35 / 62
金貨増殖バグの追加効果
クリフォードの後をついていく。
日が沈む前には東側にある屋敷についた。どうやら、帝国の東側は閑静な場所らしく、屋敷が点々とあるくらいだった。人の往来はあんまりないな。
「ここがクリフォードさんの屋敷か」
「そう、俺はここで妹のリーゼと暮らしている」
屋敷へ入っていく。
大きな玄関口を抜け、長く幅の広い通路を歩く。どこまでも続いていそう。どんどん奥へ行くと、屋敷の中へ。
だいぶ年季の入った古びた内装。でも、落ち着きがあった。木造がなんだか落ち着く。
「わぁ、素敵なお屋敷ですね。大きな絵画もスゴイ」
「あたしも驚きました。植物がたくさんありますし、螺旋階段もどこまで続いているんでしょう……?」
ヨークとスイカが目を輝かせた。こういうところは初めてらしい。僕もだけど。なんだか、別の世界に来ちゃった気分だな。
スコットにある屋敷とは大違いだけど、これはこれでいいな。どんどん先へ進み、奥の部屋。外敵から護る為だろうか、二重扉となっていて、扉も分厚かった。……どういうことだ?
中へ入ると、そこには大きなベッドで半身を起こす少女の姿があった。あの白い髪……クリフォードと同じだ。
病的なまでに白い肌がまぶしい。
宝石のような青い瞳をこちらに向け、少し不安気だった。
「おかりなさい、兄様」
「ただいま、リーゼ。この人達はネヴィルの言っていった親友の方達だ。今日から、しばらく泊まることになる」
「そうですね。はじめまして……わたしはリーゼと申します。よろしくお願いします」
可愛らしい声と視線を向けられ、僕は顔が真っ赤になった。な、なんだこの人形のような子……可愛い。見惚れていると、ヨークが膨れていたことに気づく。
まずいな、後で怒られそうだ。
「僕は、ヘンリー。ちょっとワケあって帝国で調査をしているんだ」
「そうなのですね。その、銀髪の方と小さな女の子は?」
ヨークが一歩前へ出る。
「わたくしは、ヨークです。よろしくお願いしますね、リーゼさん」
「とても綺麗な方ですね、ヨークさん」
「えっ! いえ、そ、そんなことは……ないですよぉ」
まんざらでもなさそな表情だな。
いや、実際、ヨークは美人だけどさ。
最後にスイカは、僕が紹介しておいた。どうやら、スイカは人見知りが激しいようで僕の足にずっと掴まって動こうとしなかった。
「このちんまりしたのがスイカ。ドラゴン族なんだ」
「わぁ、小さな女の子ですね。ドラゴンさんなのですね」
「ああ、これでもかなり強いよ」
紹介を終えると、クリフォードがベッドに腰を下ろした。
「ヘンリーくん、君なら妹の不治の病を治せると聞いた。藁にも縋る思いで君に頼みたい。どうか妹を治して欲しい」
「その前に、どんな病気? 内容を聞いてからじゃないとね」
「分かった、教えよう。……あれは一年前だ。俺が聖騎士としての任務を終えたある日、屋敷に戻ると、リーゼが玄関に倒れていた。それからだ、リーゼは手足が動かせなくなったんだ。
なにかの呪いかなと思った。状態異常を疑ったけど、でも解除できなかった。結局、原因不明で……リーゼは満足に動けなくなり、不自由を強いられるようになってしまった」
動けなくなった……それが不治の病か。確かに、状態異常とかならヒーラーのスキルとかで治療も可能だ。だけど、いろいろ試してみたいだし、それで治らないだなんて。
「その呪い的なものを受けるまでは動けていたんだね?」
「そうだ、リーゼは普通に生活していたんだ。だから、呪いとしか思えないんだけど……治せない。高級ポーションやヒーラーの力を借りてもダメだった」
いったい、なんの呪いなんだ。
そもそも呪いなのかも怪しい。
悩んでいると、ヨークが耳打ちしてきた。
「あの、ヘンリーさん。お話し中申し訳ないのですが」
「ん? どうした?」
