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とある執事の娘
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大理石のバスチェアに腰を下ろし、コーラルに背中を流して貰った。
「……お、お加減はいかがですか?」
「うん、最高だよ。背中を誰かに流して貰うって、こんなに気持ちいものだったんだな。知らなかった」
ゴシゴシと丁寧に洗ってもらい、僕は満足した。
「良かったです。わたし、男の人に触れたの初めてだったので……不安だったんです。しかも陛下がお相手だなんて……うぅ、なんだか顔が熱いです」
「僕も女の子にここまで触れられたのは初めてだ」
正直、ドキドキが止まらない。
今、コーラルの顔を見たら体のあちらこちらから噴火しちゃうだろうな。でも、コーラルにも気持ち良くなって欲しい。
「今度は、僕がコーラルを洗ってあげるよ」
「……え。ええッ!? わ、わたしはいいですよ。そ、その……恥ずかしいので!」
「聖帝しての命令だ」
「ず、ずるいです。でも、ご命令なら仕方ないですよね」
場所を入れ替わり、コーラルを椅子に座らせた。そして、バスタオルを背中だけ開けさせた。その光景はあまりにも圧巻だった。
「……すご」
もちもちのつるつるの白い肌に目を奪われる。傷ひとつない、というか無駄が一切ない。どうしたら、こんな風になるんだ? 芸術的すぎる。それと“うなじ”がたまりません。
「は、恥ずかしいです……」
「背中とはいえ、これはさすがの僕も手が震える」
「そ、そ、その……中止していただいても……」
「いや、今更退けないよ。僕は世話になっているコーラルを労わりたいんだ」
「カムイ様、嬉しいです! そんな風に思っていただけるなんてメイドとして誇りに思います」
そうだ。ぽんこつメイドとはいえ、なんだかんだ普段は身の回りの世話とかたくさん助けて貰っているし、今だってなんだかんだ言っても嫌な顔ひとつせず付き合ってくれている。
「よし、話をしながらにしよう。そうすれば気も紛れる」
「そうですね、そうしましょう」
「じゃあ、流しながら聞く」
僕はコーラルの背中にボディソープを塗りたくりながら話す。
「……ひゃんっ!」
「って、変な声を出すな!?」
「だ、だって……くすぐったいんですもん。カムイ様、ヘンな指の使い方をしないで下さい……」
ヘ、ヘンな指の使い方って……ただボディソープを背中に塗っているだけだよ!? それ以外は何もしていない。おかしいなぁ。
けど、僕は気にせずコーラルを綺麗にしていく。
「コーラル、君は“スナイダー家”の娘だっけ」
「はい、父はある国の執事でアルフレッド・スナイダーといいました。でも、今は行方不明で……生きているか分からないんです」
かつて東にはエメラルド帝国を遥に凌ぐ、最強の帝国が君臨していた。でも、それは十年前以上の話。今は帝国ではなく『アヴァロン』という国に名前を変えていた。
つまり、名前の変わる前の帝国でコーラルは育ったようだ。紆余曲折あり、我がエメラルド帝国に送られたようだけど。
「そうか、コーラルは大変だったんだな」
「はい、カムイ様のおかげで今を生きていられます。わたし、一生懸命頑張りますから……どうか、お傍にいさせて下さい」
「もちろんさ。僕の専属メイドだからな」
背中を洗い終え、馬鹿広い浴槽へ向かう。ようやく湯に浸かり――今日の疲れを癒していく。……はぁ、良い湯だ。
「……」
「あれ、コーラルも入らないのか」
「その、いいんですか?」
「同行を許す。さあ、おいで」
手招きするとコーラルが入ってきた。
うん、可愛い女の子がいると花があって良い。ひとりで入っている時よりも数百倍楽しい。
満足していると、コーラルの方から俺の股に入ってきた。
「……し、失礼します」
「コ、コーラル! そ、そこはまずいっていうか……」
「こ、この方がカムイ様が喜ぶかなと」
あっちもこっちも、いろんな意味で喜ぶよ! あぁ、これは大変だ。まさか、コーラルの方から身を寄せてくれるとはな。
背中を預けてくれるのはいいけど、嬉しい反面、興奮が……。これはちょっと、まずい。思わず鼻血を噴きそうだ。
そんな際どい中、大浴場に入ってくる気配があった。
「カムイ、カムイはおるか!」
「あぁ、父さんか。こっちだ」
「風呂に入っていたか。すまぬが話があって……ぬぉ!? お、お前……女を侍らせて何をしとる!?」
父さんはギョッとしていた。
そりゃ息子が風呂で女の子とイチャイチャしてたら、びびるわな。
「この子は、コーラルで専属メイドの子だよ」
「よく見ればそうだな。まあいい、聖帝なのだからメイドに世話をしてもらうなど至極当然の流れ。なにもおかしい事ではない。……いや、それよりだ、風呂から出たら話がある」
「分かったよ、父さん。もうちょいコーラルと風呂を楽しむから、邪魔しないでくれ」
「ほどほどにな」
父さんは背を向けて去っていく。
「さて、コーラル。とりあえず、僕の股に入るのは勘弁いて欲しい――って、あれ。反応がないな……む?」
コトンとコーラルが背中を密着させてきた。って、うわ! でも、よく見ると目を回していた。まさか逆上せちゃった?
