噂のギャンブラー

エッ…？

二日連続で出ない事などいくらでもある。
それはデータを見ればすぐにわかる事である。
だが、海斗はこのやり方が最善の方法であると信じて買っているのだ。
信じるものは救われるのか…？

結果を先に言えば、14レース中2レース当たっていた。
高配当になってくれたのか…？
答えは　否であった。
1レースは二着に三番人気、もう1レースも四番人気の馬が入ってきて配当は2レース合わせても回収率は百パーセントには届かなかった。
不完全燃焼である。
だがまたこれはいい方であった。
幾らかでも戻ってくれれば次ができる。
その間に配当が高いのが当たれば月のトータルで生活できる金額を得ることができればいいのであった。
とは言え、今日の競馬は少しでもマイナスであった。
今までみたいに闇雲に夜の競輪に手をだしていけば、十万くらいの金はすぐに溶ける。
海斗はアパートに帰ってデータを見直すことにした。
競馬の一番人気を一着にするやり方は変える必要はない…と自分の中で信じていた。
まだこれからデータを取る必要はあるが、しばらくはこのやり方で通すつもりだった。
競輪は少しお休みすることも考えたが、幾らかでも金を持ったらギャンブルにつぎ込むことしかできない男である。
但し、一日の上限を決めてレースをすることに決めた。
もちろん一番人気を一着に決めて二着を総流しにするやり方である。
競輪の場合はラインで決まらなければ配当がつく時が多い。
海斗は一番人気でも人気買われたときの方が配当は高いことに着目した。
これも当たり前のことである。
競輪の場合は七車が一般的であるが、六車や五車の時もある。
五車の時はやはり配当が安い。
当たり前のことである。
やはり七車でなければある程度の配当にはならないのはデータを見れば一目瞭然だった。
グレードレースの時の九車の時は尚更である。
七車をメインに考えてやはり予想紙の◎を一着に二着は総流し三着に○を買う方が配当も見込める上に当たる確率も▲よりは遥かに高いことがわかった。
「エッ、こんなに違うんだ…！」
と独り言を呟きながら海斗はレースを絞る方法を考えた。
まさか全レースするわけにはいかない。
競馬のように多頭数のゲームではない。
七、七なんだ…。
自分に言い聞かせるようなデータを見る。
そして昨日のレースの予想と結果を…。
やはり◎が一着の割合が多い。
何度も海斗は頷く。
必ずある…！
必ず攻略法はあるんだ…！
何度も繰り返す…
同じ言葉を…。
どうやって絞ればいいんだ…？
携帯電話で昨日のレースのリプレイを全て見てる。
なかなか結論は出ない。