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61 トニー ***
しおりを挟む「ルロイ……」
俺は自分から手を伸ばす。
ルロイと離れたくない。やっと抱きしめることが出来たんだ、二度と離れたくない。
この2年間苦しかった。もうルロイと会えないのかもしれないと思うと、苦しくて堪らなかった。
この身を差し出すことで一緒にいられるのなら安いものだ。
そんな醜い俺の心中なんて知らないルロイは、険しい顔を和らげる。
「トニー」
ルロイが口づけしてくる。
今度は逃げずに受け入れる。
唇が合わさり、ルロイの舌が俺の唇をなぞり、口を開けるように促す。俺が薄く口を開くと、ルロイの舌が入って来る。
歯列をなぞり、舌に絡める。唾液が溢れて口からこぼれてしまう。
「嬉しい」
ルロイはウットリと呟くと、溢れた唾液を舐め取り、そのまま首筋に唇を移動させていく。
俺は頭に霞がかかったみたいに考えがまとまらない。
ただルロイからもたらされる感覚に翻弄されていると、ルロイは俺自身へと触れてくる。
「え、ちょっ」
残念ながら、俺はこの歳になっても経験が無い。
本当は “成人の儀” の後に、親戚の男衆から娼館に連れて行かれて、脱童貞するのが村の慣習なのだが、いかんせん俺には、そんなことをしてくれる親戚がいなかった。見合いもことごとく潰れたし。
「やめっ、そんな所を触るな」
ルロイの手は俺自身を掴んだり、さすったりしている。
いくら恋愛感情は無い相手だとはいえ、触られると反応してしまう。俺だって若いんだ。
「最初は味わいたいから、オイルを垂らさなかったけど、よかった。固くなった」
俺自身を掴んだままのルロイが嬉しそうな声を出す。
え、味わう?
こんな場面で聞きなれない言葉に戸惑っていると、ルロイはなんの躊躇いも無く俺自身をくわえてしまった。
「ちょっ、汚いだろうがっ、放せっ」
慌てて自分の股の間にあるルロイの頭を押すが、ビクともしない。
「やめろっ、放せっ、うあっ」
ルロイは舐めしゃぶる。ジュボジュボという湿った音が、聞こえていたたまれない。
始めて感じる感覚が、余りにも強くて腰が動く。
簡単に上り詰めそうになって、ルロイの頭に爪を立ててしまう。
「放せっ、だめだからっ、もう出るから放せっ」
なんとか逃れようとするのに、ガッチリと腰を押さえられていて、身を捩ることすらできない。
「いいから出して、俺飲みたい」
何を言っているんだ?
口を放したと思ったら、信じられないことを言って、また俺自身をくわえ込む。その上、強く吸ったかと思ったら、先端をくじるように舌で突かれて、堪えきれない。
「いや、いやぁっ」
とうとう俺は射精してしまった。
息が上がり、涙をにじませる俺に、見せつけるようにして、ルロイは嚥下する。
「そんなの、吐き出せ」
「美味しかった。また飲みたい」
自分の唇を舌でなぞるルロイは、驚くほどに色気がある。子どもだとばかり思っていたのに、ゾクリと背筋が粟立つ。
毎日畑仕事をしているから身体を鍛えているはずなのに、息が切れて身体に力が入らない。
機嫌が良くなったルロイは、俺をひっくり返すと、後孔に触れてくる。
「汚いじゃないか。何でそんな所を触るんだよ」
「え、トニーは知らないの? 夫夫はここを使うんだよ」
「まさか……」
「大丈夫、ちゃんと俺がやるから、トニーは心配することなんてないよ」
落ち着いているどころか、余裕までありそうなルロイに腹が立つ。
「な、なんだよ、大丈夫って。そんなに色んな相手と経験してきたって言うのかよ」
思わず喚いてしまう。
胸がモヤモヤする。肯定されたら傷つくのは分かっているくせに。
息子だと思っているルロイが経験済だということに、なぜ俺が傷つくのか、今は考えたくない。
ルロイは綺麗だ。年と共に驚くほどの美形に成長している。
家を出る時は、儚い雰囲気の少女めいた美しさだったけど、今はしっかりとした美青年になっている。
これほど美しいのだから、周りも放ってはおかなかっただろう。
「経験があるわけないだろう。俺は浮気なんかしないよ。友達に専門家がいて、詳しいことを聞いたんだ。この瓶もくれた」
ルロイが当たり前のように浮気しないと言うから、胸がこそばゆい。安堵する必要なんて無いはずなのに。
ルロイはベッドサイドの小瓶を手に取る。記憶にある小瓶だが、何時の間に何本も置いていたのか。
だけど友達が専門家って何だ? 何の専門家なんだよ。
俺が頭を捻っていると、ルロイは俺の尻へとオイルを垂らす。
「ふあっ」
オイルの冷たさに声が出た。
「ゴメン。先に手に取って温めればよかった。今度からは注意する」
ルロイの謝罪に、今度ってなんだ? と言う疑問は、口に出すことはできなかった。オイルと共に後孔に指が入って来たから。
「やっ、うあっ」
変な声が立て続けに漏れる。
指は深く入って来たり、浅い場所をほぐしたりと、好き勝手に動いている。
受け入れると決めたが、予想外のことが多すぎて、心と身体が追いつかない。
「最初は苦しいって。でもすぐに慣れるから。身体の力を抜いて」
息をするのでさえ難しいのに、強張る身体から力を抜けとか無理言うな。
文句を言おうと口を開こうとすると、いつの間にか何本にも増えていた指が、引き抜かれる。
圧迫感が無くなり、ホッと息をついたら、それを見計らったみたいに、指以上の圧迫感に襲われた。
メリメリと音が聞こえそうに後孔に何かが入って来る。
「やあっ、なに? 無理、無理だから!」
「大丈夫、力を抜いて」
なだめるみたいに背中にキスをされるけど、力を抜くことなんて出来なくて。
すると、ルロイの手が俺自身へと再び絡み付く。
尻に垂らされたオイルが届いており、ルロイの手はスムーズに俺自身をしごきだす。
「ひいっ、やめっ、やめろっ」
俺自身への刺激は、強い快感になり、意識が俺自身へと向かう。
「かはっ」
ルロイが一気に奥へと進んで来た。
余りの衝撃に、俺自身が弾けてしまう。
「ちゃんと全部入った」
ルロイは俺が馴染むのを待っているのか、腰を止めている。
「やっと本当の夫夫になった。トニーは俺のものだ。もう絶対に離さない」
「うん……。俺も離れない」
喜色の滲む声に、息も絶え絶えだが、なんとか返事をする。
「もういいかな? 動くよ」
確認をとるルロイだが、俺の返事なんて求めてはいない。
好き勝手に動きだした。
ルロイにすれば、何年も待ちに待った行為だ。自制なんてできないのは分かる。分かるけど、ルロイは暴走した。
俺は死にそうな目に合わされたけど、心は幸せだった。
ルロイと離れなくてもいい。そう思うことができたから。
俺はルロイと夫夫になったのだった。
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