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婚約破棄!
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「レイア、君……男の子だったの!?」
「ええ、申し訳ありませんが男です」
頬を赤らめ、体をくねらせるレイア。こんなに可愛いのに……男。嘘だろ!
「すまない、婚約は破棄する……」
「なッ! カムイ様、それはあまりにも酷いですっ」
「酷いのはどっちだよぉ……」
さすがの僕にそっちの趣味はない。レイアは女の子かってくらい可愛いけど、さすがに無理がある。聖帝が男の子と結婚したら、さすがにまずい。
「……分かりました。きっと断られるだろうと思っていましたし、同意します」
「あっさりだね。でも、ごめんね」
「いえ、タワーダンジョンのお手伝いはさせて下さい」
「ありがとう。その方が助かるな」
――さて、そうなるとこちらの個性的なギルドは置いておき、もうひとつの六人組ギルドの方だ。向こうも来たそうにこちらを見ている。とりあえず……いや、もうこれ以上、キャラの濃い人たちはいらない。
あのギルドには申し訳ないけど、今回はレイア達だけにしよう。
さっさとテレポートしてタワーダンジョンへ向かおうと思った――その時。
あの六人ギルド達が走って向かってきた。
「待てやああ!!」「俺等を置いて行くな!!」「お前達だけタワーダンジョンを独占してずりぃぞ!!」「そうだそうだ!!」「雑魚ギルドが!!」
怒声を上げる男達。なんか、こっちはこっちで危なそうな雰囲気だな。なんていうか……ゴロツキ。どいつもこいつも厳つい顔をしていやがる。
頬に傷がある男。ナイフをペロペロ舐めている男。髭面の男。目つきのやばい男。犯罪をしていそうな面をしている男。悪臭を放つ男――と、酷い有様だ。
そんなヤベェヤツ等を前にする僕。
正直、手足が震えた。
「な、なんですか……?」
「なんですか? じゃねえよ、案内人!! なんで俺達を無視する!! ブッ殺すぞ!?」
そんな顔を近づけてツバを飛ばさないで欲しい。気持ち悪い。あーあ、コーラルが震えて怯えている。とりあえず、彼女は守る。
「いきなり殺すとか、物騒すぎるな」
「んだとォ!? 案内人の分際で生意気だぞ! お前なんか俺達をタワーダンジョンへ連れていけばいいんだよ」
いきなり拳が飛んできた。
暴力的だなぁ。
避けようとすると、メカフェンリル改Ⅱが飛び出てきた。
『カムイ、ヲ、キズツケルナ、コノ、アホンダラ』
フェンリルは、目からライトニングボルトを放ち――大男を吹っ飛ばした。……な、なんだそりゃあ!?
「「「うぎゃあああああああああああああああ……!!!」」」
背後にいた二人を巻き込み、三人がフェンリルの魔法で吹き飛んだ。ていうか、フェンリルつえええッ! しかも僕を守ってくれるとか……もしかして、忠犬?
「すまん、フェンリル」
『イイッテ、コトヨ。オレ、ト、カムイ、トモダチ』
「おお、お前ってヤツは!」
よしよしと頭を撫でてやった。
すると、レイアが驚いていた。
「カムイ様、メカフェンリル改Ⅱに気に入られ、しかも手懐けるだなんて……凄すぎます!!」
「そうなのか?」
聞き返すと、ブラックスミスのケイが真面目な顔して答えてくれた。
「いいか、アンちゃん。メカフェンリル改Ⅱは、気に入った人間にしか懐かねぇ。つまり、アンちゃんは認められたんだよ」
それは嬉しいやら、複雑やら……まあいいか。強いし。微妙な感情になっていると、コーラルがメカフェンリル改Ⅱを撫でようとした。しかし――
『グルルゥゥゥゥゥ……!!』
「ひぃっ……」
「おぉ、マジだ。本当に認めたヤツにしか懐かないんだ」
女の子であるコーラルに懐かないとは。性別は関係ないのか。まあ、メカだしなぁ。
そんな中、考古学者のドウェインが叫ぶ。
「カムイくん! 残りの三人が青龍刀を持って向かってくるぞ!」
「異国の武器か!!」
残りの男たちは、異国の刀を手にしていた。まずいな、あれは攻撃力も高い武器だぞ。あんな鋭い刃の斬撃を食らえば、即死の可能性もある。
こうなったら、僕が……む?
危険が迫りくる中、忍者マスターのモフモフちゃんが捕まってしまった。おい、忍者マスターじゃないのかよ!!
「きゃあぁぁ!! 助けて!!」
「フッフフ、女を捕らえたぞ。こいつは人質だァ!!」
男のひとりがモフモフちゃんを腕でホールドする。まずいな!
「モっちゃんが!!」「モーちゃん!」「モーたん!」『モフ!』
全員、呼び方がバラバラだ!!
なんて細かい所に突っ込んでいる場合ではない。仕方ない、この僕の賢者スキルで何とかしよう――!!
