お化けの花子さんは、普通の女の子でした。

漫点

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迷い家

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「迷い家。
かも知れない・・・」

「迷い家。ですか・・・」

「マヨイガ・・・何それ?」

そう僕が聞くとミラが、答えてくれた。

「迷い家とは・・・『遠野物語』でも触れられている東北や関東地方に伝わる奇談で・・・」

マヨヒガ(まよいが、迷い家)は、山中に突然現れる無人の屋敷、あるいはその屋敷を訪れた者についての伝承の名である。この伝承は、民俗学者・柳田國男が現在の岩手県土淵村(現・遠野市)出身の佐々木喜善から聞き書きした話を『遠野物語』(1910)の「六三」「六四」で紹介したことにより広く知られるところとなった。 

『遠野物語』によれば、この家は決して廃屋ではなく、無人だが「奥の坐敷には火鉢ありて鉄瓶の湯のたぎれるを見たり。」など、つい今しがたまで人がいたような生活感のある状態で現れる。 
訪れた者はその家から什器や家畜など何か物品を持ち出してよいことになっており、持ち帰るとお金持ちになれるという。 

しかし誰もがその恩恵に与れるわけではなく、「六三」と「六四」では結末が異なっている。前者の訪問者である三浦家の妻は、無欲ゆえに何も持たず帰ったため、後日山に繋がる川の流れに乗ってお椀が届けられている。彼女はこのお椀を米櫃の米を量る器に使ったが、それ以来米が減らず、村の長者になったという。一方後者の山崎の聟は欲をもった村人を案内したせいで、マヨヒガを再び見つけることは叶わず、富を授かれなかった。 

以上の柳田の報告から現代ではファンタジーファン、ミステリーファンからの興味を呼び、以下のような新たな設定や解釈、または類話が生み出されている。 

・マヨヒガは一種の山の神からのプレゼントをもらえるチャンスである。 
・「何かを持ち帰らせるため」に出現するため、謹んで茶碗なりを戴いて帰るといいらしい。 
・マヨヒガは一人の人間は一度しか遭遇することはなく、一度遭遇すれば二度と遭うことはない。 
・「ある男がマヨヒガから持ち帰った瓶の中に子供たちのおやつの水飴を入れていた。いくら食べても水飴は減らず、6人の子供を立派に育てあげたという。」


「なので・・・特に実体があると言うわけでは、ございません。」

「そうじゃな。正体は、分からんが・・・
山の神からのプレゼントだと思って何か貰っておけ!主人。」

「何でも良いの?」

「ええ、とりあえずは、何でも良いので手に取れば元の世界に戻れます。」

「へぇ~・・・じゃー!何に、しようかなぁ・・・
少し探してみるね。」

「はい、おともします。」

そう答えるミラと・・・

「何でも、良かろう!適当に早く決めるのじゃ・・・
わたしは、この空間は問題ないが・・・ミラの方は、少し苦しいからのぉ。」

そう急かすクラマ・・・

「えっ!そうなの・・・」

「はい、どちらかと言うと・・・神の領域ですので、普通の妖怪には少しだけ息苦しく感じますね。」

「なら、急がなくちゃ!」

「大丈夫ですよ。佳様!
人に例えるなら 少し高い山に登ったくらいですから・・・」

「そうなの?」

「はい、この空間!と 言うか・・・この世界で、激しく動いたり!妖力を使わない限りは、そんなに問題ありません。
ですので、心配しないでください」

「分かった・・・。
でも、何で!? ミラは、ダメで・・・
クラマは、大丈夫なの?」

「何を言っておる!主人・・・
わたしは、もともと神社に仕える式神じゃ!
神の聖域でも問題ないわ!」

「言われてみれば・・・確かに
忘れていたよ。」

「まぁ、いい・・・
どちらにしろ!お主の式になっておらんかったら・・・
わたしも、ミラとそう変わらんかっただろうし。」

「へぇ~・・・そうなんだ。
まぁ、それは置いといて・・・今は、ミラの為にとりあえず持って帰る物を決めるよ。」

「それがいい。」

「ありがとうございます。佳様!」

「良いよ気にしないで!」

そう言うと・・・

佳は、近くにあった物を手に取り。

「コレにする!」

「それで、いいのかぁ・・・?」

「そちらで、それでよろしいのですか?」

「うん、これでいい。」

すると・・・

少し視界が歪むと!

佳とクラマ、ミラは門の外へと移動していた。
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