31 / 58
第31話 婚約とキスとモンスターテイマー
モンスターを確保するには『モンスターテイマー』が必要だ。
ゼルファードの中にテイマーはいるのだろうか。
村人に聞き回ると直ぐに一人いることが判明した。
まさか、あの人がテイマーだったとは……!
急いで“村長の家”へ向かった。
扉をノックすると現れるタル。
「おぉ、勇者殿。どうかなされましたかな……?」
「ラフィネはいるかな?」
「もちろん、おりますぞ。少々お待ちを」
タルは、ラフィネを呼びに行ってくれた。
しばらくすると現れた。
今日も可憐だなと、つい見惚れそうになったが――『浮気禁止!』というオーロラのイメージが脳裏を過ったので俺は冷静になった。
「おはよう、ラフィネ」
「おはようございます、エルド様。まさか来て下さるなんて感激ですっ」
「ああ、君に用があって」
「本当ですか……! まさか婚約を!」
「…………っ!」
そうだった。
この前、村長にお願いされてラフィネとの婚約を検討しなければならなくなったんだった……。あれから返事はしていない。
オーロラとの生活やゼルファードの発展の為の活動で忙しくてなぁ……。
「違うんですか……?」
しゅんと肩を落とすラフィネ。いかん、このままでは話がこじれる。そうなる前に俺は誤魔化した。
「君にしかできない重要な仕事があるんだ」
「私にしかできない……?」
「村の人たちに聞いたよ。ラフィネは『テイマー』なんだってね」
「ええ、実はそうなんです。エルド様に会う前に村を出ていたのも、モンスターをペットにしたくて……」
それで村の外をウロウロしていたか。あの時は、ゴブリンに襲われていたっけな。俺がぶっ倒して、ラフィネを助けた。思えばあの時からの縁なんだよな。
しかし、まさか『テイマー』だったとは。
「お願いがあるんだ」
「……なんでしょう?」
「この村を盛り上げる為に『モンスターレース』を開催したい」
「モンスターレース?」
「詳しく話すと……」
俺は、ラフィネにラグナゼオン帝国にあるモンスターレースのことを話した。これをゼルファードでも運営すれば、村人も外から来る冒険者も楽しめて儲けられると説明。すると、直ぐに納得してくれた。
「なるほど! それは面白そうですね!」
「だから、ラフィネのテイマーとしての能力が必要なんだ」
「解かりました。エルド様からの頼みですもの、断りません」
「本当か!」
「はい。ただし」
「……ただし?」
「婚約が条件です」
「…………んなッ」
俺は言葉に詰まった――というか、状態異常でもないのに石化した。……やっぱりソレですよねぇ……。
「お嫌ですか?」
「そ、そうではない。めちゃくちゃ嬉しいよ。でも……その」
「オーロラ様が好きなのですね……」
「…………っ」
「解かりました。では、せめてキスを」
俺の目の前で瞼を閉じ、唇を突き出すラフィネ。桜色の美しい唇が無防備にさらけ出されている。
男としてこの誘惑に勝てなかった。ラフィネが可愛すぎて……。
せめて、キスくらいは…………。
ラフィネの肩に手を置き、俺は――。
「ダメです!!」
背後から何かが飛んできて俺とラフィネを引きはがした。
――って、オーロラじゃないか!
いつの間に。
「……ちょ、おま」
「えっちなのは禁止です!!」
「べ、別にキスしようとかしてないぞ……!」
「え。ラフィネさんを襲おうとしていたのでは……?」
「なわけないだろっ!」
おかげでそういう雰囲気でもなくなり、ラフィネも諦めてくれた。
「仕方ありませんね。私、エルドさんに協力します」
「無条件で?」
「はい。これ以上はご迷惑をお掛けしたくありませんから」
「ありがとう、ラフィネ」
これで決まりだ。
ラフィネをパーティに加え、ゼルファードの外でモンスターをテイムする。必要な数を集めてモンスターレースを開催する。このプランでいく。
オーロラも連れ、村の外へ。
ゾンビはかなり討伐して減らしているので危険は少ない。
とはいえ森付近では、あまり良いモンスターはいないだろうから、今日は少し遠出することに。
「なんだか久しぶりに遠征ですね!」
「そうだな、オーロラ。お前とは少し旅をした程度だったからな」
「冒険って感じがして楽しいです!」
森を抜け、草原に出た。この周辺なら、低級から中級のモンスターが棲息しているし、テイムもしやすいだろう。
モンスターを探しに行く。
「ラフィネは戦えるのか?」
「いえ、私はペットがいないので……」
「そうか。テイマーは初めてなのか?」
「……その、スライムしかテイムしたことなくて」
「マジか。ドラゴンとか」
「そんなの無理ですよ~…。スライムしか無理です」
「ドラゴンは無理でも、例えばコボルトとか」
「うーん。やったことないですが、がんばってみます」
まずはモンスターを探してみますかね。
ゼルファードの中にテイマーはいるのだろうか。
村人に聞き回ると直ぐに一人いることが判明した。
まさか、あの人がテイマーだったとは……!
