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競馬編①

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麻雀の次は競馬である。
前にも書いたのだが、あまりにバカ勝ちした事でしばらくの間…というよりその日から何年間…いや二十年以上競馬で勝つ…という事は無かった。
もちろん毎週のように中央競馬に行っていたからたまには持っていたお金よりも少しは増えた事は無いわけでは無かったが、月トータルすればまずは負けであった事は間違いない。
その間私は何も努力をせずに負け続けた…わけではない。
どうすれば勝てるのか…?
藁にもすがる思いで出版されている必勝法、出目表等を買い漁り全て何度も試してみた。
もちろん偶然にも当たる事はあっ ても、トータルでは当たり前のように勝ち続けることなど出来るはずはなかった。
それでも何とか勝てるやり方はあるはずだ…といろんな方法をやり続けた。
トータルで競馬で負けた金額は軽く億は超えた…。
麻雀で勝っては競馬で負ける。
週末はその繰り返しの日々が続いていたのだ。
私は意を決して競馬をやめようかと何度も考えたのだが、一度バカ勝ちをした記憶を身体が覚えていて週末になるとそのアドレナリンが頭から噴出するのだ。
どうしても辞められないのなら何としてでも勝つ方法を見出さなくては生活をもできなくなってしまう。
どんな方法を取っても…だ!
負ける方法はいくらでもあるのだろうが、トータルで勝つ方法はなかなか見つける事はできないでいたのだ。
その時私はふ…と考えた。
麻雀では負けないのに競馬では何故負けるのか…?
その答えはすぐに出た。
私は勝つために麻雀をやっていた。
どのようにしたら勝てるのか…?
それだけを考えて麻雀を打っていた。
つまり、マシーンになっていたのだ。
確率を考えながらそのシーンに合わせて最高の打ち方をする。
それを続ける事で勝ちに繋がる。
もちろん負ける時もある。
トータルで勝つにはいかに負けを少なくするかであり、勝つ時には大きく勝つ。
それでトータルで勝つのである。
競馬では何故それができなかったのだろう…。
競馬でもアドリナリンなどを求めずにマシーン化しなくてはならない。
ただそれは私に取ってはすごく難しい事だった。
既にアドリナリン中毒に侵されている私にアドリナリンを求めるな…と釘を刺しているのである。
何故アドレナリンを求めてはいけないのか…?
アドレナリンは中途半端な勝ち…とか、少ない金額の勝ち…とかでは頭の中には出てこない。
それは何度も経験している事だ。
アドレナリンを出すにはある程度の金額を勝つ事が最低条件である。
一回ごとにアドレナリンを求めていてはトータルで勝ち続ける事は出来るはずはない。
故にアドレナリンを求めないやり方を遂行することにした。
競馬で勝つには二通りしかない…と私は思っている。
本命で勝つのか何度も当たらなくて良いから大穴(または中穴)を狙うのかのどちらかである。
どちらも買っていては金がいくらあっても足りなくなる。
競馬の当たりは馬連であれ三連単であろうと一つしか無い。
(同着で二通りある事もあるが…)
当たりが一つしか無いのだから一レースを一点で当てるのが一番効率が良い事は誰でもわかる。
一レースに百通り買っても当たりはひとつだが、百レースを1点しか買わなければ同じ金額で百レースできて百レース当たり続ける可能性がある。
現実的にはそんな事は不可能だが、可能性はゼロでは無い。
何が言いたいのか…と言えば出来るだけ買う点数を絞る…のが勝つ近道である事に気づいたのだ。
ただそれだとストレスがたまる。
負け続ける可能性が高いからである。
もちろんアドレナリンなど出る事もほとんどない。
トータルの収支を目指しているのだからストレスとかアドレナリン…などは全く問題外である。
三連単を一点で当たる筈はない…と感じるならば馬連、枠連または単勝でも構わないと思う。
どうしても買いたいのであれば二点買う
…としても良いのではないか…。
あくまでもトータル買った金額の百%以上の支払額であればそれで良いのだ。
大事な事は実践するレースを選ぶ事である。
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