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第42話 闇の錬金術師と三毛猫
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驚くべきことに、そこは『オルドリン商会』だった。
「……あれ、バズさん?」
「んあ? なんだ……!? って、カイリじゃねえか!! クローゼットの中から現れて、なにしてんだ!?」
そうか、クローゼットの中から出ちゃったんだ。エルナトってば、とんでもない場所に出してくれたな。
しかも、更に驚くべきことに……そこには父さんと母さんがいた。
「「カイリ!!」」
「父さん!? 母さん!? なんでオルドリン商会に!?」
理由が分からなかった。
どうして二人が……せっかく探そうと思っていたのに。
「父さんと母さんは、バズさんに助けられたんだ」
「え? バズさんに?」
「そうだ。家が燃えちゃってな、住む場所がなければ商会を使えと言われたんだ。だが、息子であるカイリは行方不明……凄く心配したんだぞ!!」
「……いやいや、俺は二人が錬金術師に連れ去られたって」
「なにを言っているんだ? それはバズさんのことだろう」
「え!? バズさんって錬金術師だったの!?」
俺は、バズさんに視線を向けた。
するとバズさんは照れくさそうにしていた。マジなのか。
「黙っていてすまないな、カイリ」
「……驚きましたよ。でもなんでオルドリン商会に出てきちゃったんだ??」
「そもそもカイリはどこにいたんだ?」
俺は、アークトゥルス帝国の侯爵家のお世話になっていたと話した。
「なんだって!?」
「それは本当か」
「……驚きね」
当然ながら、バズさんも父さんも母さんも驚いていた。
「だから、これからニューポーションを増産する。帝国で商売をするんだ」
「それは凄いじゃないか、カイリ!」
父さんが褒めてくれた。
「二人が無事だったのなら良かった。父さんと母さんは、新しい家に住むといいよ」
「カイリ、でもそんなお金はないんだよ」
母さんが困った顔をした。
そう思って俺は、金貨をたくさん出した。今までの売り上げだ。
「これくらいあれば足りる?」
「す、すごい金貨の数ね。いくらあるの?」
「三百万ベル分。これだけあれば良い所を借りれるだろ」
全員が『間違いない』と頷いた。
「じゃ、父さん。お金は渡したから……あとはごゆっくり!」
「カイリ、お前は錬金術師としての道を歩み続けるのだな」
「うん。俺は止まらないよ。いつまでも冒険者の為にポーションを作り続ける」
「そうか。お前の夢だったな。応援している」
「ああ……じゃ、父さんも母さんも、バズさんもお元気で」
俺はオルドリン商会を後にした。
ここからはもう両親には頼らない。俺ひとり……いや、一人と一匹の力で突き進む。そう、俺は今日から独立したんだ。
* * *
コンキスタドール社にお世話になることになった。
「ようこそ、カイリさん」
「グレイス、本当にいいのかい」
「はい、我が社の力を存分にお使いください。所属しているスタッフもカイリさんの実力を知っていますし、喜んでダンジョンなり向かいますので」
「それは助かるよ」
俺は、コンキスタドール社の建物内に新たにアトリエを作ってもらった。今までの部屋よりも数倍広く、研究設備も充実している。今までの比ではない。
これだけ自由に使えれば、最強の改造ポーションを作れるだろう。
「一緒にがんばりましょう、カイリさん」
「ああ、グレイス」
――その後、俺はグレイスやスタッフと共にニューポーションを作り続けた。
その数、三万個を超えた。
半分は、予定通りにエルナトへ送った。
数日もして『完売』してしまったらしい。
おかげで莫大な利益をあげてしまった。
「カイリさん、ニューポーションがあっと言う間に売れて……なんと一億五千万ベルも儲かったようです!」
「い、一億!?」
とんでもない額だ。
贅沢をしなければ一生遊んで暮らせる。
いやだけど、まだ在庫は一万五千ある。
これからも俺はポーションを売り続ける。
冒険者の為に。
俺とヴァルハラと家族の為に。
* * *
一年後。
アルデバラン王国。
「――闇の錬金術師って知ってるか?」
「ああ、三毛猫のヴァルハラって猫を頭に乗せてる少年だろ」
「カイリっていうらしい。アイツのポーションは安くて美味くて……しかも、唯一魔力を回復できるのさ」
「そりゃすげぇ! 宮廷錬金術師なんて目じゃねえな!」
「ああ、時代は変わっていく。いつだってな」
俺はそんな冒険者の会話を聞きながら、素通りしていく。
