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快適すぎる入院生活
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入院の荷物はとりあえず持っては来ていたが、まさかこうも簡単に入院出来るとは正直思っていなかった。
実際、入院生活は快適だった。
開放病棟は病院の七階にあり、しかも個室だ。
部屋は四畳半くらいで室内にトイレもある。
携帯の持ち込みも自由で朝八時から外泊中で夜の八時半までに帰ればいい。
もちろん冷暖房完備でホテル並みの待遇である。
部屋に風呂はないが、朝十時から夜九時まで自由に使って良い大風呂がある。
しかも風呂は予約すれば一人で自由に入れる。
もちろん人が入った湯は抜いて新しい湯を入れてから入れるのだ。
時間は三十分あるので割とゆっくり湯船に浸かる事ができる。
それで一日の部屋の使用量は二千円である。
一ヶ月いたとしても六万円で生活できるのだ。
もちろん他に食事代や診察代、薬代等の金がかかり、高額医療費の補助があっても一ヶ月十五万円以上はかかる計算だが、保険の給付金さえ入ればそのくらいは痛くない金額であった。
入院予定は一応二ヶ月と医師から言われていたが、任意入院の為自分の意思でいつでも退院は可能だった。
七階の開放病棟は三十ほどの個室があり全室満室だった。
部屋を出てナースセンターを過ぎると患者の何人かがソファでくつろいでいた。
中には若者もいて女性が多い感じがした。
うつ病の患者らしいが、見た目にはうつ病だとは全く見えない人もいたが、心の中までは見えないから他人にはわからない。
現実に私のアルコール依存症も見た目は全くわからない。
実際アルコール依存症ではないのだからわかるはずはないのだ。
当時の医療では似非かどうかなどわかる術はなかった。
だから私も入院出来たのだとその時思ったのだ。
病院の一日は朝八時からの朝食で始まる。
三十人は座れる食事場所で大体座る場所は決まっているようだった。
私は比較的空いている場所に座り食事を取った。
辺りを見渡してみるとやはり女性の数の方が多い。
男性の患者は年配の方が多いようだが、女性は三十代の人もかなりいるように見えた。
朝食を取ると薬をもらいにナースセンターに行く。
アルコール依存症の薬はうつ病の人と比べるとあまり多くないが、やはり薬は苦い為あまり飲みたくはない。
薬を渡す看護婦は私がちゃんと薬を飲むかを確認する。
飲んだのを見て私は部屋に戻る。
あとは昼まで自由時間である。
外出は自由だが、保険の給付金を請求する時に入院してすぐに外出していたら給付金が出ない可能性があるのでしばらくの間は外出外泊は避けるようにと松本からの教えであった。
しかし、精神病院への入院という概念からはまるで違い、自由で気楽な入院ができそうでその点は安心して入院生活を送れそうな気がしていた。
ただ、苦痛がないわけでもなかった。
アルコール依存症という名での入院の為、それに対応する勉強会が週二回、二時間ほどあるのだ。
アルコール依存症という病名からの脱却、つまり酒をいかにして止める事ができるかを自分の口から発表するというミーティングみたいな時間だ。
小さな個室に医師が来て患者は五、六人。
そのミーティングがつまらなくて長く感じる。
それさえ除けば、楽園みたいな病院だったのだ。
なぜ楽園と私が思ったのかと言えば、実は女性の患者の中に割と好みの人がいてその人とフロアに行くと話をする機会があったからである。
その患者は三十前半でショートカットで患者の中ではそんなに暗くない女性だった。
そんなに暗くないという言い方は変かもしれないが、うつ病の患者は基本的に暗い。
あまり明るい感じの患者はいないというのが実情だ。
入って間もなくフロアで一緒になった時に私から話しかけた。
一人でいたのでなんて声をかけようかと思ったが、「こんにちは…」
の一言の方が無視をされてもごまかせるかな…?との軽い気持ちだったのだ。
「こんにちわ!」
気軽にこちらの挨拶に答えてくれたので「僕は昨日入院して何もわからないのでよろしくお願いします!」
と話を持って行ったのだった。
彼女もまだ入院して三日ほどであまり知り合いはいないとの事で「私でわかる事があれば…」
と友達になってくれたのだ。
これで入院生活はそこまで退屈はしないかな…?
