金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中

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ドラゴンの正体

 あの黒いドラゴンは間違いない。
 飛行して戻ってくるスイカと……あれ、あのエルフはディアナさんだ。

「おかえり、スイカ。随分ずいぶんと早かったね」

 俺の肩に乗るスイカは小さな声で耳打ちしてきた。そうか、今のところはヨークには秘密にしていたんだった。でも、隠す事でもない。

「ただいまです、ヘンリーさん。人型の姿になっても?」
「って、そのままでも喋れたのか。ああ、構わない」

 ドロ~ンと変身するスイカ。
 ついに人型をさらした。

 その光景にヨークとディアナさんはビックリして目をパチクリしていた。そうだろうね、僕も最初は驚いたし。

「あ、あの……スイカちゃんが爆発しちゃいました!!」
「落ち着いて、ヨーク。スイカは、人型になれるんだ」
「えっ、そうなのですか!」

 目の前に推定十歳のちんまりした子供が現れた。昨晩会ったスイカ人型バージョンだ。何故かクリーム色の甘そうな長い髪をしているんだよな。

「え、ええッ!? このドラゴンさんって人間ひとだったんですか??」


 ディアナさんも大混乱パニック中だな。
 俺は、ヨークとディアナさんに詳しく説明した。すると、二人とも直ぐに納得してくれた。スイカが人型にもなれて、喋れるということに。


「ごめんなさい。だますつもりはなかったんですけど……その、ヘンリーさんが本当に信用できるか見極めていたもので」

「そうだったのか、スイカ」
「はい、すみません。ヘンリーさん」


 だから、直ぐには人型を出したくなかったんだろうな。とりあえず、スイカのことは置いておき、それよりもディアナさんだ。


「ところで、ディアナさん。錬金術師のハンフリーのところへ行っていたんじゃ? 帰ってくるの早いね」
「ええ、その……ドラゴンさんが運んでくれたんです」

「え、スイカが?」

 こんな小さいスイカがディアナさんを運んだ? 信じられんな。ドラゴンの姿でもかなり小さいけどな。もしかして、飛行能力は高いのか。

「あの~、ヘンリーさん。もしかして、あたしのこと馬鹿にしています!?」
「違う、違う。お前の能力がよく分からなくてな。そもそも、なにドラゴンなんだよ」

「ヘンリーさんは、テイマーですよね」
ぷち・・テイマーだからな。たいしたペット情報とか見れないんだよ。精々、飼うとか名前をつけるくらいしかな」

 がくっと項垂うなだれるスイカだが、仕方ないだろう。普通のテイマーや上級を目指すのは大変なんだ。一応、国家資格。ぷちテイマーになれただけ凄いんだぞ。

「分かりました。こちらから詳細を出しますね」
「へ、そんなことが出来るんだ?」
「はい、任意では可能なんですよ~」

 へえ、それは知らなかった。
 これでついにスイカの詳細も知れるわけだ。どれどれ……。


【スイカ】
【ドラゴン族】
【闇属性】
【人型:可】
【詳細】
 テイムモンスター。
 ダークエルフの国・ヘッジレイ出身の『エンペラードラゴン』の子供。成長はある呪術によってストップしている。このドラゴンのステータスは、テイマーの能力値や装備の補正に影響される。

【スキル】
①S級飛行能力
②ダークブレス Lv.5
③ダークサイクロン Lv.3


 これがスイカのスペックか。
 なるほどな。史上最強の“エンペラードラゴン”だったとはな、これは驚いた。しかし、今は後回しだ。注目すべきは『S級飛行能力』だ。そうか、このスキルがあったから、ディアナさんを余裕で運べたんだ。

 ディアナさんに詳しく聞くと、途中まで護衛していたスイカが突然、ディアナさんの背中を足で掴んだようだ。それから一気に飛んで移動した――と。それでこんな短期間でランカスター帝国へ戻ってこれたんだ。


「お前は凄いな、スイカ」
「そ、そんな撫でられると照れちゃいます……えへへ。というか、ヘンリーさんの能力が凄いんです! 主のステータスがあたしに影響するんですから」


 いろいろ分かってきたぞ。
 ヨークのこと、スイカのことも。

 それと運がいい。

 今は、エルフ族のディアナさんがいる。もしかしたら、ランカスター帝国へ入れるかもしれない……!
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