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ギャンブルの種類によってやり方を変えろ!③

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その事で私の人生は全く変わってしまった。
麻雀で生活費を稼いでいた私は麻雀をしなくなったのである。
理由は麻雀は生活費を得る為に仕事としてやっている…という感覚だった。
当時は生活する為に麻雀を打つ。
仕事で打つのだから楽しいとか面白い…とかの感触など一切ない。
高校時代や麻雀を趣味程度でやり始めた頃は喜怒哀楽はもちろんあった。
負ければどうして負けたのだろう…?
どううったら良かったのだろう…?
と毎日考える日々が続いたものだった。
だが、勝つのが当たり前…になってから麻雀という仕事に苦痛を感じるようになったのだ。
しかも頭を使う為、長く麻雀を撃ち続ける事が辛い…と思うようになっていった。

大金を得た日からしばらくの間、私は麻雀を封印したのである。
競馬だけで暮らしていける…とあまりにも浅はかな考えの生活をする様になっていった。
今まで私は100万円以上の金など持った事など一度もない。
故に勝った金をどのように使うか…という計算などしない…というか出来なかったのだ。
当然のようにその金でマンションを借り、車を買った。
当時4万円程度のアパートだったが、小綺麗な2LDKの家賃12万円のマンションを借りた。
カッコ良くもないのにカッコをつけて車もトランザムの新車をもちろん現金で買った。
ただ、私はあまり運転は好きではなかったので新車を買っても車は駐車場に置いて毎日タクシーで動いたのだ。
そんなに酒は強くないのに金があるので毎日飲みに行く。
大金を得てから毎日ギャンブルは続いていた。
主に中央競馬だったが、競輪場や競艇場にも足を運んだ。
だが、大金を得た日から私は全く勝てなくなっていたのである。
本当に全く…。
持っていた2500万円は何と一ヶ月持たずに亡くなって、760万円で買ったトランザムもすぐに650万円で売り払い、その金さえ二ヶ月持たなかったのだ。
もちろんマンションはすぐに引っ越し、安いアパートに戻ってしまったのだ。
2500万円もの金は僅か二ヶ月余りで全てギャンブルで使い切ってしまった私は仕方なく麻雀での生活に戻ることを決意した。
しかし、歯車が狂った生活はなかなか元には戻らない。
麻雀で勝っては競馬で負ける。
それの繰り返しであった。
それでも競馬とかのギャンブルをやめようとは思わなかった。
何故なら、一度ギャンブルで大勝ちした者にしか味わえない高揚感を私は実感してしまったのである。
他の快楽(セックス…等)では到底味わえない快楽だったのだ。
(このままではこれから先ずっと同じ人生を歩むことになる!)
と悟った私はギャンブルを辞めないのであればそのギャンブルで勝つ方法を考えなくてはならい…と思うようになりありとあらゆるギャンブル必勝法の類の本を読み漁ったのであった。
比較的大きな本屋に行くと何冊かのギャンブル必勝法の本が売ってある。
100冊…は少しオーバーだが、20冊以上の本やスポーツ新聞の下側に載っていた当時1万円以上もする予想本、はたまた出目で予想する本…等々あらゆる本を買い漁り試したのだった。
それらの本に書いてあった事はあからさまに嘘であろう…と思われた攻略法であろうとも全て一度は実践してみた。
一度ではわからない…と感じたものは何度も何度も試してみた。
その結果…確かに何度も何度も試していたら当たる事もあった。
しかしトータルの実践で収支が100%を超えた攻略法など存在しなかった。
もっと長く試していれば超えたかもしれなかったが、その攻略法に魅力を感じなかったので僅か一年足らずで他人が考えた攻略法で実践することを辞めることにした。
しかし、その実践のおかげで私は勝てるかもしれない攻略法を考え続ける…という永遠のテーマに挑戦する事を誓ったのであった。
どういう意味か…?
私はどの道ギャンブルを辞める事など出来ない。
出来る筈が無いのだ。
それは私が一番よくわかっている。
どうせ辞めれないのならばギャンブルの収支だけで生活する事を目指すことにしたのだ。
もちろんそれは容易いことでは無かった。

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