との思いはあったのだが、この出会いが大変な事になろうとはその時は知る由もなかった。
実際、入院生活は快適だった。
開放病棟は病院の七階にあり、しかも個室だ。
部屋は四畳半くらいで室内にトイレもある。
携帯の持ち込みも自由で朝八時から外泊中で夜の八時半までに帰ればいい。
もちろん冷暖房完備でホテル並みの待遇である。
部屋に風呂はないが、朝十時から夜九時まで自由に使って良い大風呂がある。
しかも風呂は予約すれば一人で自由に入れる。
もちろん人が入った湯は抜いて新しい湯を入れてから入れるのだ。
時間は三十分あるので割とゆっくり湯船に浸かる事ができる。
それで一日の部屋の使用量は二千円である。
一ヶ月いたとしても六万円で生活できるのだ。
もちろん他に食事代や診察代、薬代等の金がかかり、高額医療費の補助があっても一ヶ月十五万円以上はかかる計算だが、保険の給付金さえ入ればそのくらいは痛くない金額であった。
入院予定は一応二ヶ月と医師から言われていたが、任意入院の為自分の意思でいつでも退院は可能だった。
七階の開放病棟は三十ほどの個室があり全室満室だった。
部屋を出てナースセンターを過ぎると患者の何人かがソファでくつろいでいた。
中には若者もいて女性が多い感じがした。
うつ病の患者らしいが、見た目にはうつ病だとは全く見えない人もいたが、心の中までは見えないから他人にはわからない。
現実に私のアルコール依存症も見た目は全くわからない。
実際アルコール依存症ではないのだからわかるはずはないのだ。
当時の医療では似非かどうかなどわかる術はなかった。
だから私も入院出来たのだとその時思ったのだ。
病院の一日は朝八時からの朝食で始まる。
三十人は座れる食事場所で大体座る場所は決まっているようだった。
私は比較的空いている場所に座り食事を取った。
辺りを見渡してみるとやはり女性の数の方が多い。
男性の患者は年配の方が多いようだが、女性は三十代の人もかなりいるように見えた。
朝食を取ると薬をもらいにナースセンターに行く。
アルコール依存症の薬はうつ病の人と比べるとあまり多くないが、やはり薬は苦い為あまり飲みたくはない。
薬を渡す看護婦は私がちゃんと薬を飲むかを確認する。
飲んだのを見て私は部屋に戻る。
あとは昼まで自由時間である。
外出は自由だが、保険の給付金を請求する時に入院してすぐに外出していたら給付金が出ない可能性があるのでしばらくの間は外出外泊は避けるようにと松本からの教えであった。
しかし、精神病院への入院という概念からはまるで違い、自由で気楽な入院ができそうでその点は安心して入院生活を送れそうな気がしていた。
ただ、苦痛がないわけでもなかった。
アルコール依存症という名での入院の為、それに対応する勉強会が週二回、二時間ほどあるのだ。
アルコール依存症という病名からの脱却、つまり酒をいかにして止める事ができるかを自分の口から発表するというミーティングみたいな時間だ。
小さな個室に医師が来て患者は五、六人。
そのミーティングがつまらなくて長く感じる。
それさえ除けば、楽園みたいな病院だったのだ。
なぜ楽園と私が思ったのかと言えば、実は女性の患者の中に割と好みの人がいてその人とフロアに行くと話をする機会があったからである。
その患者は三十前半でショートカットで患者の中ではそんなに暗くない女性だった。
そんなに暗くないという言い方は変かもしれないが、うつ病の患者は基本的に暗い。
あまり明るい感じの患者はいないというのが実情だ。
入って間もなくフロアで一緒になった時に私から話しかけた。
一人でいたのでなんて声をかけようかと思ったが、「こんにちは…」
の一言の方が無視をされてもごまかせるかな…?との軽い気持ちだったのだ。
「こんにちわ!」
気軽にこちらの挨拶に答えてくれたので「僕は昨日入院して何もわからないのでよろしくお願いします!」
と話を持って行ったのだった。
彼女もまだ入院して三日ほどであまり知り合いはいないとの事で「私でわかる事があれば…」
と友達になってくれたのだ。
これで入院生活はそこまで退屈はしないかな…?
との思いはあったのだが、この出会いが大変な事になろうとはその時は知る由もなかった。
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