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ネフェリア、学園編
悪役令息?
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「あっ!僕次の授業受けないと…失礼します!」
「あっ待てよ!俺も行く!」
バタバタと書類を片して生徒会室を後にする。ネフェリアとアリウス。
笑顔で2人を見送った一同は一旦手元の作業をやめ、ソファへと集まった。
サリファンはネフェリアに代わり、紅茶を準備する。
「例の件はどうだ?」
「かなり回っているようだな。今日、多分ネフェリアも気づいた。」
ヴィヴァリアンの問いに、キリウスは紅茶を一口含み、大きく息を吐きながら答えた。
「キリウス…犯人の調べはついたのか?」
エスティリオは苛立ち、怒りを露わに拳を握りしめる。
「ああ、最初はイザベラ・ヤードと思ったが、流しているのはフィフィル・カトローザだ。」
キリウスはヴィヴァリアンから指示を受け、ネフェリア入学から、近辺の警護を影で行っていた。
婚約騒動のイザベラの件や、ネフェリアに対して良からぬ事を考える輩もいる為、隠密に対処する必要があった。
アリウスらもネフェリアを守る事は出来るが、ネフェリアに気付かれず対処するスキル、学園での権力がまだ足りない為、キリウスが動いているのだ。まあ本人の望みでもあるが。
そこで一つの情報が上がった。
一部生徒から広がった噂。
『ネフェリア・プロントは男を誑かし、影で権力を思い通りに私利私欲に使う魔性の男、悪魔令息だ。』
と、いう内容だ。
なんでも身体を使い、裏で男達を操り、一部生徒を貶め、虐めていると…
そして、生徒会メンバーは彼に騙されている、ネフェリアはインキュバスの生まれ変わりで、生徒会メンバーに魅了をかけているなど…くだらない、幼稚なものだが、ネフェリアの容姿から、それを信じる者もいる様だ。
「私達が騙されていると思うとは…私達もまだまだだな。」
ヴィヴァリアンは顔を顰めてテーブルを指で叩く。
ヴィヴァリアンのイライラしている時の癖だ。
「まあ、確かにネフェリアが身体を許してくれたら…俺、なんでもしちゃうかも…。」
ニヤッと想像したのか、少しいやらしく笑うキリウスをエスティリオは睨みつける。
「ネフェリアに魅了されているのは間違いでは無いがな。…しかし、インキュバスとは…容姿が良すぎるのも問題か?…純真無垢のネフェリアをよく、そんな淫魔に例えられるな。…正直、噂のようにネフェリアが、少しでも性に目覚めてくれればこちらも楽だと言うのに、なかなか難しい…。」
「ヴィヴァリアン様…後半、ご自身の願望ですよ。ネフェリアは天使なのです。変な事を言うのはやめて頂きたい。」
エスティリオはヴィヴァリアン、キリウスを絶対零度の眼差しで射抜く。
「…しかし、ネフェリアが気付く程噂が回り始めたのなら、危険では?カトローザを退学にさせますか?」
カウディリアンの言葉にヴィヴァリアンは首を振る。
「この噂の中、カトローザを退学にしたら、ネフェリアに対しての噂がより真実に近くなる。何かしら、噂を覆す証拠が必要だが、噂だけだと、証拠は難しい。とにかく、ネフェリアの周辺警護と証拠を集めていく。…アリウスにも指示を出したが、暫くはネフェリアを1人にさせるな。今まで以上にな。キリウス、任せたぞ。」
「畏まりました。」
「それと…カトローザはお前に惚れていると思ったが、サリファンにも接触をしてきたらしいな。」
「はい…勉学に対しての質問でしたが…彼は、僕の腕に身体を密着させ、誘うような行動でした。…思い出しても気持ち悪い…」
サリファンは思い出すだけで、不快そうに顔を歪め、触られたであろう腕を摩る。
「ふむ…カトローザは私達の爵位が目的か?…目的が分かるまで、証拠が重要だ。あまり刺激するな。」
「畏まりました。」
サリファンとカウディリアンは頷く。
「さて、私のネフェリアに攻撃するとは…覚悟は出来ているのかな…」
ギラリと光る黄金の瞳にゾッ身体を震わせた。
カトローザ…この国の1番敵にまわしちゃいけない奴を怒らすとは、終わったな…。
キリウスは残りの紅茶を飲み干した。
****
授業を終え、席を立つと、マリックが近付いてきた。
「…ネフェリア、大丈夫か?」
マリックの急な問いに、ネフェリアは首を傾げる。
「えっ?何が?」
