クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗

文字の大きさ
58 / 288

俺だけが知る財宝の在り処...女子たちが狙ってくる!

しおりを挟む
 山折りと谷折りを繰り返すと――それは。

「……そういうことか」
「どういうこと?」

 天音が不思議そうに見つめてくるが、俺もまだ確信があるわけではない。百パーセントとは言い切れないが、ほぼ完全に財宝の在り処を示していた。

 だけど、天音が知りたそうにしていた。
 どうしようかな。
 せめて天音だけには教えておくべきか。

 一応、口は堅そうだし。


「えっと、宝の地図をこうして波状に折る。すると、宝の在り処が……あ」


 気づけば、女子全員が俺に注目していた。やっべ、危うく答えを言ってしまうところだった。

 説明を止めていると、桃瀬が悪魔っぽく微笑んだ。


「早坂くん、もしかしてお宝の在り処を発見したんだ?」
「い、いや……そういうわけでは」

「みんな、早坂くんが財宝の場所を見つけたって!」
「ちょ、桃瀬さん!?」


 その瞬間、俺は取り囲まれてしまった。

 みんな目がお金になってるー!?

 おいおい、マジかよ。


 今度は千年世がこう言った。


「つまり、早坂くんをモノにできれば……大金持ちになれるってことですよね」


 騒然となるみんな。
 な、なんだか嫌な予感が!

 いや、独り占めするつもりはないのだが、混乱を招くと思い俺は自分の脳内だけに留めておこうと思ったんだ。


「ていうか、その地図を私たちにも見せてよ」


 強引に奪ってくる野茂だったが、手を滑らせて……『焚火』に落としてしまった。一瞬で燃えてしまう宝の地図。


「あああああああああああああああああああああああ……!!! 宝の地図があああああああああああああ!!!」


 全員で叫んだ。
 嘘だろ!!

 あの地図だけでも億の価値があるのに……一瞬で炭になっちまった。……これで財宝の在り処は、俺の“脳内”だけに記憶されていることになった。


 瞬間、女子たちは距離を取って俺を囲った。


「へ!? お、おい。みんなどうした!?」


 北上がこう説明してくれた。


「たった今、啓くんを除く全員が敵になりました」
「なぜ!?」

「だってそうでしょう。お宝の情報は啓くんだけが知っている。あなたは何十億、何百億もの財産を手に出来る男。つまり、この中の誰かが啓くんをモノにできたら、幸せになれるということです」


 は!?

 は!?

 はあああああああああああ!?


 ちょ、待て……いつのまにそんなデスゲームが始まった!!!


 俺は許可していないぞぉ!?



「お金だけではない。わたしは早坂くんが欲しいの!」
「あ、天音……。戦う必要なんてないだろ。財宝は分け合えばいい!」


 けれど、天音は首を横に振った。


「……そのラインは超えてしまったの。幸せになれるのは、たった一人だけ。早坂くんを手に入れた女の子だけが全てを手に入れられる」


 だから、ここからは『戦争』だと、天音は言った。


「どうしてそうなる! 俺は仲間内で戦って欲しくはないぞ」


 だめだ。みんな聞く耳持たずだ。
 今にも衝突しそうなほど睨み合っている。

 ここは俺がなんとかしないと、本当に血みどろの戦がはじまってしまう。

 まさか殺し合いなんて始まらないだろうな……!


 やべえと焦っていると、森の方からガサガサ音がした。
 突然の事態に全員が凍り付いた。

 良かった、これで戦争は回避された――が。


 茂みの中から出てきた人物に全員が驚いた。


「八重樫さん!! ほっきー! リコ! 大伊さんまで!!」


 まさか、全員が返ってくるなんて!
 しかし……なんだか様子がおかしかった。

 四人とも俺を一瞬見て、


 いきなり対立した。


 って、お前達もかよ!!


 これで完全に全員揃ったというのに……気持ちがバラバラだ。いや、ある意味、目標が一致しているけど。


 俺だ。
 俺を巡って不毛な戦いが始まろうとしていた。


「みんなストップ! こんなことしても体力を無駄に消耗するだけだ。戦いはよそう」


 すると全員の殺意とか殺気が消えた。
 殺す気マンマンすぎだろ。
 女子はこういう時、おっかないな。

 とりあえず、全員俺の言葉を聞き入れてくれた。


「仕方ないですね、啓くんの命令は絶対です。少なくとも、あたしは従います」


 北上は戦意を失い、その場に座った。続くように、みんなも座っていく。


「よかった。今は、八重樫さんたちとの再会を喜ぼう」


『し~~~ん……』


 誰も喜ばねえ!!!

 なんだこの空気……。謎の緊張感。どうしてこうピリピリしているんだ。

 そんな中、リコが笑った。


「みんな、お金に目が眩み過ぎじゃない? リコは、早坂くんが純粋に好きなんだけどね~。ただお金だけとか、そんなの本当の愛じゃない」


 きゃはっと笑うリコ。
 余裕あるな~。

 そう言ってくれるのも嬉しいし……そうだな、俺を思ってくれる人になら、信用できる。

 でも、現状では財宝の在り処は教えられない。

 こうなってしまったら……火種にしかならない。なら、俺の脳内に留めておく方がいいのかも。


 戦こそ回避できたが、今度は女子たちが俺に寄ってきた。



「ちょ、みんな寄り過ぎ!!」



 総勢十三名が俺の腕や首、膝などにすり寄ってきた。……って、あれ、あれ……あれえええええええ!?


 これでは倉島が目指していたハーレム帝国では……!?


 この中には財宝目当ての女子もいるだろう。でも、天音や北上、リコのように純粋に俺を好きになってくれた女子もいる。

 俺はどちらかと言えば、思ってくれる女の子が好きだ。

 だから俺は決めた。

 戦争になって死人が出るくらいなら、信頼できる者と分け合うと。

 疑似ハーレムで済むのなら……とりあえず、現状維持だ。


 こうなるとは思わなかったけど、今はこれでいい。


 今夜以降、女子たちは自分の“あらゆる武器”を使って、俺を誘惑しまくってくるようになった。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~

桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。 高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。 見知らずの後輩である自分になぜと思った。 でも、ふりならいいかと快諾する。 すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。

義妹と旅する車中泊生活

桜井正宗
青春
 義妹の『歩花』(あゆか)は、兄である大学生の『回』(カイ)が大好きで、どこでもついて行く。ある日、回が普通自動車免許を取った。車を買うお金はなかったけれど、カーシェアリングでドライブへ出かけた。帰りに歩花が宝くじを購入。それが高額当選した。そのお金でキャンピングカーを買い、大好きな兄へ送った。  回は、夏休みを利用して可愛いJK義妹と共に全国を巡る旅に出る――。 ※カクヨムでも掲載中です

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

処理中です...