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17.華麗な舞踏会デビュー?
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私的に!
舞踏会デビューは無事にすんだ。
というか?
そもそも私はほとんど踊る暇がなかった。
母上の呆れた視線に晒された。
アンドラだけが華麗な舞踏会デビューを飾ったのだ。
私のせいじゃないよ。
「エリザベート、あなたはどうして人と違うことをしたがるのかしら!?」
「母上、わたくしがやりたかった訳ではございません。そうお思いでしたら、あの人ごみの中からお助け下さいませ」
「そんなことができる訳がないでしょう」
そりゃ、そうだ!
その人ごみの中心にいたのは、舞踏会の主催者である侯爵様だ。
母上が侯爵に喧嘩を売ることになる。
できる訳がない。
その侯爵は突然に出回り出した香辛料、その交易所の会頭に会いたかった。
侯爵は父上にあいさつを終えると、早速、侯爵は私を呼ばせた。
「ジョルト・ファン・ヴォワザン伯爵の娘、エリザベートでございます」
「回りくどいのが嫌いだ。香辛料を売って貰いたい」
「畏まりました。4種類ございます。各1キロでよろしいでしょうか?」
「おぉ、ご令嬢はジョルトと違ってはっきりと答えてくれるのだな」
「父上はお忙しいので交易所のことで煩わせたくないと思っております。ゆえに細かいことは知らせておりません。決して含むところがあるのではございません」
「もう少し融通できると考えてよいか?」
「残念ながら交易船が一隻しかございませんので、年に4回入港することになっておりますから、その都度に各1キロが限界でございます。しかしながら二番艦は本年度中に完成する予定になっておりますので、来年からはもう少し融通できるとお考え下さい」
「期待しておるぞ!」
「畏まりました」
中央領を統括する貴族会議第3席のセンテ侯爵の話が終われば、それで終わりとはいかない。自分の従兄弟であるバルトシュ侯爵を紹介された。
「エリザベート嬢、私の方にも融通して頂けるとよろしいのですがどうでしょうか?」
「バルトシュ侯爵。大変心苦しいのですが手持ちに限りがございます。確か、バルトシュ侯爵は領都の豪商であるデレン商会とお親しかったと存じ上げますが間違いございませんか?」
「間違っておらんぞ」
「ならば、ブリタ領のネロ商会をご紹介致しますので、デレン商会を通じて打診しては如何でしょうか? 少し融通して頂けるかもしれません」
「判った。そうしてみましょう」
「明日にでも紹介状をお届させて頂きます」
「期待しておるぞ」
センテ侯爵が薦めてくる方には紹介状を送り、それほどでない方にはあいさつ状を送る約束をした。
貴族の中には、すでに香辛料を手にいれた伯爵なども居る。
「ナツメグなど、4種以外の香辛料を手に入れることはできませんか?」
「すでに他の香辛料も買ってくるように申し付けております。エミル伯爵からも希望の香辛料の一覧など送って頂けますと大変助かります。ヤン商会にはこちらから申し付けておきますので、何なりとご希望を申し付けて下さい」
「それは助かる。さっそく、送らせて貰おう」
「よろしく、お願い致します」
「ジョルト、そこもとの息女は類い稀な商才に長けておる。アドリアン様もそうお思いでしょう」
「まったくだ。儂の息子と婚約させるか?」
「おぉ、それは素晴らしい」
「もったいないお言葉ですが、ご容赦下さい」
「判っておる。オリバー如きにそこもとの息女は過分だと言っておる」
「平にご容赦を!」
「センテ侯爵様。交易も、民の救済も、わたくしはすべて第1王子オリバー様の為になると思って尽くしております。どうかご配慮下さいませ」
「承知した。そこもとの息女は本当に頭が切れるようだ。これからもよろしく頼むぞ」
「こちらこそ、よろしくお願い致します」
第1王子のオリバー様をオリバー如きと言い放った。
王様が聞けば激怒するだろう。
我が家が言えば、首が飛ぶ。
でも、センテ家は初代王の次男が領主になった一族であり、そんな不敬な発言すら許される。
問題はその取り巻きだ。
みなさん、にこにことしているがその中には王家にしっぽを振っている方も多いので、ここの発言は王家に伝わる。
父上も下手な言質を取られないようにするのに冷や汗ものだ。
ホント、貴族は足の引っ張り合いばかりだ。
中央領の貴族の多くが香辛料を手に入れるきっかけを作ったと聞くと、東領のエスト侯爵が名指しで晩餐会の招待状が急ぎ届いた。
「エリザベート、貴方は晩餐会を商談の場と勘違いしていませんか?」
「母上、その苦情はエスト侯爵に申し付け下さい。わたくしも商談に行きたい訳ではございません」
「そんなことができる訳ないでしょう」
ですよね!