マリックは口を開こうとしたが、ネフェリアの背後でアリウスが首を振るのを確認し、全てを理解した。
「…いや、数式…この授業苦手だろ?生徒会の仕事もあるし…。」
「うん、復習しないと…だけどなるべく受けるようにするし、やりがいはあるよ!心配してくれてありがとう!」
にっこり手を振り、クラスを後にした。
Sクラスでは感じないが、廊下を出ると、纏わりつく嫌な視線。やはり、僕を見ているな。
さっきのマリックの様子もおかしかったし、何かあるのだろう。
心臓がバクバクするが、キリウスに言われた通り、前を向いて堂々と歩く。
そして、授業が始まる数分前になり廊下は誰一人居なくなり、ネフェリアは息を吐いた。
緊張のせいか、いつの間にか息を止めていたのだろう。
「お前…かっこいいな。堂々として…さすが筆頭公爵家!」
アリウスがネフェリアの肩を叩く。
ネフェリアはクスッと笑い、首を振る。
「違うよ。前を向き、堂々としろって、キリウス様に言われたんだ。…流石はアゼルド家だよ!」
ネフェリアの言葉に、アリウスは唇を軽く噛んで、拳を握りしめた。
「ネフェリアは…兄上が好きか?」
階段を上る途中、アリウスの言葉にネフェリアは振り向く、一段下にいるアリウスと視線の高さが一緒だ。
一瞬、アリウスの身長の高さに意識が向いてしまい、問いに答えるのが遅れた。
口を開こうとした瞬間、塞がれた。
気付くと、アリウスの唇がネフェリアのと重なっている。
授業開始のチャイムが鳴り響く中、数秒間の優しいキス。
いつものガサツさが嘘のような触れるキスに、ネフェリアの瞳が大きく見開く。
「兄上より…皇子様方、サリファンより…俺を見ろよ…。好きだ。誰にも負けねー…。」
いつものまだ幼さが残る表情とは違い、男を感じさせる真摯な表情に、ネフェリアは息を飲む。
固まるネフェリアにまた優しいキスを落とし、抱きしめた。
「返事はまだいいから、俺のことも考えろよ…ちゃんと。わかったか?」
首を傾げ、顔を覗き込んでくるアリウスに、ネフェリアは言われるがまま、頷いた。
すると、満足気にアリウスは笑い、ネフェリアの手を握りしめて、階段を上る。
アリウスの大きい手に引っ張られながら、ネフェリアね顔は徐々に赤みがかる。
急にあんな顔…ズルい…身長だって…
いつも隣にいた友人の違う一面…
ネフェリアは戸惑いながらも、胸が熱くなるのを感じた。
「あっ待てよ!俺も行く!」
バタバタと書類を片して生徒会室を後にする。ネフェリアとアリウス。
笑顔で2人を見送った一同は一旦手元の作業をやめ、ソファへと集まった。
サリファンはネフェリアに代わり、紅茶を準備する。
「例の件はどうだ?」
「かなり回っているようだな。今日、多分ネフェリアも気づいた。」
ヴィヴァリアンの問いに、キリウスは紅茶を一口含み、大きく息を吐きながら答えた。
「キリウス…犯人の調べはついたのか?」
エスティリオは苛立ち、怒りを露わに拳を握りしめる。
「ああ、最初はイザベラ・ヤードと思ったが、流しているのはフィフィル・カトローザだ。」
キリウスはヴィヴァリアンから指示を受け、ネフェリア入学から、近辺の警護を影で行っていた。
婚約騒動のイザベラの件や、ネフェリアに対して良からぬ事を考える輩もいる為、隠密に対処する必要があった。
アリウスらもネフェリアを守る事は出来るが、ネフェリアに気付かれず対処するスキル、学園での権力がまだ足りない為、キリウスが動いているのだ。まあ本人の望みでもあるが。
そこで一つの情報が上がった。
一部生徒から広がった噂。
『ネフェリア・プロントは男を誑かし、影で権力を思い通りに私利私欲に使う魔性の男、悪魔令息だ。』
と、いう内容だ。
なんでも身体を使い、裏で男達を操り、一部生徒を貶め、虐めていると…
そして、生徒会メンバーは彼に騙されている、ネフェリアはインキュバスの生まれ変わりで、生徒会メンバーに魅了をかけているなど…くだらない、幼稚なものだが、ネフェリアの容姿から、それを信じる者もいる様だ。
「私達が騙されていると思うとは…私達もまだまだだな。」
ヴィヴァリアンは顔を顰めてテーブルを指で叩く。
ヴィヴァリアンのイライラしている時の癖だ。
「まあ、確かにネフェリアが身体を許してくれたら…俺、なんでもしちゃうかも…。」
ニヤッと想像したのか、少しいやらしく笑うキリウスをエスティリオは睨みつける。
