金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中

文字の大きさ
34 / 62

SSS級魔剣・ヘルシャフト

 犯罪者二人を縛り上げ、僕はいったん門番のところへ。帝国騎士へ引き渡した。

「あれ、ヘンリーくん。その二人はなんだい」
「コイツ等は人さらいだ。犯罪者だよ」
「……ああ、最近、ランカスター帝国のどこかに犯罪集団がいるという噂を耳にしたな」
「それだよ! 主犯はガヘリスという男だ。元ギルド職員だよ」

 帝国騎士の青年は、なるほどと理解を示してくれた。

「あの悪い顔した中年の人か。冒険者ギルドにいたよね。そうか、ヘンリーくんもあのギルドで勤務していたな。何度か顔を見た事がある」
「それだよ、騎士さん。ガヘリスは、この帝国のどこかにある地下に潜伏して、奴隷売買をしているようなんだ。僕はそれを止めに来た」

「そうだったのか。分かった、金貨をくれたお礼だ。この俺も手伝おう」
「ありがとう。ひとまず、この二人を頼むよ」

 服も体もボロボロになったガースとエルヴィス。白目を剥いて泡を吹いていた。すっかり気絶している。

「分かった。こいつらは牢に入れておく」
「ありがとう。それじゃ、僕達は行く」

 門番の騎士さんと別れ、僕はヨークたちの元へ戻った。

「ヘンリーさん、大丈夫でした?」
「うん、あの馬鹿二人を引き渡した。これで少しは犯罪者を減らせたかな」
「さっきはカッコ良かったですよ」
「いや、僕は当然のことをしただけ。それに、職場には不満もあったし……それ以前の問題だ。ガヘリスと一部の部下は、犯罪に手を染めてやりたい放題。こんなの許せないよ」

 ギルドの受付嬢にまで手を出すとか、もう見境ないな。あそこまで落ちるとは、もう救いようがない。

 とにかく、もう日が沈む。
 そろそろ宿屋を探さないとな。


「ヨーク、スイカ。今日はもうどこかで泊まろう」

「宿屋ですね!」
「おぉー、やっとゆっくりできるんですねぇ」

 二人ともわくわくしていた。
 せっかくのランカスター帝国だしな。
 どこかで体を休めて明日に備えよう。

 しかし、どこにしようかな。

 自分が使っていた寮は、もう使えないだろうし――う~ん、と悩んでいると背後から声がした。


「そこのキミ」
「え? 僕?」


 振り返ると、そこには白い髪の少年がいた。僕と同い年くらいかな。あ、剣を腰に携えているから騎士か。なんだか明らかにレアリティの高い剣だな。それに、鎧もS級以上だろう。なんだ、ステータスもやたら高そうだ。

 強い視線。
 強いオーラ。
 堂々した姿勢。

 この人……何者だ。


「はい? なんでしょう?」
「さっき暴漢を倒して、門番に引き渡していたね」
「はい、それは僕ですけど」

「そうか、やっぱりな」
「やっぱり?」


 聞き返すと、少年騎士は剣を抜いた。えっ、いきなり……! 僕は『S級ツヴァイヘンダー』を取り出した。


「ほう、S級ツヴァイヘンダーか。それは中々手に入らない上物。しかも、中立地帯スコットのある店・・・でないと買えない代物だ」


「そこまで分かるのか。いったい、何者?」
「それは剣を交えれば分かるさ。我がSSS級魔剣・ヘルシャフトを味わってみるといい」
「え、SSS級!?」

 やっべ、そんなレアリティ魔剣と衝突すれば、僕の剣が破壊されてしまう。なら、剣で戦う必要なんてないよな。僕は騎士ではないし。騎士道精神とかないし。


 ぷちテイマー・・・・・・なので!!


「スイカ、ダークサイクロンで吹き飛ばせ!」
「了解です、ヘンリーさん!!」


 ドラゴンに変身し、スイカは口から闇属性魔法『ダークサイクロン』を放った。黒い渦が少年騎士を吹き飛ばす。

 ――いや、避けられた!?


「甘いっ! いやしかし、ドラゴンのペットがいるとはね」


 空高くジャンプする少年騎士。マジか! すごいジャンプ力だ。屋根より高いぞ。というか、屋根に飛び乗った。


「君は騎士だよね、いきなり僕を狙うとか何の目的?」
「……ここまでか。俺はクリフォードだ。ネヴィルのフクロウが家にやってきて手紙が届いたんだ。君がランカスター帝国に来るって聞いたから、門からずっと見守っていた」

「え、マジ!? ずっと見られていたのか……」

「そうだ。本当に君が信用に値するかどうか監視させもらった。けど、大丈夫そうだね。あの犯罪者共を見事に捕らえた。その実力を認めよう。俺の家に招待する。来てくれ」

 そ、そうだったのか!
 ネヴィルのヤツ、いつの間に連絡を入れていたんだ。そうなら、そうと言ってくれれば良かったのになあ。

 でも、家に招待してくれるみたいだし、そういえば、病弱な妹さんがいるとも聞いた。なんとかしてやりたいな。
感想 9

あなたにおすすめの小説

「女のくせに強すぎて可愛げがない」と言われ婚約破棄された追放聖女は薬師にジョブチェンジします

紅城えりす☆VTuber
恋愛
*毎日投稿・完結保証・ハッピーエンド  どこにでも居る普通の令嬢レージュ。  冷気を放つ魔法を使えば、部屋一帯がや雪山に。  風魔法を使えば、山が吹っ飛び。  水魔法を使えば大洪水。  レージュの正体は無尽蔵の魔力を持つ、チート令嬢であり、力の強さゆえに聖女となったのだ。  聖女として国のために魔力を捧げてきたレージュ。しかし、義妹イゼルマの策略により、国からは追放され、婚約者からは「お前みたいな可愛げがないやつと結婚するつもりはない」と婚約者破棄されてしまう。  一人で泥道を歩くレージュの前に一人の男が現れた。 「その命。要らないなら俺にくれないか?」  彼はダーレン。理不尽な理由で魔界から追放された皇子であった。  もうこれ以上、どんな苦難が訪れようとも私はめげない!  ダーレンの助けもあって、自信を取り戻したレージュは、聖女としての最強魔力を駆使しながら薬師としてのセカンドライフを始める。  レージュの噂は隣国までも伝わり、評判はうなぎ登り。  一方、レージュを追放した帝国は……。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。