元勇者は魔力無限の闇属性使い ~世界の中心に理想郷を作り上げて無双します~

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中

文字の大きさ
4 / 177

第4話 世界の中心へ

しおりを挟む
 収集品を売りまくって、得た金で船を買うことにした。もちろん、それでも足りなかったので、そこら中にあるダンジョンでボス狩りをしまくった。

 幸い、水の聖国サンク付近には、そこそこのレアアイテムをドロップする、ボスモンスターがかなり生息していた。ありがてぇ……!


「これでまともな船が買えるな」
「いや、それ以上でしょう。どんだけ稼ぐのよユメ」

「いいじゃないか、汗水垂らして稼いだお金だし……おかげで、みんなにプレゼントも出来たしな」
「う、うん……嬉しい。ありがとね、このネックレス」


 微妙にはみかみながら、ネーブルは笑った。
 サプライズだったし、きっと照れているのだろうな。顔がほんのり赤いし。ゼファはさっきから、ずっとうっとりと指輪を眺めていた。


「これが、婚約指輪なのですね……」
「いやいや……それは、闇属性耐性を上げるリングでね――」
「嬉しいです♪」


 珍しくゼファが飛びついてきた。
 うわぁ、良い匂いとかヤバ……。まあいいか、本人が嬉しそうだし。


「で、フォースはどうだ」


 さっきから、ずっと無言のフォース。
 お気に召さなかったかな。


「…………」

 って、なんか泣いてる!?


「どうした、フォース。らしくないぞ」
「大好きなユメからのプレゼントが嬉しすぎて……」


 胸がいっぱいになってしまったと。

 普段は感情の起伏がほとんどないのだが、こういう時は素直っていうか、乙女だ。


「涙を流してくれるほど喜んでくれるとか、俺も嬉しいよ」


 フォースの小さな頭をポンポンして、さっそく港へ向かうことにした。


 ◆


 【 水の聖国サンク - 港 】


 頑丈な船を購入、貯金は一気に崩れ去った。


「あ~…、金がもうゼロに」
「なに落ち込んでるのよ、ユメ。仕方ないじゃん。わたしたちだけの理想郷を作るんじゃなかったの~?」


 ネーブルは前かがみになりながら、そう言った。
 いや、その……わざと俺に見せつけてるよな?


「そりゃそうだが……いや、こうも財布がスッカラカンになると、ちょっとショックではあるよ。けどま、国を作って豊かにすりゃいいだけか。でも、その為にもお金は必要かな~…貿易とか出来るのだろうか」


 ――ま、難しい話を考えても始まらない。


 先の事などは、パラドックスに到着してから考えればいい。行き当たりばったりはいつものことである。……いや、そうでもないかもな。


「さあ、行こうか。船はあれらしいよ」
「うわぁ、立派な船ですね。大きいです」


 ゼファは船を見て、驚く。
 そこには貴族や騎士団が乗るようなレベルの……すっげぇ堅固けんごな船があった。ありゃ、戦争でも行くのかな。


「って、そっちじゃないよ、ゼファ。こっちな」
「え……こっちって、このボート・・・ですか?」


「そう、これ」


「…………」


 固まるゼファ。
 どうやら、立ったまま気を失ったらしい。


「ちょっと、ユメ。話があるわ」
「どうした、ネーブル」
「このオンボロボートで向かう気?」
「ああ」


「ああ! じゃないわ! なに真剣マジな顔して言ってんのよ。馬鹿なの!? アホなの!? 安本丹あんぽんたんなの!?」

ののしってくれてありがとう、ネーブル。俺にとってはご褒美だぜ! てか、みんなのプレゼントに全力を振りすぎてしまったんだ! 後悔はない!!」


 ビシッと俺は言い放った。
 すると、ネーブルは唖然あぜんとして、けれど、腹を抱えて大笑いした。


「ぷはははは……そっか。ユメらしいや――って、アホかー!!」

「ですよねー」

「プレゼントは嬉しいけどさ、移動できないんじゃ意味ないじゃん! どーすんのよ!? こんなオンボロボートじゃ、沈むわよ」


 だろうね。穴開いてるし、あと乗れても三人くらいが限界だ。
 一瞬で海の底だろうなぁ。


「というわけだ」
「なにが、というわけよ」


「ここでフォースの出番だぜ」


 俺はそうフォースに振るが――

「……え?」
「え?」


 だめだ、理解が追い付いていないらしい。


「フォースよ、このボートを何とかするんだ!」
「そんな無茶ぶり……無理。不可能。いくら極魔法使いアルティメットウィザードとはいえ、出来ることと出来ないことがある」


「そこをどうにか……! 今夜は一緒に寝てやるぞ?」


「不可能を可能にするのが極魔法使いアルティメットウィザード!!」


 目を星のように輝かせ、フォースはやる気をいつもの数百倍に上げた。おぉ……こんな燃えているフォースは初めてだ。ポーズも決まっていて可愛い。



「ソウルフォースは、有りと有らゆる万物の力を借りることも出来る。例えば、あの海の藻屑もくず。あれだって塵積もで固めれば材料となる。見てて」



 ――と、フォースは『ソウルフォース』を発動し、一気にゴミを収集した。
 黒々した物体は、ボロボートに融合しグネグネとするや、その規模を拡張した。なかなか大きくなり、しかも強固となった。


「おぉ! すげえ……やれば出来るじゃないか、フォース! いっぱい褒めてやるぞ」
「うん……♡ ユメの為なら何でもするよ~♡」

 すっかり上機嫌のフォースは、どんどん藻屑を集め、やがて――



「なんと!」



 あのオンボロボートが、港に並ぶ大型船と変わらぬ姿へと変貌へんぼうを遂げた。


「さすが、フォースね。私もめてあげる」


 ネーブルは、フォースの頭をグシャグシャとでた。

「ん~~♪」


 で、ゼファがやっと意識を取り戻した。


「……わたくしは……あ、あれ? この大きいな船はいったい」
「フォースが作ってくれたぞ」
「そうなのですね! さすが、フォースちゃんです♪」


 ぎゅっとゼファに抱きしめられるフォース。おい、そこ変わりなさい。


「ユメ、あとは仕上げをよろしく」
「そうだな、このままでも十分、耐久性はあるだろうが、なんせこれから行く場所が『パラドックス』だからな。闇の耐久値を大幅に上げておかないと、たちまち転覆するだろう。よし、俺のダークエネルギーを足しておく」


 ぐぐっと腕を構え、俺は船に対し『闇属性』を付与した。


『ダークエンチャント――――!!!』


 船が真っ黒に染まり、それっぽい感じに仕上がった。



「「「おぉぉ~~~!!!」」」



 三人も歓声を上げた。


「これでやっと旅立てる」
「参りましょう。新天地へ」
「私たちだけの国か~、楽しみね!」


 フォース、ゼファ、ネーブルは黒船に乗り込んだ。


 これでもう、この四属性大陸には二度と戻ってくることはないだろう。俺たちは国を作り、強い守りで固め、のびのび暮らしていく。


 さあ、向かうか……!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

処理中です...