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第42話 寝取られた女神
暗黒のドラゴンに乗り、まずはヴァルグレイス。
こちらの被害はない。
そもそも、湖に囲まれているようで天然の要塞となっていた。
こんな辺境の村もあったんだな。
ヴァルグレイスを飛ばし、フェンリオールへ。
山にある村のようで、こちらも被害はなかった。
そうか、この最後の二つの村は自然によって守られていたんだな。
だが、それ以外は草原や荒野にあるので被害が出やすいんだ。
「大丈夫そうですね、エルドさん」
「ああ。よし、状況は理解した。被害の出ている村へ降り、生存者を探す」
「そうですね、少しでも救いましょう」
ネクロに頼み、ドラゴンを操ってもらう。
しかし器用というか……まるで魔王の命令そのものだ
いったい、どんなスキルだろうな。
おそらくはパッシブスキルだろうけれど。
「…………ゆ、勇者さま?」
「あ、いや。なんでもない。飛行を続けてくれ」
「はいっ」
こんな無邪気な笑顔を向けられてはな。
* * * * * *
ロズウェルは完全に崩壊。
ノルフェリアとグラナディールに辛うじて生存者がいた。それでも数十人程度だったが。
救える命は救い、ゼルファードに歓迎した。
……ルギアスの野郎、なんてことを。
おそらく今回で数千人の被害が出ているはずだ。こんなことをして……。もとはオルジスタの恐ろしい研究のせいだ。
やはり、あの宮廷錬金術師オルジスタを倒さねば。
ようやく救助も終わり――ゼルファードへ帰還。
ドラゴンが村の前に降り立つと、オーロラが俺の服を引っ張った。
「……エ、エルドさん」
「ん、どうしたオーロラ」
「なんだか嫌な予感がするんです」
「どうした急に。ゼルファードは結界で守られているし、安全だ」
「それでも……なにか」
その次の瞬間には『女神の防御結界・ブリーシンガメン』が消えていた。
……は?
な、なんで結界が消えた!!
それから数秒後。
『うああああああああ!』『ゾンビだ!!』『お、おい女神の結界はどうなった!?』『なんで!!』『勇者様はおらんのか!!』『やばいぞ、逃げろ!!』『逃げるって、どこへ!!』『周囲の村は破壊されたって話だ』『くそぉ!!』
な、なんだって……!
クソ、どうなってやがる。
女神アルミナが守護してくれているはずではなかったのか!
魔力切れ?
ありえない。
女神が魔力を切らすなんて滅多にないことだ。
なら、他に原因が……。
まさか!
「オーロラ、お前はネクロを連れてクレミアの家へ向かえ」
「エルドさんは!?」
「俺は女神アルミナの様子を見に行く」
「わ、解りました。必ず帰ってきてくださいね」
「もちろんだ」
俺はオーロラと別れ、村長の家へ。
アルミナはあそこにいるはず。
急いで向かった。
村はパニックで、ゾンビも多数侵入していた。けれど村人は強かった。混乱しながらも討伐。やはり、これまでの戦いでレベルアップしているようだな。
ゾンビは任せ、俺は村長の家へ。
……着いた!
扉は開いていた。
村長は?
「…………ぐ、う」
「タル!!」
家の中から血を流しているタルの姿があった。
「……ゆ、勇者エルド殿。す、すまぬ……」
「なにがあった! 女神アルミナはどうした!?」
「う、裏切りがあったのですじゃ」
「裏切りだと!?」
「少し前じゃ。元騎士で自警団の長をしているロビンソンが……突然、家を訪ねてきた。そして、切りかかってきた…………」
「まさか、あの男が!!」
前にハルネイドを地下牢に閉じ込めたときに監視役になってもらった男だ。あの時は普通に仕事をしてくれたので信用もあったのだが、まさかの裏切り……!
やはり元騎士である以上、多少の忠誠心は残っていたってことか!
「な、なかに……ヤツが」
がくっと脱力するタル。……おい、嘘だろ。
「タル!!」
「…………」
そんな、タルが!