「ネフェリアに魅了されているのは間違いでは無いがな。…しかし、インキュバスとは…容姿が良すぎるのも問題か?…純真無垢のネフェリアをよく、そんな淫魔に例えられるな。…正直、噂のようにネフェリアが、少しでも性に目覚めてくれればこちらも楽だと言うのに、なかなか難しい…。」
「ヴィヴァリアン様…後半、ご自身の願望ですよ。ネフェリアは天使なのです。変な事を言うのはやめて頂きたい。」
エスティリオはヴィヴァリアン、キリウスを絶対零度の眼差しで射抜く。
「…しかし、ネフェリアが気付く程噂が回り始めたのなら、危険では?カトローザを退学にさせますか?」
カウディリアンの言葉にヴィヴァリアンは首を振る。
「この噂の中、カトローザを退学にしたら、ネフェリアに対しての噂がより真実に近くなる。何かしら、噂を覆す証拠が必要だが、噂だけだと、証拠は難しい。とにかく、ネフェリアの周辺警護と証拠を集めていく。…アリウスにも指示を出したが、暫くはネフェリアを1人にさせるな。今まで以上にな。キリウス、任せたぞ。」
「畏まりました。」
「それと…カトローザはお前に惚れていると思ったが、サリファンにも接触をしてきたらしいな。」
「はい…勉学に対しての質問でしたが…彼は、僕の腕に身体を密着させ、誘うような行動でした。…思い出しても気持ち悪い…」
サリファンは思い出すだけで、不快そうに顔を歪め、触られたであろう腕を摩る。
「ふむ…カトローザは私達の爵位が目的か?…目的が分かるまで、証拠が重要だ。あまり刺激するな。」
「畏まりました。」
サリファンとカウディリアンは頷く。
「さて、私のネフェリアに攻撃するとは…覚悟は出来ているのかな…」
ギラリと光る黄金の瞳にゾッ身体を震わせた。
カトローザ…この国の1番敵にまわしちゃいけない奴を怒らすとは、終わったな…。
キリウスは残りの紅茶を飲み干した。
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授業を終え、席を立つと、マリックが近付いてきた。
「…ネフェリア、大丈夫か?」
マリックの急な問いに、ネフェリアは首を傾げる。
「えっ?何が?」
マリックは口を開こうとしたが、ネフェリアの背後でアリウスが首を振るのを確認し、全てを理解した。
「…いや、数式…この授業苦手だろ?生徒会の仕事もあるし…。」
「うん、復習しないと…だけどなるべく受けるようにするし、やりがいはあるよ!心配してくれてありがとう!」
にっこり手を振り、クラスを後にした。
Sクラスでは感じないが、廊下を出ると、纏わりつく嫌な視線。やはり、僕を見ているな。
さっきのマリックの様子もおかしかったし、何かあるのだろう。
心臓がバクバクするが、キリウスに言われた通り、前を向いて堂々と歩く。
そして、授業が始まる数分前になり廊下は誰一人居なくなり、ネフェリアは息を吐いた。
緊張のせいか、いつの間にか息を止めていたのだろう。
「お前…かっこいいな。堂々として…さすが筆頭公爵家!」
アリウスがネフェリアの肩を叩く。
ネフェリアはクスッと笑い、首を振る。
「違うよ。前を向き、堂々としろって、キリウス様に言われたんだ。…流石はアゼルド家だよ!」
ネフェリアの言葉に、アリウスは唇を軽く噛んで、拳を握りしめた。
「ネフェリアは…兄上が好きか?」
階段を上る途中、アリウスの言葉にネフェリアは振り向く、一段下にいるアリウスと視線の高さが一緒だ。
一瞬、アリウスの身長の高さに意識が向いてしまい、問いに答えるのが遅れた。
口を開こうとした瞬間、塞がれた。
気付くと、アリウスの唇がネフェリアのと重なっている。
授業開始のチャイムが鳴り響く中、数秒間の優しいキス。
いつものガサツさが嘘のような触れるキスに、ネフェリアの瞳が大きく見開く。
「兄上より…皇子様方、サリファンより…俺を見ろよ…。好きだ。誰にも負けねー…。」
いつものまだ幼さが残る表情とは違い、男を感じさせる真摯な表情に、ネフェリアは息を飲む。
固まるネフェリアにまた優しいキスを落とし、抱きしめた。
「返事はまだいいから、俺のことも考えろよ…ちゃんと。わかったか?」
首を傾げ、顔を覗き込んでくるアリウスに、ネフェリアは言われるがまま、頷いた。
すると、満足気にアリウスは笑い、ネフェリアの手を握りしめて、階段を上る。
アリウスの大きい手に引っ張られながら、ネフェリアね顔は徐々に赤みがかる。
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