急いで“村長の家”へ向かった。
扉をノックすると現れるタル。
「おぉ、勇者殿。どうかなされましたかな……?」
「ラフィネはいるかな?」
「もちろん、おりますぞ。少々お待ちを」
タルは、ラフィネを呼びに行ってくれた。
しばらくすると現れた。
今日も可憐だなと、つい見惚れそうになったが――『浮気禁止!』というオーロラのイメージが脳裏を過ったので俺は冷静になった。
「おはよう、ラフィネ」
「おはようございます、エルド様。まさか来て下さるなんて感激ですっ」
「ああ、君に用があって」
「本当ですか……! まさか婚約を!」
「…………っ!」
そうだった。
この前、村長にお願いされてラフィネとの婚約を検討しなければならなくなったんだった……。あれから返事はしていない。
オーロラとの生活やゼルファードの発展の為の活動で忙しくてなぁ……。
「違うんですか……?」
しゅんと肩を落とすラフィネ。いかん、このままでは話がこじれる。そうなる前に俺は誤魔化した。
「君にしかできない重要な仕事があるんだ」
「私にしかできない……?」
「村の人たちに聞いたよ。ラフィネは『テイマー』なんだってね」
「ええ、実はそうなんです。エルド様に会う前に村を出ていたのも、モンスターをペットにしたくて……」
それで村の外をウロウロしていたか。あの時は、ゴブリンに襲われていたっけな。俺がぶっ倒して、ラフィネを助けた。思えばあの時からの縁なんだよな。
しかし、まさか『テイマー』だったとは。
「お願いがあるんだ」
「……なんでしょう?」
「この村を盛り上げる為に『モンスターレース』を開催したい」
「モンスターレース?」
「詳しく話すと……」
俺は、ラフィネにラグナゼオン帝国にあるモンスターレースのことを話した。これをゼルファードでも運営すれば、村人も外から来る冒険者も楽しめて儲けられると説明。すると、直ぐに納得してくれた。
「なるほど! それは面白そうですね!」
「だから、ラフィネのテイマーとしての能力が必要なんだ」
「解かりました。エルド様からの頼みですもの、断りません」
「本当か!」
「はい。ただし」
「……ただし?」
「婚約が条件です」
「…………んなッ」
俺は言葉に詰まった――というか、状態異常でもないのに石化した。……やっぱりソレですよねぇ……。
「お嫌ですか?」
「そ、そうではない。めちゃくちゃ嬉しいよ。でも……その」
「オーロラ様が好きなのですね……」
「…………っ」
「解かりました。では、せめてキスを」
俺の目の前で瞼を閉じ、唇を突き出すラフィネ。桜色の美しい唇が無防備にさらけ出されている。
男としてこの誘惑に勝てなかった。ラフィネが可愛すぎて……。
せめて、キスくらいは…………。
ラフィネの肩に手を置き、俺は――。
「ダメです!!」
背後から何かが飛んできて俺とラフィネを引きはがした。
――って、オーロラじゃないか!
いつの間に。
「……ちょ、おま」
「えっちなのは禁止です!!」
「べ、別にキスしようとかしてないぞ……!」
「え。ラフィネさんを襲おうとしていたのでは……?」
「なわけないだろっ!」
おかげでそういう雰囲気でもなくなり、ラフィネも諦めてくれた。
「仕方ありませんね。私、エルドさんに協力します」
「無条件で?」
「はい。これ以上はご迷惑をお掛けしたくありませんから」
「ありがとう、ラフィネ」
これで決まりだ。
ラフィネをパーティに加え、ゼルファードの外でモンスターをテイムする。必要な数を集めてモンスターレースを開催する。このプランでいく。
オーロラも連れ、村の外へ。
ゾンビはかなり討伐して減らしているので危険は少ない。
とはいえ森付近では、あまり良いモンスターはいないだろうから、今日は少し遠出することに。
「なんだか久しぶりに遠征ですね!」
「そうだな、オーロラ。お前とは少し旅をした程度だったからな」
「冒険って感じがして楽しいです!」
森を抜け、草原に出た。この周辺なら、低級から中級のモンスターが棲息しているし、テイムもしやすいだろう。
モンスターを探しに行く。
「ラフィネは戦えるのか?」
「いえ、私はペットがいないので……」
「そうか。テイマーは初めてなのか?」
「……その、スライムしかテイムしたことなくて」
「マジか。ドラゴンとか」
「そんなの無理ですよ~…。スライムしか無理です」
「ドラゴンは無理でも、例えばコボルトとか」
「うーん。やったことないですが、がんばってみます」
まずはモンスターを探してみますかね。
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』