41 / 93
迷い家
しおりを挟む
「迷い家。
かも知れない・・・」
「迷い家。ですか・・・」
「マヨイガ・・・何それ?」
そう僕が聞くとミラが、答えてくれた。
「迷い家とは・・・『遠野物語』でも触れられている東北や関東地方に伝わる奇談で・・・」
マヨヒガ(まよいが、迷い家)は、山中に突然現れる無人の屋敷、あるいはその屋敷を訪れた者についての伝承の名である。この伝承は、民俗学者・柳田國男が現在の岩手県土淵村(現・遠野市)出身の佐々木喜善から聞き書きした話を『遠野物語』(1910)の「六三」「六四」で紹介したことにより広く知られるところとなった。 『遠野物語』によれば、この家は決して廃屋ではなく、無人だが「奥の坐敷には火鉢ありて鉄瓶の湯のたぎれるを見たり。」など、つい今しがたまで人がいたような生活感のある状態で現れる。 訪れた者はその家から什器や家畜など何か物品を持ち出してよいことになっており、持ち帰るとお金持ちになれるという。 しかし誰もがその恩恵に与れるわけではなく、「六三」と「六四」では結末が異なっている。前者の訪問者である三浦家の妻は、無欲ゆえに何も持たず帰ったため、後日山に繋がる川の流れに乗ってお椀が届けられている。彼女はこのお椀を米櫃の米を量る器に使ったが、それ以来米が減らず、村の長者になったという。一方後者の山崎の聟は欲をもった村人を案内したせいで、マヨヒガを再び見つけることは叶わず、富を授かれなかった。 以上の柳田の報告から現代ではファンタジーファン、ミステリーファンからの興味を呼び、以下のような新たな設定や解釈、または類話が生み出されている。 ・マヨヒガは一種の山の神からのプレゼントをもらえるチャンスである。 ・「何かを持ち帰らせるため」に出現するため、謹んで茶碗なりを戴いて帰るといいらしい。 ・マヨヒガは一人の人間は一度しか遭遇することはなく、一度遭遇すれば二度と遭うことはない。 ・「ある男がマヨヒガから持ち帰った瓶の中に子供たちのおやつの水飴を入れていた。いくら食べても水飴は減らず、6人の子供を立派に育てあげたという。」
「なので・・・特に実体があると言うわけでは、ございません。」
「そうじゃな。正体は、分からんが・・・
山の神からのプレゼントだと思って何か貰っておけ!主人。」
「何でも良いの?」
「ええ、とりあえずは、何でも良いので手に取れば元の世界に戻れます。」
「へぇ~・・・じゃー!何に、しようかなぁ・・・
少し探してみるね。」
「はい、おともします。」
そう答えるミラと・・・
「何でも、良かろう!適当に早く決めるのじゃ・・・
わたしは、この空間は問題ないが・・・ミラの方は、少し苦しいからのぉ。」
そう急かすクラマ・・・
「えっ!そうなの・・・」
「はい、どちらかと言うと・・・神の領域ですので、普通の妖怪には少しだけ息苦しく感じますね。」
「なら、急がなくちゃ!」
「大丈夫ですよ。佳様!
人に例えるなら 少し高い山に登ったくらいですから・・・」
「そうなの?」
「はい、この空間!と 言うか・・・この世界で、激しく動いたり!妖力を使わない限りは、そんなに問題ありません。
ですので、心配しないでください」
「分かった・・・。
でも、何で!? ミラは、ダメで・・・
クラマは、大丈夫なの?」
「何を言っておる!主人・・・
わたしは、もともと神社に仕える式神じゃ!
神の聖域でも問題ないわ!」
「言われてみれば・・・確かに
忘れていたよ。」
「まぁ、いい・・・
どちらにしろ!お主の式になっておらんかったら・・・
わたしも、ミラとそう変わらんかっただろうし。」
「へぇ~・・・そうなんだ。
まぁ、それは置いといて・・・今は、ミラの為にとりあえず持って帰る物を決めるよ。」
「それがいい。」
「ありがとうございます。佳様!」
「良いよ気にしないで!」
そう言うと・・・
佳は、近くにあった物を手に取り。
「コレにする!」
「それで、いいのかぁ・・・?」
「そちらで、それでよろしいのですか?」
「うん、これでいい。」
すると・・・
少し視界が歪むと!