さあ、今日も研究をがんばろう。
「……あれ、バズさん?」
「んあ? なんだ……!? って、カイリじゃねえか!! クローゼットの中から現れて、なにしてんだ!?」
そうか、クローゼットの中から出ちゃったんだ。エルナトってば、とんでもない場所に出してくれたな。
しかも、更に驚くべきことに……そこには父さんと母さんがいた。
「「カイリ!!」」
「父さん!? 母さん!? なんでオルドリン商会に!?」
理由が分からなかった。
どうして二人が……せっかく探そうと思っていたのに。
「父さんと母さんは、バズさんに助けられたんだ」
「え? バズさんに?」
「そうだ。家が燃えちゃってな、住む場所がなければ商会を使えと言われたんだ。だが、息子であるカイリは行方不明……凄く心配したんだぞ!!」
「……いやいや、俺は二人が錬金術師に連れ去られたって」
「なにを言っているんだ? それはバズさんのことだろう」
「え!? バズさんって錬金術師だったの!?」
俺は、バズさんに視線を向けた。
するとバズさんは照れくさそうにしていた。マジなのか。
「黙っていてすまないな、カイリ」
「……驚きましたよ。でもなんでオルドリン商会に出てきちゃったんだ??」
「そもそもカイリはどこにいたんだ?」
俺は、アークトゥルス帝国の侯爵家のお世話になっていたと話した。
「なんだって!?」
「それは本当か」
「……驚きね」
当然ながら、バズさんも父さんも母さんも驚いていた。
「だから、これからニューポーションを増産する。帝国で商売をするんだ」
「それは凄いじゃないか、カイリ!」
父さんが褒めてくれた。
「二人が無事だったのなら良かった。父さんと母さんは、新しい家に住むといいよ」
「カイリ、でもそんなお金はないんだよ」
母さんが困った顔をした。
そう思って俺は、金貨をたくさん出した。今までの売り上げだ。
「これくらいあれば足りる?」
「す、すごい金貨の数ね。いくらあるの?」
「三百万ベル分。これだけあれば良い所を借りれるだろ」
全員が『間違いない』と頷いた。
「じゃ、父さん。お金は渡したから……あとはごゆっくり!」
「カイリ、お前は錬金術師としての道を歩み続けるのだな」
「うん。俺は止まらないよ。いつまでも冒険者の為にポーションを作り続ける」
「そうか。お前の夢だったな。応援している」
「ああ……じゃ、父さんも母さんも、バズさんもお元気で」
俺はオルドリン商会を後にした。
ここからはもう両親には頼らない。俺ひとり……いや、一人と一匹の力で突き進む。そう、俺は今日から独立したんだ。
* * *
コンキスタドール社にお世話になることになった。
「ようこそ、カイリさん」
「グレイス、本当にいいのかい」
「はい、我が社の力を存分にお使いください。所属しているスタッフもカイリさんの実力を知っていますし、喜んでダンジョンなり向かいますので」
「それは助かるよ」
俺は、コンキスタドール社の建物内に新たにアトリエを作ってもらった。今までの部屋よりも数倍広く、研究設備も充実している。今までの比ではない。
これだけ自由に使えれば、最強の改造ポーションを作れるだろう。
「一緒にがんばりましょう、カイリさん」
「ああ、グレイス」
――その後、俺はグレイスやスタッフと共にニューポーションを作り続けた。
その数、三万個を超えた。
半分は、予定通りにエルナトへ送った。
数日もして『完売』してしまったらしい。
おかげで莫大な利益をあげてしまった。
「カイリさん、ニューポーションがあっと言う間に売れて……なんと一億五千万ベルも儲かったようです!」
「い、一億!?」
とんでもない額だ。
贅沢をしなければ一生遊んで暮らせる。
いやだけど、まだ在庫は一万五千ある。
これからも俺はポーションを売り続ける。
冒険者の為に。
俺とヴァルハラと家族の為に。
* * *
一年後。
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「――闇の錬金術師って知ってるか?」
「ああ、三毛猫のヴァルハラって猫を頭に乗せてる少年だろ」
「カイリっていうらしい。アイツのポーションは安くて美味くて……しかも、唯一魔力を回復できるのさ」
「そりゃすげぇ! 宮廷錬金術師なんて目じゃねえな!」
「ああ、時代は変わっていく。いつだってな」
俺はそんな冒険者の会話を聞きながら、素通りしていく。
さあ、今日も研究をがんばろう。
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