「ええ、申し訳ありませんが男です」
頬を赤らめ、体をくねらせるレイア。こんなに可愛いのに……男。嘘だろ!
「すまない、婚約は破棄する……」
「なッ! カムイ様、それはあまりにも酷いですっ」
「酷いのはどっちだよぉ……」
さすがの僕にそっちの趣味はない。レイアは女の子かってくらい可愛いけど、さすがに無理がある。聖帝が男の子と結婚したら、さすがにまずい。
「……分かりました。きっと断られるだろうと思っていましたし、同意します」
「あっさりだね。でも、ごめんね」
「いえ、タワーダンジョンのお手伝いはさせて下さい」
「ありがとう。その方が助かるな」
――さて、そうなるとこちらの個性的なギルドは置いておき、もうひとつの六人組ギルドの方だ。向こうも来たそうにこちらを見ている。とりあえず……いや、もうこれ以上、キャラの濃い人たちはいらない。
あのギルドには申し訳ないけど、今回はレイア達だけにしよう。
さっさとテレポートしてタワーダンジョンへ向かおうと思った――その時。
あの六人ギルド達が走って向かってきた。
「待てやああ!!」「俺等を置いて行くな!!」「お前達だけタワーダンジョンを独占してずりぃぞ!!」「そうだそうだ!!」「雑魚ギルドが!!」
怒声を上げる男達。なんか、こっちはこっちで危なそうな雰囲気だな。なんていうか……ゴロツキ。どいつもこいつも厳つい顔をしていやがる。
頬に傷がある男。ナイフをペロペロ舐めている男。髭面の男。目つきのやばい男。犯罪をしていそうな面をしている男。悪臭を放つ男――と、酷い有様だ。
そんなヤベェヤツ等を前にする僕。
正直、手足が震えた。
「な、なんですか……?」
「なんですか? じゃねえよ、案内人!! なんで俺達を無視する!! ブッ殺すぞ!?」
そんな顔を近づけてツバを飛ばさないで欲しい。気持ち悪い。あーあ、コーラルが震えて怯えている。とりあえず、彼女は守る。
「いきなり殺すとか、物騒すぎるな」
「んだとォ!? 案内人の分際で生意気だぞ! お前なんか俺達をタワーダンジョンへ連れていけばいいんだよ」
いきなり拳が飛んできた。
暴力的だなぁ。
避けようとすると、メカフェンリル改Ⅱが飛び出てきた。
『カムイ、ヲ、キズツケルナ、コノ、アホンダラ』
フェンリルは、目からライトニングボルトを放ち――大男を吹っ飛ばした。……な、なんだそりゃあ!?
「「「うぎゃあああああああああああああああ……!!!」」」
背後にいた二人を巻き込み、三人がフェンリルの魔法で吹き飛んだ。ていうか、フェンリルつえええッ! しかも僕を守ってくれるとか……もしかして、忠犬?
「すまん、フェンリル」
『イイッテ、コトヨ。オレ、ト、カムイ、トモダチ』
「おお、お前ってヤツは!」
よしよしと頭を撫でてやった。
すると、レイアが驚いていた。
「カムイ様、メカフェンリル改Ⅱに気に入られ、しかも手懐けるだなんて……凄すぎます!!」
「そうなのか?」
聞き返すと、ブラックスミスのケイが真面目な顔して答えてくれた。
「いいか、アンちゃん。メカフェンリル改Ⅱは、気に入った人間にしか懐かねぇ。つまり、アンちゃんは認められたんだよ」
それは嬉しいやら、複雑やら……まあいいか。強いし。微妙な感情になっていると、コーラルがメカフェンリル改Ⅱを撫でようとした。しかし――
『グルルゥゥゥゥゥ……!!』
「ひぃっ……」
「おぉ、マジだ。本当に認めたヤツにしか懐かないんだ」
女の子であるコーラルに懐かないとは。性別は関係ないのか。まあ、メカだしなぁ。
そんな中、考古学者のドウェインが叫ぶ。
「カムイくん! 残りの三人が青龍刀を持って向かってくるぞ!」
「異国の武器か!!」
残りの男たちは、異国の刀を手にしていた。まずいな、あれは攻撃力も高い武器だぞ。あんな鋭い刃の斬撃を食らえば、即死の可能性もある。
こうなったら、僕が……む?
危険が迫りくる中、忍者マスターのモフモフちゃんが捕まってしまった。おい、忍者マスターじゃないのかよ!!
「きゃあぁぁ!! 助けて!!」
「フッフフ、女を捕らえたぞ。こいつは人質だァ!!」
男のひとりがモフモフちゃんを腕でホールドする。まずいな!
「モっちゃんが!!」「モーちゃん!」「モーたん!」『モフ!』
全員、呼び方がバラバラだ!!
なんて細かい所に突っ込んでいる場合ではない。仕方ない、この僕の賢者スキルで何とかしよう――!!
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