【ベストパートナー】

真っ白 磨代

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世界がパーティーなどに浮かれる日

12月25日クリスマスの日

僕は、養子に出された。

新しい家では、クリスマス会と僕の歓迎会が行われていた。
沢山の人と沢山の美味しそうな料理が並ぶ
皆んな賑わい楽しそうにしていたが、
僕だけは、楽しめないでいた。
みんな僕に、優しく話しかけてくれたが
お母さんの事を考えるとうつむき落ち込む事しか出来なかった。
その日は、遅くまで騒いでいた様だったが
僕は、食事も取らず先に寝てしまった。
翌朝になり
家の人たちが、声を掛けてくれた。
「おはよう」
僕は、返事すらしなかった。
数時間が過ぎ
家には、誰も居なくなり
僕は、家で1人寝そべっていた。
そこへ1人の女性がやってきた。
その女性は、とても優しかった。
彼女は、僕の食事や身の周りの世話を毎日毎日してくれた。
初めは、彼女が話しがてけてくれるが返事もしなかった。
今は、彼女とだけ話す様になっていた。
後から知った事だが、クリスマスの日
僕が、この家に来た事を一番喜んでいたのは、彼女だったらしい。
僕は、クリスマスの日
彼女が居た事すら覚えてはいない
(悲しみのドン底だったから)だが
今は、少しだけ違う。彼女にだけは、心を開いているからだ。

優しい彼女と話すのも

優しい彼女と遊ぶのも

僕は、とても大好きだ。

彼女は、時として仕事場にも僕を連れて行ってくれる。
仕事をしている時の凛々しい姿も僕は、好きだ。
時々、僕の方を見て手を振ってくれる。
だから僕は、笑顔を返す。

そんな毎日が続き数ヶ月が過ぎた。

僕は、体も心も大きく成長していた。

今では、家にもなれ
母を求め泣いていた。あの頃の僕は、もう何処にも居ない。

しかし彼女との関係は、今も続いている。

僕の身の周りの事は、今でも彼女がやってくれている。
少し変わった事、と言えば彼女の性格だ。
あんなに優しかった彼女は、もう何処にもいない。
彼女は、少しづつ、厳しく、、厳しく、、、
暴力的になっていった。
僕が大きくなるにつれ暴力DVが、激しくなっていった。
断る毎に殴る彼女
ご飯を残すと殴られる、呼ばれてすぐに行かないと殴られる、挙げ句の果てには
踊れと命令され
僕の情熱的なダンスで喜んでると思ったら
長いとの理由で殴られる。
理不尽にも程がある。
あんなに優しかった彼女は、もういない。
僕は、裏で彼女の事を
ドメスティックな女、、、

ドメスティックバイオレンス佳代子と呼んでいる。

またドメスティックバイオレンス佳代子が僕を呼んでる声が聞こえる。
「マークッス!!!マーァーー
クッス!!!」

そう僕の名前は【マックス】
佳代子ドメスティックバイオレンスが今、呼んでるのが僕の名前だ。
チョットだけ佳代子ドメスティックバイオレンスは、長いので
これからは、佳代子と呼ぶ事にする。
「マークス!!マーーーークス!!!!!」
おっと
そろそろ彼女が怒ってきたので
僕は、彼女のもとへと走り出す。
「どうしたんだい!!佳代子ぉーーー!!!」
佳代子のもとへ着くなり。
「遅い!!!」 【ゴツッ!】と、殴られた。
鈍い音が響き。
僕は、佳代子に物申す。
「ごめんよー。佳代子ぉー。そんなに怒らないでくれよー。」と
佳代子の足にすり寄る。
佳代子は「よしッ!!」と言い
頭を撫ででくれた。
僕は思う【今に見てろよ!!いづれケツを噛んでやる。】
これが、今の僕と彼女の関係だ。



最近では
佳代子と僕は、常に行動を共にしている。

朝、僕のもとへ佳代子がやって来る。
佳代子は、僕に手料理【ゴハン】を作ってくれ
僕が食べるのをまち。
【少し食べるのが遅いと殴られる】
食べ終えると
大体、外に居る佳代子から呼び出しがかかる。
大体、怒った声のため。
僕は、急いで佳代子もとへと駆け寄ると足もとに擦り寄りながら
この言葉を投げかける。
「佳代子ー。どうしたんだい。
そんなに怒って、綺麗な顔が台無しだよ。」
「今日の佳代子は昨日の佳代子より5歳若く見えるよ。」
そんな事を一年間毎日言い続けたので
今の佳代子は、とっくに0歳だ。
こんな嘘に騙されるとは、佳代子は単純な女だ。
そうお前は、僕の肉球の上で踊らされている
事にさえ、気づけもしないのに
いつも威張りやがって。
佳代子みたいな人の事を人間界では、【ジャイアン】ど呼ぶらしい。

そのあと僕は、たけしに殴られ、、、
あっ!!間違えた。
佳代子に殴られ、
佳代子の仕事場へと一緒に向かうのだ。

佳代子の仕事場には、美奈子とあいつが居る。
僕は、あいつが苦手だ。
あいつは、いつも僕の事を獲物の様に狙っているのだ。
そしてアイツと僕の歌を嬉しそうに歌う佳代子
僕は、その歌がとても嫌いだ。
 【大っ嫌いだ。】
今日も佳代子が、その歌を嬉しそうに歌っている。
「ダッシュは、お利口~♪マックスはバカ~♪♪」
この歌だけは、どうしても好きになれない。
『僕は、バカじゃない!!』
その後、仕事が終わるまでダッシュと遊んで待っている。
夕方になり仕事が終わると佳代子と美奈子は、僕を散歩に連れて行ってくれる。
散歩になるとダッシュは、どっかに行ってしまう。
僕と佳代子と美奈子は、3人で散歩に出掛ける。
そして帰って来ると佳代子と地獄のボール遊びだ。
佳代子は、僕とのボール遊びが一番好きみたいで
「はぁーぃ!!マックス。いくよー!」
相変わらず佳代子はボール投げが好きだな
「はーい!ボール探して来まーす。」
ボールを見つけ届けると
また佳代子が投げる
「はーぃ!マックス取って、こ~い!!」
それを永遠にやられる。
ボールを見つけられず帰ると殴られる。
僕が死にそうでもボールを投げるのをやめてくれない。【拷問だ】
そんな時は、いつも美奈子に助けを求めるのだ。
殴られるのを覚悟で佳代子を通り過ぎ
バケツにいっぱいの水を汲んでくれてる
美奈子のもとへと一直線に、、、
バケツに顔を突っ込み、溺れる様に水を飲む。
「ガフッ!!ボコ、、!ごぼごぼ!!」
「美奈子頼むもっと水をくれ体にもぶっかけてくれ」
体にも水をかけてもらい呼吸を整えていると
遠くから佳代子の声が聞こえてくる。
「マーーークス!!マーークス!!!おいで!」
僕は、バケツに頭を突っ込み聞こえないふりをる。
そうすると近づいてくる。足音。
顔を上げると僕は、美奈子に助けを求める。
「美奈子、助けてくれ、死んじまう。」
「美奈子、お前なら出来る。佳代子とだって戦えるはずだ。」
「沢山の動物達に愛情を注いでるお前だ。
オラにも、その愛情を少しでいいから分けてくれ。」

「マックスぅ~♪佳代ちゃんが呼んでるから早く行きなー♪」

「みッ、、み、、、みなこぉぉぉぉ、、お、、お、、お前裏切りやがったなぁぁぁぁぁ!!!」

そのあと地獄のボール投げは、続き。
死ぬほど疲れて家に帰り。
佳代子の手料理を食べ死んだ様に寝るのが、
僕の日常だ。



ある朝
佳代子が僕をいつもの様に迎えに来た。
僕は、佳代子と遊ぼうとオモチャを咥えて持って行った。
僕は、唖然となり。咥えてたオモチャを落としてしまった。
「かッ、、、佳代子、!そッそそいつは、なんだ。」
青いツナギを着た。眉毛野郎が
ぼぼぼ僕の特等席に座っているのだ。
佳代子が呼ぶので、
急いで佳代子の足へと駆け寄り
佳代子を問い詰める。
「おい!あいつはなんだ。説明してもらおうか、!!!!」
ワン!!ワンワンワワン!、!!
マックスダンスをしなから佳代子を問い詰める。
すると、、、
「うるさい!!!!」
怒られ、殴られた。
僕は、落ち込みながらも怒っていた。
佳代子に車の後部座席に乗る様に言われ
仕方なく後部座席に乗った。
佳代子の仕事場へと向かう様だ。
向かう途中
眉毛が居るせいで無言だった。
全部、コイツのせいだ。コイツが空気を悪くしている。
僕は、眉毛に佳代子との事を話してやった。
「おい眉毛!!!お前のせいで佳代子が静かじゃねーかッ!!
俺と2人の時の佳代子は、ものすごくお喋りなんだぜ!!!」
言ってやったぜ!!眉毛はびびって何も言い返せない。
ふんッ、!!!俺の勝ちだな!!!
「マックス!うるさいッ!!!」 
佳代子に怒られた。
くッそぉ~!!なんで俺が!!、!
美奈子の家に着くと眉毛は、すぐに帰って行った。
「帰れ!帰れ!!二度と来るなよ!!!」
眉毛が帰ったので、
僕は、佳代子と真剣な話しをしようとした。
話しをしようとすると佳代子と美奈子は散歩の準備していた。
「おい!!散歩なんてどうだっていい!!」
「あ、、あいつは、なんなんだ!」
佳代子に殴られ散歩に行くことになった。
散歩をしていると
またあの眉毛野郎が現れた。
「おいコラ!!二度と戻ってくるなと言ったよな!!」
マックスダンスしながら威嚇する。
「やめなさい!!」
佳代子に止められた。
でも「コイツ道端で寝そべってふざけてやがるから!!」
リードを引っ張られ連れて行かれた。
眉毛はシカトされている。
「へッ!!いいざまぁ~だ!!」
少し歩くと
また眉毛野郎が現れた。
なんだコイツしつこいし。
何人居るんだ!?
またマックスダンス&威嚇をする。
「佳代子、コイツは何なんだ!?教えてくれよ。」
佳代子と美奈子は、僕をなだめ説明してくてた。
「マックスよーく聞くんだよ。
これはね、毛虫と言ってね。刺されると痛いから近づいてはいけない虫なんだよ。」
そうならそうと、チャンと説明してくれよ。
そっかー。じゃー!
朝のツナギの男も毛虫だったのか。
佳代子は、危ない毛虫にまで優しくするなんて
本当いい女だなぁー!!、!