佳とクラマ、ミラは門の外へと移動していた。
かも知れない・・・」
「迷い家。ですか・・・」
「マヨイガ・・・何それ?」
そう僕が聞くとミラが、答えてくれた。
「迷い家とは・・・『遠野物語』でも触れられている東北や関東地方に伝わる奇談で・・・」
マヨヒガ(まよいが、迷い家)は、山中に突然現れる無人の屋敷、あるいはその屋敷を訪れた者についての伝承の名である。この伝承は、民俗学者・柳田國男が現在の岩手県土淵村(現・遠野市)出身の佐々木喜善から聞き書きした話を『遠野物語』(1910)の「六三」「六四」で紹介したことにより広く知られるところとなった。 『遠野物語』によれば、この家は決して廃屋ではなく、無人だが「奥の坐敷には火鉢ありて鉄瓶の湯のたぎれるを見たり。」など、つい今しがたまで人がいたような生活感のある状態で現れる。 訪れた者はその家から什器や家畜など何か物品を持ち出してよいことになっており、持ち帰るとお金持ちになれるという。 しかし誰もがその恩恵に与れるわけではなく、「六三」と「六四」では結末が異なっている。前者の訪問者である三浦家の妻は、無欲ゆえに何も持たず帰ったため、後日山に繋がる川の流れに乗ってお椀が届けられている。彼女はこのお椀を米櫃の米を量る器に使ったが、それ以来米が減らず、村の長者になったという。一方後者の山崎の聟は欲をもった村人を案内したせいで、マヨヒガを再び見つけることは叶わず、富を授かれなかった。 以上の柳田の報告から現代ではファンタジーファン、ミステリーファンからの興味を呼び、以下のような新たな設定や解釈、または類話が生み出されている。 ・マヨヒガは一種の山の神からのプレゼントをもらえるチャンスである。 ・「何かを持ち帰らせるため」に出現するため、謹んで茶碗なりを戴いて帰るといいらしい。 ・マヨヒガは一人の人間は一度しか遭遇することはなく、一度遭遇すれば二度と遭うことはない。 ・「ある男がマヨヒガから持ち帰った瓶の中に子供たちのおやつの水飴を入れていた。いくら食べても水飴は減らず、6人の子供を立派に育てあげたという。」
「なので・・・特に実体があると言うわけでは、ございません。」
「そうじゃな。正体は、分からんが・・・
山の神からのプレゼントだと思って何か貰っておけ!主人。」
「何でも良いの?」
「ええ、とりあえずは、何でも良いので手に取れば元の世界に戻れます。」
「へぇ~・・・じゃー!何に、しようかなぁ・・・
少し探してみるね。」
「はい、おともします。」
そう答えるミラと・・・
「何でも、良かろう!適当に早く決めるのじゃ・・・
わたしは、この空間は問題ないが・・・ミラの方は、少し苦しいからのぉ。」
そう急かすクラマ・・・
「えっ!そうなの・・・」
「はい、どちらかと言うと・・・神の領域ですので、普通の妖怪には少しだけ息苦しく感じますね。」
「なら、急がなくちゃ!」
「大丈夫ですよ。佳様!
人に例えるなら 少し高い山に登ったくらいですから・・・」
「そうなの?」
「はい、この空間!と 言うか・・・この世界で、激しく動いたり!妖力を使わない限りは、そんなに問題ありません。
ですので、心配しないでください」
「分かった・・・。
でも、何で!? ミラは、ダメで・・・
クラマは、大丈夫なの?」
「何を言っておる!主人・・・
わたしは、もともと神社に仕える式神じゃ!
神の聖域でも問題ないわ!」
「言われてみれば・・・確かに
忘れていたよ。」
「まぁ、いい・・・
どちらにしろ!お主の式になっておらんかったら・・・
わたしも、ミラとそう変わらんかっただろうし。」
「へぇ~・・・そうなんだ。
まぁ、それは置いといて・・・今は、ミラの為にとりあえず持って帰る物を決めるよ。」
「それがいい。」
「ありがとうございます。佳様!」
「良いよ気にしないで!」
そう言うと・・・
佳は、近くにあった物を手に取り。
「コレにする!」
「それで、いいのかぁ・・・?」
「そちらで、それでよろしいのですか?」
「うん、これでいい。」
すると・・・
少し視界が歪むと!
佳とクラマ、ミラは門の外へと移動していた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる