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第147話 夏休みの計画
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「それで毎年行ってるって言ってたけど、どんな感じなの?」
さっぱり分からないし気になっていたので聞いてみた。
「毎年って言っても1年に1回だからな…いつも私の家族とみゆきの家族の2家族で行ってんだ」
と笑いながら答えるミサキ。
…なるほど、そういう事で行ってたのか。親同士が仲いいとそういうのもあるんだな。家はないけど。
「でも、それじゃあ、参加したらダメな気がするんですけど…」
と僕は言った。それもそうだ。真城さんやみさきの家族とは全く接点がないと言っても過言ではない。そんな中自分が参加するのはどうも腰が引けてしまう。
「あ? もしかして遠慮してんのか?」
とミサキは言った。
ほら遠慮するだろ。普通の人間ならそんな環境で旅行するのは引けるというものだ。
「そうだけど」
「なら、問題ねぇよ」
「どうして?」
と僕は首を傾げる。ミサキがそういう根拠を知りたかった。
すると、今まで口を開かなかった真城さんが口を開いた。
「今年は親なしで行くつもりだったから」
「親なし? それはどういう」
「実はな今年は親が忙しいみたいでなそもそも旅行はなしになるはずだったんだよ。でも、毎年行ってたから寂しくてな、なら私たちだけで行くことにしたのさ」
「そうなんだ…でも、それは親許してくれてるの?」
「ああ、でもその代わり今回は友達を誘って行くというのが条件なんだけどな。あ、心配すんな金は親が出してくれるからよ」
へへ、と笑いながらミサキは答えた。親が金を出してくれるのは有難いけど、それはそれで申し訳ない気持ちになる。だって会ったこともないからな。
「だから花園さんには旅行、一緒に来て欲しい」
真城さんは無表情で言った。もうちょい照れてくれたら嬉しいんだけど、と思ったがまぁ今はいいだろう。いつも素っ気ない真城さんが僕を求めてくれてるだけ嬉しいんだから。
「分かった、行く」
と僕は宣言した。そう宣言してしまったのだ。これから待つ、気の引けない旅行が始まることなど、あまり考えずに…
さっぱり分からないし気になっていたので聞いてみた。
「毎年って言っても1年に1回だからな…いつも私の家族とみゆきの家族の2家族で行ってんだ」
と笑いながら答えるミサキ。
…なるほど、そういう事で行ってたのか。親同士が仲いいとそういうのもあるんだな。家はないけど。
「でも、それじゃあ、参加したらダメな気がするんですけど…」
と僕は言った。それもそうだ。真城さんやみさきの家族とは全く接点がないと言っても過言ではない。そんな中自分が参加するのはどうも腰が引けてしまう。
「あ? もしかして遠慮してんのか?」
とミサキは言った。
ほら遠慮するだろ。普通の人間ならそんな環境で旅行するのは引けるというものだ。
「そうだけど」
「なら、問題ねぇよ」
「どうして?」
と僕は首を傾げる。ミサキがそういう根拠を知りたかった。
すると、今まで口を開かなかった真城さんが口を開いた。
「今年は親なしで行くつもりだったから」
「親なし? それはどういう」
「実はな今年は親が忙しいみたいでなそもそも旅行はなしになるはずだったんだよ。でも、毎年行ってたから寂しくてな、なら私たちだけで行くことにしたのさ」
「そうなんだ…でも、それは親許してくれてるの?」
「ああ、でもその代わり今回は友達を誘って行くというのが条件なんだけどな。あ、心配すんな金は親が出してくれるからよ」
へへ、と笑いながらミサキは答えた。親が金を出してくれるのは有難いけど、それはそれで申し訳ない気持ちになる。だって会ったこともないからな。
「だから花園さんには旅行、一緒に来て欲しい」
真城さんは無表情で言った。もうちょい照れてくれたら嬉しいんだけど、と思ったがまぁ今はいいだろう。いつも素っ気ない真城さんが僕を求めてくれてるだけ嬉しいんだから。
「分かった、行く」
と僕は宣言した。そう宣言してしまったのだ。これから待つ、気の引けない旅行が始まることなど、あまり考えずに…
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