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ネフェリア、学園編
ヤード姉弟
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「姉上?」
マリックは昼休み、中庭を見下ろすイザベラを見つけた。
ん?何か持ってる?
声を掛けると不機嫌そうに振り向く。
「今、姉上のクラスに行こうと思ってました。…これ。」
「何よ。」
マリックが取り出したのはヤード家当主からの手紙だった。
「父上が何度も姉上に送ったけど、返答が無いからって僕にきた。…婚約の話だよ。」
ギリッと歯を軋ませ睨む姿に、どこが美人なのかと疑ってしまう。
「見たわよ!!この私が、何故伯爵のに嫁がなきゃいけないのよ!!」
しかも、10個も上なのよ!?
「……仕方ないんじゃない?同等かそれ以上の婚約者はもういないよ。それとも、隣国に行く?」
姉に対して嫌悪感はあったとしても、同情も何も感じない。
鬼の様な表情になっているのは僕が他人事みたいに言うからだろう。
「相手ならいるわよ!!」
姉の声は響く。通る生徒の視線が集まるのに、気にしないのだろうか。
「誰?」
興味がないが、一応父上からの頼まれごとだ。受け取ってもらう為に話を続けるしかない。
「………ヴィヴァリアン様。」
やはり、視線が気にはなったのだろう。先程より小さい声だ。
だが、上げた名前が馬鹿らしくて、笑いそうになるのを堪えた。
「ヴィヴァリアン皇子様には断られただろう。それに婚約しただろう。プロント家次男と。」
ネフェリアと言うと姉に気付かれそうで、家名を使う。
「候補なだけよ!!まだしてないわ!!それに、あんたが仲良くならないからわるいんじゃない!!探れって言ったでしょ!?」
この馬鹿、数分前の視線をもう、忘れてんのかよ!
誰がお前にネフェリアの情報を教えるか!
「皇子様方が囲んでいるんだ無理だろ。」
それにお前の行いのせいで睨まれてるしな。
「使えないやつ!」
お前に言われたくない。
「お父様にはその方と婚約するつもりは無いと言っておいて。」
「行き遅れても知らないよ。」
僕は深く溜息を吐く。
「…必ずヴィヴァリアン様をモノにするわ。…あの方が入れば大丈夫….。」
あの方?
姉上…何を考えてるんだ?
イザベラはもう一度中庭を睨みつけると、不機嫌にその場を去って行った。
僕はイザベラが覗いていた窓を見ると
そこには昼食を楽しむネフェリアと皇子様方と側近が下にいた。
姉上の気持ちは少しわかる。
好きになった人の側に入れない気持ち。
こんな遠くから見つめなければ行けない気持ち。
ただ、姉上と違うのは、僕は好きな人の幸せを願っている。
ネフェリアが笑顔なら…。
ふと窓枠に目が行く。窓枠部分にペンが置いてあった。
何故、こんなとこに?
僕は先程の姉が何か持っていたのを思い出す。
真下のネフェリア…いや、まさかね。皇子様方もいるし。
すると、先生が皇子様達に話しかけている。
呼び出された様だな。
ネフェリアとキリウス様だけか。
2人きりになった途端、腰を自然に抱くキリウス様と、それを当たり前の様にされるがままのネフェリア。
少し前までは、スキンシップから逃げたり、恥ずかしがっていたのに…
僕はキリウス様と自分を重ねる。
ネフェリアの腰を抱くのが僕なら…
あのネフェリアの笑顔を間近で見れたなら…
ハアーと、深く溜息をつき、自分の願望を振り払うように首を振る。
やはり姉弟なのか、諦めが悪い。
ん?あれは…
キリウスとネフェリアに近づく人物に目が奪われた。
あの方は確か、アピア国の…。
ん?…俺今、あの方って言ったか?
マリックはダーウィングをジッと観察する。
すると、ダーウィングのペリドットの瞳がマリックの琥珀色の瞳と絡まる。
あまりの鋭さに身体がビリリと電気が走る。
「マリック!」
急に視線が和らいだと思えば、ネフェリアがこちらに手を振っている。
マリックはネフェリアの笑顔に頬を染めて手をふり返した。
ネフェリアとダーウィングは何か話すと、口元を笑わせて、ダーウィングも手を振る。
先程の瞳が嘘の様にキラキラとペリドットが輝いている。
だが、なんとも言えない不安だけが残る。
少し姉を調べよう…
マリックは昼休み、中庭を見下ろすイザベラを見つけた。
ん?何か持ってる?
