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37.優雅な一日の終焉。
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6月の式典に行った父上から手紙が届いた。
「父上が国王の晩餐会の招待を受けたそうです」
晩餐会はディナーの一種であり、招待を受けて出席する最高位の食事のことだ。
王族主催の社交会と別会場で晩餐会が開かれていた。
考えてみれば合理的だ。
いつまでも社長や重役など上司が居ては下っ端の社員は楽しめない。
監視が緩くなれば、派閥や部署を超えての交流もできる。
「母上、おめでとうございます」
「何を言っているの! 貴方達も出席するのですよ」
「わたくしもですか?」
「第一王子の婚約者は貴方でしょう」
そんな設定もありましたね!
◇◇◇
ゲームの設定では、秋の大不作によって王国内で暴動が起こった。
国力が落ちたのだ。
2年後、隣国が30年ぶりに戦端を開き、ラーコーツィ家の領都を奪われそうになるほど押し込まれる。
それを救ったのが、我が父が用意したポーションであった。
大量のポーションを用意したことで瀕死の兵達が復活し、敵国を追い返す原動力となったのだ。
この戦乱でラーコーツィ家が弱体化し、ヴォワザン家が強化された。
その結果、エリザベートは第一王子オリバーの婚約者として学園に入学する。
エリザベートが王族の晩餐会と舞踏会の招待されていたのは14歳の春ではないだろうか?
3年早く呼ばれることになった。
ゲームの画面では何度も見た王子だが、会うのは初めてになる。
オリバー王子はこれをどう思うだろう。
吉兆、それとも最悪と思われるのか?
「姉様、どうかされました?」
「オリバー王子はどう思われるかと考えたのです」
「あぁ、その心配ですか!」
「アンドラなら判るでしょう」
「王子は姉様を嫌っていますからね」
「そんなことはあり得ません。王が決められたことです。それにはじめて婚約者と会えるのです。お喜びになるに決まっているではありませんか!」
「母上、そうですね。そうに違いありません」
「そうです。我が家の力を示せたことで王子の後ろ盾として認められたのです。名誉なことです」
母上はオリバー王子の噂を知らないらしい。
王になるには、王族の姫、あるいは、ラーコーツィ家、セーチェー家の姫である慣例があり、私が婚約者である限り、オリバー王子は王になることはあり得ない。
それは母上も承知している。
だから、母上はオリバー王子が家を興されて南領を治めると考えておられる。
中央領、東領に継ぐ、第3の大領主侯爵の誕生だ。
もしかすると、我が国はじめての公爵家が誕生するかもしれない。
それは名誉なことだ。
考えようによっては、堅苦しい王になるより気楽に生きることができる。
オリバー王子がそれで満足していればよかったのだが、オリバー王子はそう考えなかった。
王になれない駄目王子と罵られ続けていることを悔しがり、侍女達に私を罵倒する言葉を吐いているらしい。
少なくとも好意的ではない。
「どんな顔で出迎えてくれるのか楽しみよね!」
「姉様にとって楽しい出会いであることを祈ります」
「ありがとう」
「エリザベート、早く湯あみに行ってきなさい。それが終わったのなら髪をときなさい。時間がありませんよ」
「大丈夫です。母上、まだ十分に時間はあります」
お茶でのんびり過ごすつもりの優雅な一日が消えてしまった。
「父上が国王の晩餐会の招待を受けたそうです」
晩餐会はディナーの一種であり、招待を受けて出席する最高位の食事のことだ。
王族主催の社交会と別会場で晩餐会が開かれていた。
考えてみれば合理的だ。
いつまでも社長や重役など上司が居ては下っ端の社員は楽しめない。
監視が緩くなれば、派閥や部署を超えての交流もできる。
「母上、おめでとうございます」
「何を言っているの! 貴方達も出席するのですよ」
「わたくしもですか?」
「第一王子の婚約者は貴方でしょう」
そんな設定もありましたね!
◇◇◇
ゲームの設定では、秋の大不作によって王国内で暴動が起こった。
国力が落ちたのだ。
2年後、隣国が30年ぶりに戦端を開き、ラーコーツィ家の領都を奪われそうになるほど押し込まれる。
それを救ったのが、我が父が用意したポーションであった。
大量のポーションを用意したことで瀕死の兵達が復活し、敵国を追い返す原動力となったのだ。
この戦乱でラーコーツィ家が弱体化し、ヴォワザン家が強化された。
その結果、エリザベートは第一王子オリバーの婚約者として学園に入学する。
エリザベートが王族の晩餐会と舞踏会の招待されていたのは14歳の春ではないだろうか?
3年早く呼ばれることになった。
ゲームの画面では何度も見た王子だが、会うのは初めてになる。
オリバー王子はこれをどう思うだろう。
吉兆、それとも最悪と思われるのか?
「姉様、どうかされました?」
「オリバー王子はどう思われるかと考えたのです」
「あぁ、その心配ですか!」
「アンドラなら判るでしょう」
「王子は姉様を嫌っていますからね」
「そんなことはあり得ません。王が決められたことです。それにはじめて婚約者と会えるのです。お喜びになるに決まっているではありませんか!」
「母上、そうですね。そうに違いありません」
「そうです。我が家の力を示せたことで王子の後ろ盾として認められたのです。名誉なことです」
母上はオリバー王子の噂を知らないらしい。
王になるには、王族の姫、あるいは、ラーコーツィ家、セーチェー家の姫である慣例があり、私が婚約者である限り、オリバー王子は王になることはあり得ない。
それは母上も承知している。
だから、母上はオリバー王子が家を興されて南領を治めると考えておられる。
中央領、東領に継ぐ、第3の大領主侯爵の誕生だ。
もしかすると、我が国はじめての公爵家が誕生するかもしれない。
それは名誉なことだ。
考えようによっては、堅苦しい王になるより気楽に生きることができる。
オリバー王子がそれで満足していればよかったのだが、オリバー王子はそう考えなかった。
王になれない駄目王子と罵られ続けていることを悔しがり、侍女達に私を罵倒する言葉を吐いているらしい。
少なくとも好意的ではない。
「どんな顔で出迎えてくれるのか楽しみよね!」
「姉様にとって楽しい出会いであることを祈ります」
「ありがとう」
「エリザベート、早く湯あみに行ってきなさい。それが終わったのなら髪をときなさい。時間がありませんよ」
「大丈夫です。母上、まだ十分に時間はあります」
お茶でのんびり過ごすつもりの優雅な一日が消えてしまった。
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