さすが、ぽんこつ。
仕方ないなぁ、もう。
「……お、お加減はいかがですか?」
「うん、最高だよ。背中を誰かに流して貰うって、こんなに気持ちいものだったんだな。知らなかった」
ゴシゴシと丁寧に洗ってもらい、僕は満足した。
「良かったです。わたし、男の人に触れたの初めてだったので……不安だったんです。しかも陛下がお相手だなんて……うぅ、なんだか顔が熱いです」
「僕も女の子にここまで触れられたのは初めてだ」
正直、ドキドキが止まらない。
今、コーラルの顔を見たら体のあちらこちらから噴火しちゃうだろうな。でも、コーラルにも気持ち良くなって欲しい。
「今度は、僕がコーラルを洗ってあげるよ」
「……え。ええッ!? わ、わたしはいいですよ。そ、その……恥ずかしいので!」
「聖帝しての命令だ」
「ず、ずるいです。でも、ご命令なら仕方ないですよね」
場所を入れ替わり、コーラルを椅子に座らせた。そして、バスタオルを背中だけ開けさせた。その光景はあまりにも圧巻だった。
「……すご」
もちもちのつるつるの白い肌に目を奪われる。傷ひとつない、というか無駄が一切ない。どうしたら、こんな風になるんだ? 芸術的すぎる。それと“うなじ”がたまりません。
「は、恥ずかしいです……」
「背中とはいえ、これはさすがの僕も手が震える」
「そ、そ、その……中止していただいても……」
「いや、今更退けないよ。僕は世話になっているコーラルを労わりたいんだ」
「カムイ様、嬉しいです! そんな風に思っていただけるなんてメイドとして誇りに思います」
そうだ。ぽんこつメイドとはいえ、なんだかんだ普段は身の回りの世話とかたくさん助けて貰っているし、今だってなんだかんだ言っても嫌な顔ひとつせず付き合ってくれている。
「よし、話をしながらにしよう。そうすれば気も紛れる」
「そうですね、そうしましょう」
「じゃあ、流しながら聞く」
僕はコーラルの背中にボディソープを塗りたくりながら話す。
「……ひゃんっ!」
「って、変な声を出すな!?」
「だ、だって……くすぐったいんですもん。カムイ様、ヘンな指の使い方をしないで下さい……」
ヘ、ヘンな指の使い方って……ただボディソープを背中に塗っているだけだよ!? それ以外は何もしていない。おかしいなぁ。
けど、僕は気にせずコーラルを綺麗にしていく。
「コーラル、君は“スナイダー家”の娘だっけ」
「はい、父はある国の執事でアルフレッド・スナイダーといいました。でも、今は行方不明で……生きているか分からないんです」
かつて東にはエメラルド帝国を遥に凌ぐ、最強の帝国が君臨していた。でも、それは十年前以上の話。今は帝国ではなく『アヴァロン』という国に名前を変えていた。
つまり、名前の変わる前の帝国でコーラルは育ったようだ。紆余曲折あり、我がエメラルド帝国に送られたようだけど。
「そうか、コーラルは大変だったんだな」
「はい、カムイ様のおかげで今を生きていられます。わたし、一生懸命頑張りますから……どうか、お傍にいさせて下さい」
「もちろんさ。僕の専属メイドだからな」
背中を洗い終え、馬鹿広い浴槽へ向かう。ようやく湯に浸かり――今日の疲れを癒していく。……はぁ、良い湯だ。
「……」
「あれ、コーラルも入らないのか」
「その、いいんですか?」
「同行を許す。さあ、おいで」
手招きするとコーラルが入ってきた。
うん、可愛い女の子がいると花があって良い。ひとりで入っている時よりも数百倍楽しい。
満足していると、コーラルの方から俺の股に入ってきた。
「……し、失礼します」
「コ、コーラル! そ、そこはまずいっていうか……」
「こ、この方がカムイ様が喜ぶかなと」
あっちもこっちも、いろんな意味で喜ぶよ! あぁ、これは大変だ。まさか、コーラルの方から身を寄せてくれるとはな。
背中を預けてくれるのはいいけど、嬉しい反面、興奮が……。これはちょっと、まずい。思わず鼻血を噴きそうだ。
そんな際どい中、大浴場に入ってくる気配があった。
「カムイ、カムイはおるか!」
「あぁ、父さんか。こっちだ」
「風呂に入っていたか。すまぬが話があって……ぬぉ!? お、お前……女を侍らせて何をしとる!?」
父さんはギョッとしていた。
そりゃ息子が風呂で女の子とイチャイチャしてたら、びびるわな。
「この子は、コーラルで専属メイドの子だよ」
「よく見ればそうだな。まあいい、聖帝なのだからメイドに世話をしてもらうなど至極当然の流れ。なにもおかしい事ではない。……いや、それよりだ、風呂から出たら話がある」
「分かったよ、父さん。もうちょいコーラルと風呂を楽しむから、邪魔しないでくれ」
「ほどほどにな」
父さんは背を向けて去っていく。
「さて、コーラル。とりあえず、僕の股に入るのは勘弁いて欲しい――って、あれ。反応がないな……む?」
コトンとコーラルが背中を密着させてきた。って、うわ! でも、よく見ると目を回していた。まさか逆上せちゃった?
さすが、ぽんこつ。
仕方ないなぁ、もう。
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