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優しいメイドさん
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ビリーとブルースを追い出して、静かになった。
「二人が消えちゃった」
「どうなっているんです?」
シャロンもアイナも目を白黒させた。
おぉ、驚いているな。
僕の能力について話しておくか。
「いいかい、君達。たとえば僕が『追放』とか言えば――」
その瞬間、シャロンとアイナの姿が消えた。
…………へ?
え……
え……ええええええええええええええええええ~~~~ッ!?
ま、まさか……今の一言でシャロンとアイナが追放されちゃった……? んなアホと思いたかったけど、ビジョンで見たら森へ飛ばされていた。まずい!!
僕も直ぐにテレポートして追い駆けた。
――テレポート!
「……シャロン、アイナすまない!!」
「と、突然、転移魔法が……」
「いったい何が起きたんです!?」
周りは危険なレッドゴブリンだらけ。凄い数だな。そして、近くにはビリーとブルースらしき男が逃げ惑っていた。なんだ生きていたのか。意外としぶとい。
仕方ない、全員を連れ出そう。
「テレポート!!」
人間だけ救出し、帝国の前まで向かった。……ふぅ、危機は脱したな。
「ひ、ひいいいいい!!」
「もう勘弁してくれ~!!」
ビリーとブルースは去った。
生きているだけラッキーだったな。
一方、シャロンとアイナも――。
「ご、ごめんなさいカムイさん! わたしたち、話し合った結果……タワーダンジョンには近づかない事にしました。さようなら!!」
「本当にごめんなさい……」
あ……フられちゃった。
◇
城へ戻り、また水をぶっかけられた。まーたか。
「――カムイ様!?」
「コーラル、またかい」
「わ、わざとじゃないんです。だって、カムイ様がタイミングよく現れるから……」
「そうだね。まあいいや、着替えるのも面倒だ」
「どうか、されたのですか?」
「僕は失敗ばかりだ。ダメダメだぁ……」
疲れて床へ大の字になる。そこへコーラルが腰を下ろし、俺を膝枕してくれた。
「カムイ様は、ダメダメなんかじゃありません。だって、こんなに必死にがんばって、冒険している陛下とかカッコイイですよ! 自信をもってください」
「じゃあ、コーラル。付き合ってくれる?」
「え……」
「なんで躊躇うの!?」
「だって、わたし……ぽんこつですもん。カムイ様に相応しくないです。おっぱいだって無駄に大きいし!」
最後は別にいいだろ。
ていうか、膝枕……癒されるなあ。
もういっそ、コーラルでいいや。
メイドだし、巨乳だし、優しいし!!
「コーラル、俺の嫁になってくれ」
「……カ、カムイ様。もぉ、からかわないでくださいまし」
「僕は本気だ。証拠を見せよう」
「しょ、しょうこ!?」
僕は、ぐっと顔を近づけ――キスを求める。コーラルは顔を真っ赤にして、時を止めた。今しかない!
――なーんてな。そんな勇気はなかった。
諦めて溜息を吐くと、コーラルは困惑していた。けれど、僕に顔を近づけてきた。
「コーラル……僕はダメな男だ」
「いいえ、わたしはカムイ様がどれだけ凄い人なのか知っています。だから……」
頬に“ちゅっ”とされ、僕は動揺した。唇ではないけど、頬にキスを貰った。あたたかいし、愛がある。僕は思わず心臓がドキドキして、コーラルが好きになった。いや、元々好きだったし、ドジっ子なところがたまらなかった。
「元気出たよ、ありがとう」
「いえいえ、これくらいで良ければ」
「と、ところでコーラル。君は何か特技はあるのかい。魔法とかさ」
「魔法、ですか。残念ですが……ぽんこつなので。でも、ハンマー技が得意なんです」
ハンマー技?