結局、香辛料の交渉でほとんどの時間を費やし、最後のラストダンスのみ、エスト侯爵の子息であるリュディガーと踊った。
モブキャラのリュディガー君が一人目のキープ君になったらしい。
何でも婚約者がいない場所で他家の男性とダンスを踊るということは、婚約破棄した場合、私は貴方のパートナーに立候補しますという意味らしい。
『あなたがいなくても大丈夫よ』
婚約者を持っている令嬢の箔付けだ。
つまり、私はより多くの男性とダンスを踊ることが女性として価値を高めることになる。
舞踏会に行って、ダンスの相手が5人以下なら余程魅力のない女性と言われる。
(婚約者と同行して、婚約者のみと踊った場合のみ別らしい!)
連日で舞踏会に行きながら踊った相手が一人だけ?
またまた、ご婦人方のお茶会で笑いの種を提供したらしい。
母上は御冠だ。
「エリザベート、どう責任を取るつもりですか!」
「母上、わたくしに言われても困りますわ」
「本当に貴方って子は! わたしはもうお茶会に行きたくありません」
「行かないという選択は?」
「ありません」
私に当たられても知りませんよ。
舞踏会デビューは無事にすんだ。
というか?
そもそも私はほとんど踊る暇がなかった。
母上の呆れた視線に晒された。
アンドラだけが華麗な舞踏会デビューを飾ったのだ。
私のせいじゃないよ。
「エリザベート、あなたはどうして人と違うことをしたがるのかしら!?」
「母上、わたくしがやりたかった訳ではございません。そうお思いでしたら、あの人ごみの中からお助け下さいませ」
「そんなことができる訳がないでしょう」
そりゃ、そうだ!
その人ごみの中心にいたのは、舞踏会の主催者である侯爵様だ。
母上が侯爵に喧嘩を売ることになる。
できる訳がない。
その侯爵は突然に出回り出した香辛料、その交易所の会頭に会いたかった。
侯爵は父上にあいさつを終えると、早速、侯爵は私を呼ばせた。
「ジョルト・ファン・ヴォワザン伯爵の娘、エリザベートでございます」
「回りくどいのが嫌いだ。香辛料を売って貰いたい」
「畏まりました。4種類ございます。各1キロでよろしいでしょうか?」
「おぉ、ご令嬢はジョルトと違ってはっきりと答えてくれるのだな」
「父上はお忙しいので交易所のことで煩わせたくないと思っております。ゆえに細かいことは知らせておりません。決して含むところがあるのではございません」
「もう少し融通できると考えてよいか?」
「残念ながら交易船が一隻しかございませんので、年に4回入港することになっておりますから、その都度に各1キロが限界でございます。しかしながら二番艦は本年度中に完成する予定になっておりますので、来年からはもう少し融通できるとお考え下さい」
「期待しておるぞ!」
「畏まりました」
中央領を統括する貴族会議第3席のセンテ侯爵の話が終われば、それで終わりとはいかない。自分の従兄弟であるバルトシュ侯爵を紹介された。
「エリザベート嬢、私の方にも融通して頂けるとよろしいのですがどうでしょうか?」
「バルトシュ侯爵。大変心苦しいのですが手持ちに限りがございます。確か、バルトシュ侯爵は領都の豪商であるデレン商会とお親しかったと存じ上げますが間違いございませんか?」
「間違っておらんぞ」
「ならば、ブリタ領のネロ商会をご紹介致しますので、デレン商会を通じて打診しては如何でしょうか? 少し融通して頂けるかもしれません」
