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第151話 お願い
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「……で、お願いって何?」
僕は母さんのお願いの内容について問いかけた。気乗りはしないが話を聞くだけ。聞いて判断することにした。僕の聞けないお願いは無視するつもりでいる。
すると母は顎に手を当ててこう言った。
「お願い……何にしようかしら」
僕はその母の姿を見たときこう思った。
もうお願いは……聞かなくていいかな。
僕は母さんの用意してくれた服をもって二階にある自分の部屋に戻ることにした。
「無いんだったら部屋戻るわ」
ちょっとキレ気味に言った。すると母さんは慌てた様子で、
「うそうそ、だから待ってみくり」
と僕を呼び止めた。母さんが必死に僕の腕をつかんで呼び止めるもんだから一回だけゆるしてあげることにした。
僕は優しいのかもしれない。でも、1回だけだぞ。許すのは。次やったら本気でお願いなんて聞いてやらないからな。
と心の中で言った。当然母さんにはきこえていない。
「で、お願いは何?」
改めて母さんのお願いについて聞く。これの内容によっては断るんだけどな。
「お願いは……」
と言葉をため始める。そして母さんの視線が机の上にばらまかれた服と目の前に立つ僕を交互に見ている。何かを訴えているようだ。
「写真を撮らせて欲しいの」
ん? 写真を撮る。僕のか?
「ここにある服を来て撮らせて欲しいの」
そういうと机の上にあった一つの服を持ってきて見せてきた。その服はピンク色のワンピースだった。
「……」
僕は悩んだ。それは何か。それは思ったよりも簡単なお願いだったからだ。できないわけではないし、それで母さんが納得してくれるなら安いもんだとさえ思える。しかし、そこにはやはり男の僕だからこそだが、女物の服を着るというのにはまだ抵抗があってしまうのだ。それに加えて写真をとるわけだ。それがどういう意味を持っているかわかるか。
そう、一生残ってしまうということだ。僕の女装姿が……
「みくり、どうしたの?」
母さんが黙っている僕に聞いてきた。
どうしたもこうしたもない。かんがえているんだ。汚点を残して、母さんのお願いをかなえるか。それかその逆をするか……
まぁ、僕に残された道は今ある道のみだろうけどな。
「わかったよ。着る……」
僕は承諾した。
それと同時に僕は一生消えない汚点を残すことになった……
僕は母さんのお願いの内容について問いかけた。気乗りはしないが話を聞くだけ。聞いて判断することにした。僕の聞けないお願いは無視するつもりでいる。
すると母は顎に手を当ててこう言った。
「お願い……何にしようかしら」
僕はその母の姿を見たときこう思った。
もうお願いは……聞かなくていいかな。
僕は母さんの用意してくれた服をもって二階にある自分の部屋に戻ることにした。
「無いんだったら部屋戻るわ」
ちょっとキレ気味に言った。すると母さんは慌てた様子で、
「うそうそ、だから待ってみくり」
と僕を呼び止めた。母さんが必死に僕の腕をつかんで呼び止めるもんだから一回だけゆるしてあげることにした。
僕は優しいのかもしれない。でも、1回だけだぞ。許すのは。次やったら本気でお願いなんて聞いてやらないからな。
と心の中で言った。当然母さんにはきこえていない。
「で、お願いは何?」
改めて母さんのお願いについて聞く。これの内容によっては断るんだけどな。
「お願いは……」
と言葉をため始める。そして母さんの視線が机の上にばらまかれた服と目の前に立つ僕を交互に見ている。何かを訴えているようだ。
「写真を撮らせて欲しいの」
ん? 写真を撮る。僕のか?
「ここにある服を来て撮らせて欲しいの」
そういうと机の上にあった一つの服を持ってきて見せてきた。その服はピンク色のワンピースだった。
「……」
僕は悩んだ。それは何か。それは思ったよりも簡単なお願いだったからだ。できないわけではないし、それで母さんが納得してくれるなら安いもんだとさえ思える。しかし、そこにはやはり男の僕だからこそだが、女物の服を着るというのにはまだ抵抗があってしまうのだ。それに加えて写真をとるわけだ。それがどういう意味を持っているかわかるか。
そう、一生残ってしまうということだ。僕の女装姿が……
「みくり、どうしたの?」
母さんが黙っている僕に聞いてきた。
どうしたもこうしたもない。かんがえているんだ。汚点を残して、母さんのお願いをかなえるか。それかその逆をするか……
まぁ、僕に残された道は今ある道のみだろうけどな。
「わかったよ。着る……」
僕は承諾した。
それと同時に僕は一生消えない汚点を残すことになった……
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