どうやら、ブラックスミスとかの『槌』系の物理武器を扱えるらしい。メイドなのに? 疑念は尽きないが、面白そうではあった。
コーラルを直属の部下にして、タワーダンジョンの開発に乗り出そうかな。
「二人が消えちゃった」
「どうなっているんです?」
シャロンもアイナも目を白黒させた。
おぉ、驚いているな。
僕の能力について話しておくか。
「いいかい、君達。たとえば僕が『追放』とか言えば――」
その瞬間、シャロンとアイナの姿が消えた。
…………へ?
え……
え……ええええええええええええええええええ~~~~ッ!?
ま、まさか……今の一言でシャロンとアイナが追放されちゃった……? んなアホと思いたかったけど、ビジョンで見たら森へ飛ばされていた。まずい!!
僕も直ぐにテレポートして追い駆けた。
――テレポート!
「……シャロン、アイナすまない!!」
「と、突然、転移魔法が……」
「いったい何が起きたんです!?」
周りは危険なレッドゴブリンだらけ。凄い数だな。そして、近くにはビリーとブルースらしき男が逃げ惑っていた。なんだ生きていたのか。意外としぶとい。
仕方ない、全員を連れ出そう。
「テレポート!!」
人間だけ救出し、帝国の前まで向かった。……ふぅ、危機は脱したな。
「ひ、ひいいいいい!!」
「もう勘弁してくれ~!!」
ビリーとブルースは去った。
生きているだけラッキーだったな。
一方、シャロンとアイナも――。
「ご、ごめんなさいカムイさん! わたしたち、話し合った結果……タワーダンジョンには近づかない事にしました。さようなら!!」
「本当にごめんなさい……」
あ……フられちゃった。
◇
城へ戻り、また水をぶっかけられた。まーたか。
「――カムイ様!?」
「コーラル、またかい」
「わ、わざとじゃないんです。だって、カムイ様がタイミングよく現れるから……」
「そうだね。まあいいや、着替えるのも面倒だ」
「どうか、されたのですか?」
「僕は失敗ばかりだ。ダメダメだぁ……」
疲れて床へ大の字になる。そこへコーラルが腰を下ろし、俺を膝枕してくれた。
「カムイ様は、ダメダメなんかじゃありません。だって、こんなに必死にがんばって、冒険している陛下とかカッコイイですよ! 自信をもってください」
「じゃあ、コーラル。付き合ってくれる?」
「え……」
「なんで躊躇うの!?」
「だって、わたし……ぽんこつですもん。カムイ様に相応しくないです。おっぱいだって無駄に大きいし!」
最後は別にいいだろ。
ていうか、膝枕……癒されるなあ。
もういっそ、コーラルでいいや。
メイドだし、巨乳だし、優しいし!!
「コーラル、俺の嫁になってくれ」
「……カ、カムイ様。もぉ、からかわないでくださいまし」
「僕は本気だ。証拠を見せよう」
「しょ、しょうこ!?」
僕は、ぐっと顔を近づけ――キスを求める。コーラルは顔を真っ赤にして、時を止めた。今しかない!
――なーんてな。そんな勇気はなかった。
諦めて溜息を吐くと、コーラルは困惑していた。けれど、僕に顔を近づけてきた。
「コーラル……僕はダメな男だ」
「いいえ、わたしはカムイ様がどれだけ凄い人なのか知っています。だから……」
頬に“ちゅっ”とされ、僕は動揺した。唇ではないけど、頬にキスを貰った。あたたかいし、愛がある。僕は思わず心臓がドキドキして、コーラルが好きになった。いや、元々好きだったし、ドジっ子なところがたまらなかった。
「元気出たよ、ありがとう」
「いえいえ、これくらいで良ければ」
「と、ところでコーラル。君は何か特技はあるのかい。魔法とかさ」
「魔法、ですか。残念ですが……ぽんこつなので。でも、ハンマー技が得意なんです」
ハンマー技?
どうやら、ブラックスミスとかの『槌』系の物理武器を扱えるらしい。メイドなのに? 疑念は尽きないが、面白そうではあった。
コーラルを直属の部下にして、タワーダンジョンの開発に乗り出そうかな。
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