「あのですね、ヘンリーさんにお渡しした『金貨増殖バグ』ですけど、あれ、最近敵を倒しまくってレベルアップしてしているじゃないですか」
あー、確かに。
道中のモンスターや、さっきも同僚を倒した。そういえば、金貨投げの威力が上がっていたな。
「それがどうした?」
「ええ、実は金貨増殖バグはスキルレベルがアップすると、いろんな特典がつくんですよ~。追加効果があるはずです。一度、確認してみて下さい」
「分かった」
僕はスキルを確認した。
【金貨増殖バグ】
【Lv.33】
【補助スキル】
【効果】
任意で本物と偽物のサマセット金貨を増殖させる。 ①『金貨増殖バグ』スキルが『Lv.3』のとき、【金貨投げ】を習得できる。 ②『Lv.10』のとき、銀貨と銅貨の生成も可能になる。 ③『Lv.15』のときステータスが三倍になる。 ④『Lv.20』のとき、幸運値 +100。 ⑤『Lv.30』のとき【状態異常】および【超状態異常】と【破滅の呪い】を解除可能になる。
気づけば、なんか効果がすげぇ増えていた。ちょっとマテ……⑤って、これ使えば門も苦労しなかったぞ! いや、でもあの時はまだ『Lv.29』だったか。同僚を倒してレベルアップしたんだな。
これでリーゼを治せるかも!
日が沈む前には東側にある屋敷についた。どうやら、帝国の東側は閑静な場所らしく、屋敷が点々とあるくらいだった。人の往来はあんまりないな。
「ここがクリフォードさんの屋敷か」
「そう、俺はここで妹のリーゼと暮らしている」
屋敷へ入っていく。
大きな玄関口を抜け、長く幅の広い通路を歩く。どこまでも続いていそう。どんどん奥へ行くと、屋敷の中へ。
だいぶ年季の入った古びた内装。でも、落ち着きがあった。木造がなんだか落ち着く。
「わぁ、素敵なお屋敷ですね。大きな絵画もスゴイ」
「あたしも驚きました。植物がたくさんありますし、螺旋階段もどこまで続いているんでしょう……?」
ヨークとスイカが目を輝かせた。こういうところは初めてらしい。僕もだけど。なんだか、別の世界に来ちゃった気分だな。
スコットにある屋敷とは大違いだけど、これはこれでいいな。どんどん先へ進み、奥の部屋。外敵から護る為だろうか、二重扉となっていて、扉も分厚かった。……どういうことだ?
中へ入ると、そこには大きなベッドで半身を起こす少女の姿があった。あの白い髪……クリフォードと同じだ。
病的なまでに白い肌がまぶしい。
宝石のような青い瞳をこちらに向け、少し不安気だった。
「おかりなさい、兄様」
「ただいま、リーゼ。この人達はネヴィルの言っていった親友の方達だ。今日から、しばらく泊まることになる」
「そうですね。はじめまして……わたしはリーゼと申します。よろしくお願いします」
可愛らしい声と視線を向けられ、僕は顔が真っ赤になった。な、なんだこの人形のような子……可愛い。見惚れていると、ヨークが膨れていたことに気づく。
まずいな、後で怒られそうだ。
「僕は、ヘンリー。ちょっとワケあって帝国で調査をしているんだ」
「そうなのですね。その、銀髪の方と小さな女の子は?」
ヨークが一歩前へ出る。
「わたくしは、ヨークです。よろしくお願いしますね、リーゼさん」
「とても綺麗な方ですね、ヨークさん」
「えっ! いえ、そ、そんなことは……ないですよぉ」
まんざらでもなさそな表情だな。
いや、実際、ヨークは美人だけどさ。
最後にスイカは、僕が紹介しておいた。どうやら、スイカは人見知りが激しいようで僕の足にずっと掴まって動こうとしなかった。
「このちんまりしたのがスイカ。ドラゴン族なんだ」
「わぁ、小さな女の子ですね。ドラゴンさんなのですね」
「ああ、これでもかなり強いよ」
紹介を終えると、クリフォードがベッドに腰を下ろした。