声を掛けると不機嫌そうに振り向く。
「今、姉上のクラスに行こうと思ってました。…これ。」
「何よ。」
マリックが取り出したのはヤード家当主からの手紙だった。
「父上が何度も姉上に送ったけど、返答が無いからって僕にきた。…婚約の話だよ。」
ギリッと歯を軋ませ睨む姿に、どこが美人なのかと疑ってしまう。
「見たわよ!!この私が、何故伯爵のに嫁がなきゃいけないのよ!!」
しかも、10個も上なのよ!?
「……仕方ないんじゃない?同等かそれ以上の婚約者はもういないよ。それとも、隣国に行く?」
姉に対して嫌悪感はあったとしても、同情も何も感じない。
鬼の様な表情になっているのは僕が他人事みたいに言うからだろう。
「相手ならいるわよ!!」
姉の声は響く。通る生徒の視線が集まるのに、気にしないのだろうか。
「誰?」
興味がないが、一応父上からの頼まれごとだ。受け取ってもらう為に話を続けるしかない。
「………ヴィヴァリアン様。」
やはり、視線が気にはなったのだろう。先程より小さい声だ。
だが、上げた名前が馬鹿らしくて、笑いそうになるのを堪えた。
「ヴィヴァリアン皇子様には断られただろう。それに婚約しただろう。プロント家次男と。」
ネフェリアと言うと姉に気付かれそうで、家名を使う。
「候補なだけよ!!まだしてないわ!!それに、あんたが仲良くならないからわるいんじゃない!!探れって言ったでしょ!?」
この馬鹿、数分前の視線をもう、忘れてんのかよ!
誰がお前にネフェリアの情報を教えるか!
「皇子様方が囲んでいるんだ無理だろ。」
それにお前の行いのせいで睨まれてるしな。
「使えないやつ!」
お前に言われたくない。
「お父様にはその方と婚約するつもりは無いと言っておいて。」
「行き遅れても知らないよ。」
僕は深く溜息を吐く。
「…必ずヴィヴァリアン様をモノにするわ。…あの方が入れば大丈夫….。」
あの方?
姉上…何を考えてるんだ?
イザベラはもう一度中庭を睨みつけると、不機嫌にその場を去って行った。
僕はイザベラが覗いていた窓を見ると
そこには昼食を楽しむネフェリアと皇子様方と側近が下にいた。
姉上の気持ちは少しわかる。
好きになった人の側に入れない気持ち。
こんな遠くから見つめなければ行けない気持ち。
ただ、姉上と違うのは、僕は好きな人の幸せを願っている。
ネフェリアが笑顔なら…。
ふと窓枠に目が行く。窓枠部分にペンが置いてあった。
何故、こんなとこに?
僕は先程の姉が何か持っていたのを思い出す。
真下のネフェリア…いや、まさかね。皇子様方もいるし。
すると、先生が皇子様達に話しかけている。
呼び出された様だな。
ネフェリアとキリウス様だけか。
2人きりになった途端、腰を自然に抱くキリウス様と、それを当たり前の様にされるがままのネフェリア。
少し前までは、スキンシップから逃げたり、恥ずかしがっていたのに…
僕はキリウス様と自分を重ねる。
ネフェリアの腰を抱くのが僕なら…
あのネフェリアの笑顔を間近で見れたなら…
ハアーと、深く溜息をつき、自分の願望を振り払うように首を振る。
やはり姉弟なのか、諦めが悪い。
ん?あれは…
キリウスとネフェリアに近づく人物に目が奪われた。
あの方は確か、アピア国の…。
ん?…俺今、あの方って言ったか?
マリックはダーウィングをジッと観察する。
すると、ダーウィングのペリドットの瞳がマリックの琥珀色の瞳と絡まる。
あまりの鋭さに身体がビリリと電気が走る。
「マリック!」
急に視線が和らいだと思えば、ネフェリアがこちらに手を振っている。
マリックはネフェリアの笑顔に頬を染めて手をふり返した。
ネフェリアとダーウィングは何か話すと、口元を笑わせて、ダーウィングも手を振る。
先程の瞳が嘘の様にキラキラとペリドットが輝いている。
だが、なんとも言えない不安だけが残る。
少し姉を調べよう…
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