本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

B介

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ネフェリア、学園編

雰囲気

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「サリファン。今回のテスト、どうだった?僕2問目が不安なんだけど。」

ネフェリアがサリファンの机に教科書を広げた。

「僕はここは……。」


あ、サリファンが笑ってる。

何だろう、あの2人…
テスト期間から急に雰囲気が変わったんだよな。

特にサリファンが、表情が出るようになってきた。

笑う事が多くなったっていうか…。


なんか面白くねえ…

ヴィヴァリアン皇子や兄上もそうだ、ネフェリアも彼らに対して今まで目上の方って感じだったが、少し柔らかく対応する様になってる。


ハァァ…出遅れてんだろうな俺。

何でかな、多分俺が1番長く一緒にいる。
チャンスはいっぱいあったはずなんだ。だけど……何かが引っかかって…踏み込めないんだ。

カウディリアンもそうだ。ヴィヴァリアン皇子には強く言うが、行動には移していない。

サリファンもそんな感じだったのに…



「どうしたアリウス。」

「カウディリアン様…」

気付くと横にカウディリアンが立っていた。

「サリファンか?…確かに雰囲気、ネフェリアとの関係性が少し変わったな。だが、表情が豊かになる事は良いことだ。」

切なそうに笑うカウディリアンを見て、アリウスは自分の心の狭さを恥じた。

サリファンと楽しそうに笑うネフェリアを見ると、どうしても嫉妬が生まれる。

「…カウディリアン様は何故、ネフェリアに積極的にいかないのですか?ヴィヴァリアン様は多分もう動いてますよ。俺の兄上もね。」

暫く無言が続いたので、アリウスはネフェリアからカウディリアンにまた視線を移した。

「…アリウス。…お前は何かおかしい夢を見ないか?」

「夢?」

カウディリアンはネフェリアを見つめたまま、瞳を暗く濁した。

そんなカウディリアンの表情にアリウスも眉を寄せる。

「そう。夢であって欲しいほどの残酷なものだ。…私はここ何年か、何度も見る。より鮮明になる悪夢に、起きる度にホッとするんだ。…夢であって良かったと…。動けない理由はそれかもしれん。」

「カウディリアン様…?」


一瞬彼が消えてしまうのでは?と思うほど、悲しみと苦しさを語る表情が儚かった。

そんな俺の心配そうな顔を見て、いつもの笑顔を見せる。

「…クスッ…ただの夢の話だ。私は兄上に負ける気はないよ。お前にも、キリウス、サリファンにもな。」

少し、ホッとした。

「ナヴィルリアン様にもでしょ?」

ニヤッと笑うと、カウディリアンも笑う。


「カウディリアン様、アリウス。」

そんな俺たちの会話なんて梅雨知らず、笑顔でネフェリアが寄ってくる。

その笑顔を自分に向けてくれるだけで、俺の嫉妬心は薄れる。簡単だな俺。


「次は剣術のテストですよね?負けませんよ?」

ニッと笑うネフェリアに、男らしい笑い方も出来たんだなって、失礼かな?


「勉学じゃ、俺は敵わないから剣術は負けられないな。」

ニヤッと笑うと、ネフェリアも拳を握って気合いを入れているようだ。


俺達はラフな白シャツとズボン、剣用のベルトを装着して、外の剣技場へと移動する。女性は刺繍のテストだ。


外に出ると、他の学年も剣術テストをしていたようで、ヴィヴァリアンとキリウスね姿があった。

あ、ナヴィルリアンもいるのか。

準備運動の為に早めに出たから混雑している。

「ヴィヴァリアン様、キリウス様、ナヴィルリアン様。」

挨拶をしに行くと、3人とも汗だくだった。


「今から剣術か?俺らは終わったぜ?な!ヴィヴァリアン様。」

キリウスの笑い方からして、ヴィヴァリアン様が負けたのかな。


ニヤニヤ笑うキリウスをジロッと睨むヴィヴァリアン。

「私も一位だったよ!」

ナヴィルリアンもニッと笑う。


「あれ?兄様は?」

ネフェリアはキョロキョロとエスティリオの姿を探した。


「ああ、向こうでダーウィングの相手をしているよ。」


ヴィヴァリアンの指す方向を見ると、ダーウィングとエスティリオが話しているのが見えた。


「私達はそろそろ戻る。ネフェリア、カウディリアンを倒しなさい。」

「アリウスもボコボコにしちゃえ!応援している。」

「あっ、私も戻らないと、一年誰もいないや。ネフェリア、頑張ってね。」

3人はカウディリアンとアリウスの視線を気にせず、ネフェリアを応援して去っていった。

「いつか、兄上をボコボコにしてやる。」

「奇遇だな。私も今そう思った。」

イライラとした2人の雰囲気に、ネフェリアは困ったように乾いた笑いを浮かべる。


2人に燃えられても困るな。

ヴィヴァリアン様、キリウス様、ナヴィルリアン様…逆効果です。

「僕、何も言われなかった…」

サリファンも違う理由でムスッとしている。

「そりゃ、勉学と違って剣術ではな。」

アリウスの言葉に、よりムッとしたようで、アリウスの脛に蹴りをいれた。


「イデー!!サリファン!」


やれやれとカウディリアンと視線を合わせる。


剣術テストは実戦方式でトーナメント戦。剣は危なくないよう木で出来た剣を使う。

結果と、手数、防御力、バランスなど総合結果で得点が決まる。


一回戦目は皆と当たらずホッとした。

勝ち進んでいくうちに、サリファンとマリックが当たり、サリファンが勝っていた。

しかも、そのサリファンもカウディリアンに負けた。


準決勝での僕の相手はアリウス。
勝ったどちらかがカウディリアンと当たる。



お互い剣を構える。


うっ!やはり、カリウスの息子だ。目の前に居るだけで威圧感が半端ない。

だが、負けない!!!


僕は先手必勝でアリウスに斬りかかる。

それを簡単に防御される。

力じゃ負けるので、距離を取ろうと後ろに下がったところを斬り込まれた。

必死に受け止めるが、力で押し倒れそうになる。

僕は何とかアリウスの力をいなして、脇腹を狙うが、後少しのとこで、交わされて、弾き飛ばされた。

そのまま、喉元に剣を向けられ……


僕の負けだ。

やっぱり強いや…


アリウスは先程の威圧感が消え、口元を笑わせて、手を差し出した。


僕はその手を握る。

「悔しいな。いつか勝つから。」

「まず、力をつけなきゃな。」


もう!なかなかつかないんだよ!!

ムスッ頬を膨らます。


決勝はアリウスとカウディリアン。


2人とも、一歩も譲らない戦いで息を飲んだが、結果はアリウスの勝利だった。


かっこよかったが、ムカつくので、3人でアリウスを無視したら、泣きそうになってたので、ちょっとスッキリ。

可哀想だったかな?

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