本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

B介

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ネフェリア、学園編

まじない

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芳子さんに出した手紙が数日後届き、内容を読んで驚愕した。


留学生、隣国の第四皇子様は隠しキャラらしい。

ナヴィルリアンと交換留学としてくるが、特殊ルートを通らないと関われないし、一切画面に現れないシークレットキャラで、芳子さんは何度頑張ってもそのルートにたどり着けず、忘れていたそうだ。

だから設定も何もかもわからないとのこと。

前世で、その姿形を一度見たいと調べたそうだが、0.003%の確率らしく、ネタバレにもなるから何も出ていなかったらしい。


おかしいのは、今回交換留学ではないが、来るようなので、気を引き締めて臨まないとならない!


前回見たことあるかな?
あの時は虐めしか頭に無かったからなー。


考えながら歩いていると、足元に急に何かが現れた、足を取られた。

ベシャッ


い、痛い………ぐすん…

ハッ!泣くな!男だろ!


また鼻をぶつけた。膝も痛い…そう思いながらゆっくりと身体を起こす。

「あら?ごめんあそばせ!大丈夫かしら?」

嬉しそうな声に聞こえるが……


あ、またこの人か…。

ニタッと笑う公爵令嬢にネフェリアはげんなりする。

イザベラ・ヤード。

あれから、何かと絡んできて、僕はその存在を知った。

真っ赤な髪に赤紫色の瞳、めちゃくちゃ綺麗だが、度重なる嫌がらせをうけ、性格の悪さにもったいないと思う。


前回、確かにヴィヴァリアンの横にいた!赤髪だから覚えている。よく婚約したなー、と、今だから思う。


僕が1人になるトイレの時だけ現れるんだ。

どういうこと?タイミングバッチリって恥ずかしいんだけど!


すると、急に僕の前に大きな壁が立ちはだかる。

「これは、どういうつもりですか?ヤード家御令嬢?」

冷たく厳しい瞳で睨む褐色の男、キリウスだ。

イザベラは突然のキリウスの登場に、顔をしかめて、一歩下がる。

「キリウス様、学年が上の忙しい貴方が何故ここに?」


「以前からネフェリアの周りに不審な影がいましたので、雇い主を調べていましたら、貴方がいたので。」

ビクッと青ざめるイザベラに、より冷たい視線を送る。

「まあ、爵位の高い方が雇ったのでしょう。まだ証拠は上がりませんが、ヴィヴァリアン様は本気で、調べようとしておりますのでお気を付けた方が良いかもしれませんね。」


イザベラはギリッと歯を軋ませ、去っていってしまった。

「大丈夫か?」

キリウスはネフェリアの制服の埃を払い、鼻を心配そうに見る。

「大丈夫。考え事してたから避けれなくて。」

ありがとうと、微笑むと、キリウスはニッと口元を笑わせて、耳元で囁いた。

「俺のこと考えてたのか?」


ギャー!ヤメて!その耳元攻撃!!


「違うよ!」

僕は顔を真っ赤にして否定すると、肩を竦めた。

「そりゃ残念。」

そして、綺麗なスカイブルーの瞳でネフェリアをジッと見つめた。


「だが、他の男の事を考えていたら、許さねえぞ?」

真剣な眼差しに、ネフェリアはドキンッと胸を弾ませた。

「保健室いくか?」

ちょっと膝がヒリヒリするので頷くと、キリウスはネフェリアの腰を抱き、歩き出した。

「いつもヴィヴァリアンが羨ましくて、一度これやりたかったんだ。」

ニッと笑うキリウスはやはり男らしく感じる。


保健室に着くと、保健医はおらず、勝手に拝借することにした。

ズボンを無理矢理膝まで上げると、やはり赤く皮が剥け、少し血が滲んでいた。

キリウスはネフェリアを椅子に座らせ、自分は跪いた。

「キリウス様!そんな!いいですよ!」

跪いたキリウスに慌てるが、気にせず、キリウスは消毒液をかける。

いたっ!


「いいんだよ。俺がやりたいんだ。」

ガーゼを当てテープを貼ってくれた。

そして、ネフェリアの膝にキリウスはキスを落とした。

膝に感じた柔らかい感触にネフェリアは顔を赤らめて固まった。

「まじないだよ。俺役得のな。」

フッと優しく笑うキリウスに、ネフェリアは自分が令嬢なら即落ちていたと感じた。


これがいい男のモテテクニックか!

いつか使うのを夢見て覚えておこう!


そんな事を考えていると、キリウスの顔が近づいてきた。


「今は何を考えていた?」

間近にあるスカイブルーの瞳に嘘がつけず、ネフェリアは顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに口を開いた。


「キリウスのこと…。」


キリウスは満足気に笑い、チュッと鼻にキスをした。


「よろしい。」

少し、嬉しそうな声に、ネフェリアはあわあわする。

鼻?キス?


え!?まじない?

めちゃくちゃ暴れだす心臓に、頭がクラクラしだすネフェリア。

そんなネフェリアを愛おしそうに見つめながら、椅子から立たせる。


「そろそろ周りが騒ぎだす。厄介だから戻るぞ。」

ネフェリアはあわあわしながら、頷いて、また、キリウスに腰を抱かれながら、クラスまでエスコートされた。


戻ったネフェリアの背後にキリウスがいた事でアリウスがピリついたが、ネフェリアは先程のことで頭がいっぱいで、気づかなかった。

キリウスが去った後、カウディリアン、サリファン、アリウスから質問攻めにあったが、保健室の事は言えるわけ無く、ただただ、ドキドキしながら1日を過ごすことになった。


鼻キス…僕もいつか可愛い子と…。


さて、ネフェリアはできるでしょうか?



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