いつもとは違う日常

その日は、僕が苦手なあいつダッシュと病院に来ていた。
何処も痛い所は無いけど、健康診断か何かかな。

何をされる訳でもなく

俺達は、病院に置いていかれた。

午後になると

「明日までグッスリ眠れるから」と言われ
注射を打たれた。

次の日、目が覚めると
佳代子と美奈子が迎えに来てくれていた。

とくに何もなかったが、

とても大切な物を二つ失った気がする。

その日の佳代子は、少しだけ優しかった気がする。





そんな日々を僕達は、
何日、、、、、、、。
何ヶ月、、、、、、、、、、。
何年、、、、。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゲホッ・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・ゲホッ!ゲホ!!
、、、ハァ、、ハァ、、、、、。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「ぁァ、、、なんか苦しいな、、、、、。」
体も動かないし

息も、、しにくぃ、、、

ここは何処なのだろう、、、

何か、、、


聞こえる、、、



「先生ー!!なんとかして下さい。」

佳代子の声だ、



「私、、この子が居ないとダメなんです。」


「そう言われましても。」

「そうですよ。佳代子さん
生き物を飼うと言うのは、お別れもある。
そう言う事ですから。」

「それわ、、わかってるんです。
けど、もう少しだけ、もう少しだけ
この子と一緒いられませんか。」

「はぁ~、、、まぁ、今日1日くらいなら、」

「それじゃだめなんです。」
「まだ一緒にいたいんです。」



かよこぉ、


また怒ってるのかぁ、

あんまり怒るなょ

先生もこまってるだろ

お前は、言い方がキツいから勘違いされやすい


んだから


きおつけなきゃ



だめだょ

かよこぉ、、、

そんなに悲しそうな顔するなよ、、、

もう俺は、


最後

だ。から、、、

「お前が、いてくれたから

   幸せだった、、、。」





もう、


鼻もきかなぃ、、、

匂いも、、、しない。

佳代子、最後に手だけ、

握って

くれない、、、か。


「ありがとう。」




あったかぃ。



「マックス、!!!マックス!!!!」

「マック!!、、、、マッ、、、、、、、、ク、、、、、、ッス
、、、、、、、、、、、、、、、クッ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」












あぁ、、、、もう、


、、、耳も聞こえ、、、なく、、、、、。



視界まで、、、真っ白に、、、、、なってきやがった。


、、、、、、、、。





、、、、!


、、、、、、、、、、、、ッ
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、ク、、、、!!!










んッ!




なんか



聞こえる!!!!



「、、、、マ、、、、、、、ッ、、、ク、、、、、、、
、、、、、、、、、、、マーーーーーーーーー!ックス!!!」


「マーークッス!!起きろ!!!」



目を開けると




鬼の形相の佳代子


「ごめんな。佳代子、俺はもうだめだ。」

「早く起きろ!!!」

佳代子に殴られた。

最後の最後まで

暴力とは、とんだDV女だ。

佳代子に体を起こされ。立ち上がる。
「マックス!行くよ!!!」
あれ!いつもの佳代子だ。
体も動く

あぁ、!、
あれは、夢か (*´∀`*)テヘ



今日もまた
佳代子に怒られる所から1日が、はじまる。

「佳代子ぉぉ!!待ってくれよー!!!」

「本当に!!!マックスゎ!!!遅いと置いてくかんね。」

「佳代ちゃんは、マックスと違って忙しいんだから」

「ごめんよー。佳代子、置いてかないでくれよー。寂しいだろー。」

怒っていた佳代子も機嫌が直り

上機嫌で歌いだした。

「ダッシュはー♪お利口ー♪♪マックスはー♪バカー♪」

「佳代子、その歌、いい歌だな。明日も歌ってくれよ」

「ダッシュはー♪お利口ぉー♪♪♪マックスはぁー♪♪♪バカぁー♪」

「佳代子、今日もボール遊びやってくれな。」

今日も2人は、仲良く仕事に向かうのだ。

                   おしまい。
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