急いで二階へ上がる。
すると部屋の奥でなにか聞こえた。
『…………ぱんぱんっ』
そんな聞きなれない音が。いや、前にも聞いた。
お、おい……。
…………あのトラウマが蘇る。
スクイズやティアナ姫…………数々の女性たち。俺は、俺はまた…………。
『…………どうだ、女神!』
『……はい。最高の気分です』
『だよなぁ!? まぁもっとも、オルジスタの媚薬のおかげなんだがなァ!!』
ロビンソンの野郎、アルミナに媚薬を飲ませたのか! だからあんな淫らに。……クソ、また寝取られた。
いや、落ち込んでいる場合ではない。
女神の結界が必要だ。
そうだ、ゼルファードを救わねば!
オルジスタの策略にハマってなるものか!
だから!
「やめろおおおおおおおおおおお!!」
「――なにィ!? エルド、貴様!!」
「ロビンソン、お前をぶっ殺してやるッ!」
「いいところを邪魔しやがって!!」
壁に立てかけてあった剣を抜くロビンソンだが、俺の方が数十倍速かった。神速の域でヤツの右腕を吹き飛ばす。
「ッ!!」
「う、ぐあああああああああああああああああああ…………!!」
鮮血が飛び散り、ロビンソンは絶叫。そのまま二階の窓を突き破って落ちていった。
「……これで。アルミナ、結界だ! 結界を戻してくれ!」
「……………」
だが、アルミナは裸のまま恍惚としていて動かない。
ダメだ、媚薬のせいで……。
いや、まてよ。
状態異常を回復させるポーションならある。
懐から小瓶を取り出し、それをアルミナに飲ませた。
「さあ、飲め」
「……ん。あ……」
正常な意識を取り戻すアルミナは、顔を赤くして縮こまった。
「大丈夫か?」
「わ、わたし……。エルド様、申し訳ございません……あのような男に身を捧げてしまうなど、女神失格です……」
「いや、あれは媚薬のせいだ。薬を作ったオルジスタが悪い。あの男を倒して恨みは晴らす」
「…………ありがとうございます。エルド様」
涙ながらに感謝するアルミナ。俺はシーツを巻いてあげた。
まさかロビンソンとオルジスタが協力関係にあったとはな。完全に予想外だった。だけど、少なくとも計画は潰せたはず。
「急いで結界を戻してくれ」
「解りました。直ぐに」
再び防御結界・ブリーシンガメンが展開されていく。
よし、侵入ゾンビを討伐する――!
こちらの被害はない。
そもそも、湖に囲まれているようで天然の要塞となっていた。
こんな辺境の村もあったんだな。
ヴァルグレイスを飛ばし、フェンリオールへ。
山にある村のようで、こちらも被害はなかった。
そうか、この最後の二つの村は自然によって守られていたんだな。
だが、それ以外は草原や荒野にあるので被害が出やすいんだ。
「大丈夫そうですね、エルドさん」
「ああ。よし、状況は理解した。被害の出ている村へ降り、生存者を探す」
「そうですね、少しでも救いましょう」
ネクロに頼み、ドラゴンを操ってもらう。
しかし器用というか……まるで魔王の命令そのものだ
いったい、どんなスキルだろうな。
おそらくはパッシブスキルだろうけれど。
「…………ゆ、勇者さま?」
「あ、いや。なんでもない。飛行を続けてくれ」
「はいっ」
こんな無邪気な笑顔を向けられてはな。
* * * * * *
ロズウェルは完全に崩壊。
ノルフェリアとグラナディールに辛うじて生存者がいた。それでも数十人程度だったが。
救える命は救い、ゼルファードに歓迎した。
……ルギアスの野郎、なんてことを。
おそらく今回で数千人の被害が出ているはずだ。こんなことをして……。もとはオルジスタの恐ろしい研究のせいだ。
やはり、あの宮廷錬金術師オルジスタを倒さねば。
ようやく救助も終わり――ゼルファードへ帰還。
ドラゴンが村の前に降り立つと、オーロラが俺の服を引っ張った。
「……エ、エルドさん」
「ん、どうしたオーロラ」
「なんだか嫌な予感がするんです」
「どうした急に。ゼルファードは結界で守られているし、安全だ」
「それでも……なにか」
その次の瞬間には『女神の防御結界・ブリーシンガメン』が消えていた。
……は?
な、なんで結界が消えた!!
それから数秒後。
『うああああああああ!』『ゾンビだ!!』『お、おい女神の結界はどうなった!?』『なんで!!』『勇者様はおらんのか!!』『やばいぞ、逃げろ!!』『逃げるって、どこへ!!』『周囲の村は破壊されたって話だ』『くそぉ!!』
な、なんだって……!
クソ、どうなってやがる。
女神アルミナが守護してくれているはずではなかったのか!
魔力切れ?
ありえない。
女神が魔力を切らすなんて滅多にないことだ。
なら、他に原因が……。
まさか!
「オーロラ、お前はネクロを連れてクレミアの家へ向かえ」
「エルドさんは!?」
「俺は女神アルミナの様子を見に行く」
「わ、解りました。必ず帰ってきてくださいね」
「もちろんだ」
俺はオーロラと別れ、村長の家へ。
アルミナはあそこにいるはず。
急いで向かった。
村はパニックで、ゾンビも多数侵入していた。けれど村人は強かった。混乱しながらも討伐。やはり、これまでの戦いでレベルアップしているようだな。
ゾンビは任せ、俺は村長の家へ。
……着いた!
扉は開いていた。
村長は?
「…………ぐ、う」
「タル!!」
家の中から血を流しているタルの姿があった。
「……ゆ、勇者エルド殿。す、すまぬ……」
「なにがあった! 女神アルミナはどうした!?」
「う、裏切りがあったのですじゃ」
「裏切りだと!?」
「少し前じゃ。元騎士で自警団の長をしているロビンソンが……突然、家を訪ねてきた。そして、切りかかってきた…………」
「まさか、あの男が!!」
前にハルネイドを地下牢に閉じ込めたときに監視役になってもらった男だ。あの時は普通に仕事をしてくれたので信用もあったのだが、まさかの裏切り……!
やはり元騎士である以上、多少の忠誠心は残っていたってことか!
「な、なかに……ヤツが」
がくっと脱力するタル。……おい、嘘だろ。
「タル!!」
「…………」
そんな、タルが!
急いで二階へ上がる。
すると部屋の奥でなにか聞こえた。
『…………ぱんぱんっ』
そんな聞きなれない音が。いや、前にも聞いた。
お、おい……。
…………あのトラウマが蘇る。
スクイズやティアナ姫…………数々の女性たち。俺は、俺はまた…………。
『…………どうだ、女神!』
『……はい。最高の気分です』
『だよなぁ!? まぁもっとも、オルジスタの媚薬のおかげなんだがなァ!!』
ロビンソンの野郎、アルミナに媚薬を飲ませたのか! だからあんな淫らに。……クソ、また寝取られた。
いや、落ち込んでいる場合ではない。
女神の結界が必要だ。
そうだ、ゼルファードを救わねば!
オルジスタの策略にハマってなるものか!
だから!
「やめろおおおおおおおおおおお!!」
「――なにィ!? エルド、貴様!!」
「ロビンソン、お前をぶっ殺してやるッ!」
「いいところを邪魔しやがって!!」
壁に立てかけてあった剣を抜くロビンソンだが、俺の方が数十倍速かった。神速の域でヤツの右腕を吹き飛ばす。
「ッ!!」
「う、ぐあああああああああああああああああああ…………!!」
鮮血が飛び散り、ロビンソンは絶叫。そのまま二階の窓を突き破って落ちていった。
「……これで。アルミナ、結界だ! 結界を戻してくれ!」
「……………」
だが、アルミナは裸のまま恍惚としていて動かない。
ダメだ、媚薬のせいで……。
いや、まてよ。
状態異常を回復させるポーションならある。
懐から小瓶を取り出し、それをアルミナに飲ませた。
「さあ、飲め」
「……ん。あ……」
正常な意識を取り戻すアルミナは、顔を赤くして縮こまった。
「大丈夫か?」
「わ、わたし……。エルド様、申し訳ございません……あのような男に身を捧げてしまうなど、女神失格です……」
「いや、あれは媚薬のせいだ。薬を作ったオルジスタが悪い。あの男を倒して恨みは晴らす」
「…………ありがとうございます。エルド様」
涙ながらに感謝するアルミナ。俺はシーツを巻いてあげた。
まさかロビンソンとオルジスタが協力関係にあったとはな。完全に予想外だった。だけど、少なくとも計画は潰せたはず。
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