「ヘンリーくん、君なら妹の不治の病を治せると聞いた。藁にも縋る思いで君に頼みたい。どうか妹を治して欲しい」
「その前に、どんな病気? 内容を聞いてからじゃないとね」
「分かった、教えよう。……あれは一年前だ。俺が聖騎士としての任務を終えたある日、屋敷に戻ると、リーゼが玄関に倒れていた。それからだ、リーゼは手足が動かせなくなったんだ。
なにかの呪いかなと思った。状態異常を疑ったけど、でも解除できなかった。結局、原因不明で……リーゼは満足に動けなくなり、不自由を強いられるようになってしまった」
動けなくなった……それが不治の病か。確かに、状態異常とかならヒーラーのスキルとかで治療も可能だ。だけど、いろいろ試してみたいだし、それで治らないだなんて。
「その呪い的なものを受けるまでは動けていたんだね?」
「そうだ、リーゼは普通に生活していたんだ。だから、呪いとしか思えないんだけど……治せない。高級ポーションやヒーラーの力を借りてもダメだった」
いったい、なんの呪いなんだ。
そもそも呪いなのかも怪しい。
悩んでいると、ヨークが耳打ちしてきた。
「あの、ヘンリーさん。お話し中申し訳ないのですが」
「ん? どうした?」
「あのですね、ヘンリーさんにお渡しした『金貨増殖バグ』ですけど、あれ、最近敵を倒しまくってレベルアップしてしているじゃないですか」
あー、確かに。
道中のモンスターや、さっきも同僚を倒した。そういえば、金貨投げの威力が上がっていたな。
「それがどうした?」
「ええ、実は金貨増殖バグはスキルレベルがアップすると、いろんな特典がつくんですよ~。追加効果があるはずです。一度、確認してみて下さい」
「分かった」
僕はスキルを確認した。
【金貨増殖バグ】
【Lv.33】
【補助スキル】
【効果】
任意で本物と偽物のサマセット金貨を増殖させる。 ①『金貨増殖バグ』スキルが『Lv.3』のとき、【金貨投げ】を習得できる。 ②『Lv.10』のとき、銀貨と銅貨の生成も可能になる。 ③『Lv.15』のときステータスが三倍になる。 ④『Lv.20』のとき、幸運値 +100。 ⑤『Lv.30』のとき【状態異常】および【超状態異常】と【破滅の呪い】を解除可能になる。
気づけば、なんか効果がすげぇ増えていた。ちょっとマテ……⑤って、これ使えば門も苦労しなかったぞ! いや、でもあの時はまだ『Lv.29』だったか。同僚を倒してレベルアップしたんだな。
これでリーゼを治せるかも!
あなたにおすすめの小説
「女のくせに強すぎて可愛げがない」と言われ婚約破棄された追放聖女は薬師にジョブチェンジします
紅城えりす☆VTuber
恋愛
*毎日投稿・完結保証・ハッピーエンド
どこにでも居る普通の令嬢レージュ。
冷気を放つ魔法を使えば、部屋一帯がや雪山に。
風魔法を使えば、山が吹っ飛び。
水魔法を使えば大洪水。
レージュの正体は無尽蔵の魔力を持つ、チート令嬢であり、力の強さゆえに聖女となったのだ。
聖女として国のために魔力を捧げてきたレージュ。しかし、義妹イゼルマの策略により、国からは追放され、婚約者からは「お前みたいな可愛げがないやつと結婚するつもりはない」と婚約者破棄されてしまう。
一人で泥道を歩くレージュの前に一人の男が現れた。
「その命。要らないなら俺にくれないか?」
彼はダーレン。理不尽な理由で魔界から追放された皇子であった。
もうこれ以上、どんな苦難が訪れようとも私はめげない!
ダーレンの助けもあって、自信を取り戻したレージュは、聖女としての最強魔力を駆使しながら薬師としてのセカンドライフを始める。
レージュの噂は隣国までも伝わり、評判はうなぎ登り。
一方、レージュを追放した帝国は……。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。