明らかに様子がおかしい。全員目が虚ろで生気を感じない。だからと言って喰種のような妖怪の妖気も感じない。何者かに操られている?
とっさに近くの茂みに隠れる。これから何かが起きるのは確実だ。おそらくあの男たちを操っているのはチスイで、これから背徳的な吸血行為が行われるのではないか?何が神社の守護神だ。結局やってる事はそこいらの吸血鬼と何ら変わらない。やっと尻尾を出したなロリババァめ!
『と、止まってくださいっすー!』
男たちが境内まで上がってきた時、チスイ宅からエイミィが慌てた様子で出てきた。奴も吸血種の端くれ、もう我慢できなくて先走ったか?なんにせよこれは都合がいい。とっとと退治して神社の連中も断罪してやる!
退魔の短剣を構え、死角からエイミィに襲い掛かる。
後になって考えれば証拠もないのになんと短絡的な行動だったか。しかしこの時の私には何の疑問も持たず、妖怪憎しで何かに突き動かされるまま突っ走ってしまっていた。私までも操られていたなんて微塵も考えず…
神社の誰かがヘマをして討伐対象になってくれれば私の活躍するチャンスが生まれるというものの、流石何百年も波風立てず生活している連中が早々尻尾を出すとは思えない。となるとあの泣き虫妖怪が何かやらかす確率の方が高いだろう。妖怪のくせにピーピー泣きやがって、思い出すだけでイライラする。あんなのでも今は神社の管理下にいる。奴が何かやらかせば責任は神社側にあるわけだ。吸血鬼である高慢ちきなチスイ討伐も夢ではない。吸血鬼を倒したとなれば再びエリートコースに戻れるのは確実。再び私の時代がやってくるわ!
そんなことを考えていると神父様がなにやら難しい顔で私を見ているのに気が付いた。
『どうかしましたか神父様?私の顔に何かついてるんですか?』
『…いえいえ、今は彼女もいますし大丈夫でしょう。ですがくれぐれも無理はしないようにしてくださいね。』
なんだかよくわからないが私の心配をしてくれているのだろう。確かに神社には脅威度Aの憎き化け物の風美がいる。何の策もなしに突っ込むのは自殺行為だ。ここは先にエイミィの罪を暴き、チスイを糾弾するのが得策だろう。…エイミィの罪?どうせ妖怪なんだからやましい事の一つや二つあるでしょう。
意識的にも無意識的にも神社の三人への憎悪が膨らんでくる。もはや私をハメたエルドババァより憎い。こうなったら徹底的に監視してボロを出すのを見逃さないでやる!
意気込んで神社に乗り込む。監視といっても四六時中見張っているわけにもいかない。妖怪なんてのは昼間はほとんど活動しない。奴らの本業は夜に行われる。ボロを出すのはそこしかない。
相変わらず寂れた神社だ。あれから毎日来ているが夜の参拝客なんてほとんど見たことなかった。夜に参拝するものでもないし、せいぜい朝方に近所のおじいさんが犬の散歩ついでに石段前の道路で神社に向かって拝んでるだけ。律儀に境内まで来ているのは私くらいだ。
だが今日は違った。夜の0時を過ぎた頃、十数人の男たちが石段を登ってくる。珍しいこともあるもんだと思ったが明らかに様子がおかしい。全員目が虚ろで生気を感じない。だからと言って喰種のような妖怪の妖気も感じない。何者かに操られている?
とっさに近くの茂みに隠れる。これから何かが起きるのは確実だ。おそらくあの男たちを操っているのはチスイで、これから背徳的な吸血行為が行われるのではないか?何が神社の守護神だ。結局やってる事はそこいらの吸血鬼と何ら変わらない。やっと尻尾を出したなロリババァめ!
『と、止まってくださいっすー!』
男たちが境内まで上がってきた時、チスイ宅からエイミィが慌てた様子で出てきた。奴も吸血種の端くれ、もう我慢できなくて先走ったか?なんにせよこれは都合がいい。とっとと退治して神社の連中も断罪してやる!
退魔の短剣を構え、死角からエイミィに襲い掛かる。
後になって考えれば証拠もないのになんと短絡的な行動だったか。しかしこの時の私には何の疑問も持たず、妖怪憎しで何かに突き動かされるまま突っ走ってしまっていた。私までも操られていたなんて微塵も考えず…
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