「判った。そうしてみましょう」
「明日にでも紹介状をお届させて頂きます」
「期待しておるぞ」
センテ侯爵が薦めてくる方には紹介状を送り、それほどでない方にはあいさつ状を送る約束をした。
貴族の中には、すでに香辛料を手にいれた伯爵なども居る。
「ナツメグなど、4種以外の香辛料を手に入れることはできませんか?」
「すでに他の香辛料も買ってくるように申し付けております。エミル伯爵からも希望の香辛料の一覧など送って頂けますと大変助かります。ヤン商会にはこちらから申し付けておきますので、何なりとご希望を申し付けて下さい」
「それは助かる。さっそく、送らせて貰おう」
「よろしく、お願い致します」
「ジョルト、そこもとの息女は類い稀な商才に長けておる。アドリアン様もそうお思いでしょう」
「まったくだ。儂の息子と婚約させるか?」
「おぉ、それは素晴らしい」
「もったいないお言葉ですが、ご容赦下さい」
「判っておる。オリバー如きにそこもとの息女は過分だと言っておる」
「平にご容赦を!」
「センテ侯爵様。交易も、民の救済も、わたくしはすべて第1王子オリバー様の為になると思って尽くしております。どうかご配慮下さいませ」
「承知した。そこもとの息女は本当に頭が切れるようだ。これからもよろしく頼むぞ」
「こちらこそ、よろしくお願い致します」
第1王子のオリバー様をオリバー如きと言い放った。
王様が聞けば激怒するだろう。
我が家が言えば、首が飛ぶ。
でも、センテ家は初代王の次男が領主になった一族であり、そんな不敬な発言すら許される。
問題はその取り巻きだ。
みなさん、にこにことしているがその中には王家にしっぽを振っている方も多いので、ここの発言は王家に伝わる。
父上も下手な言質を取られないようにするのに冷や汗ものだ。
ホント、貴族は足の引っ張り合いばかりだ。
中央領の貴族の多くが香辛料を手に入れるきっかけを作ったと聞くと、東領のエスト侯爵が名指しで晩餐会の招待状が急ぎ届いた。
「エリザベート、貴方は晩餐会を商談の場と勘違いしていませんか?」
「母上、その苦情はエスト侯爵に申し付け下さい。わたくしも商談に行きたい訳ではございません」
「そんなことができる訳ないでしょう」
ですよね!
結局、香辛料の交渉でほとんどの時間を費やし、最後のラストダンスのみ、エスト侯爵の子息であるリュディガーと踊った。
モブキャラのリュディガー君が一人目のキープ君になったらしい。
何でも婚約者がいない場所で他家の男性とダンスを踊るということは、婚約破棄した場合、私は貴方のパートナーに立候補しますという意味らしい。
『あなたがいなくても大丈夫よ』
婚約者を持っている令嬢の箔付けだ。
つまり、私はより多くの男性とダンスを踊ることが女性として価値を高めることになる。
舞踏会に行って、ダンスの相手が5人以下なら余程魅力のない女性と言われる。
(婚約者と同行して、婚約者のみと踊った場合のみ別らしい!)
連日で舞踏会に行きながら踊った相手が一人だけ?
またまた、ご婦人方のお茶会で笑いの種を提供したらしい。
母上は御冠だ。
「エリザベート、どう責任を取るつもりですか!」
「母上、わたくしに言われても困りますわ」
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