話の闇鍋Ⅲ

紀之介

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まだ決めてない。

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 朝 テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりまであと七日になりました」と言う。

 先にソファに座っていた<彼女>は、テレビからは離れる <僕>の動きを目で追った。

「これ、あなたが担当よね?」

「─ そうなんだ」

「今回は…どうやって人類を滅ぼすの??」

 <彼女>の隣に、<僕>は腰を降ろす。

「──まだ決めてない」

「え?!」

「前の担当者の仕事が…凄すぎるんだよ……」

「確か前回は、大洪水で滅ぼしたんだっけ?」

「あの偉業と比べられると思うと──」

「プレッシャー?」

「今回の滅亡理由は人間のミスにしろって、上から言われてるんだよねぇ」

「何で?」

「発端が、前回のと同じ<神の怒り>だと…芸がないからって。。。」

----------

「ねえ。核戦争とかは、どう?」

 脚を組んだ<彼女>背中が、ソファにもたれ掛かる。

「これなら、人類の責任でしょ?」

「でも…昨今では、世界を滅ぼす規模で 核を撃ち合う必然性が」

「そんなの、あなたが上手い事──」

「人界への工作は、最小限度に留めろって上から言われてるし」

「大変ねぇ。そんな事まで 考慮しないといけないんだぁ」

----------

「ぶっちゃけ…あと七日で、世界を終わらす都合 つくの?」

 <僕>は、天井を見上げる。

「無理かも」

 指で、<彼女>は自分の鼻の頭を擦った。

「私の友達が、ハルマゲドンの担当なんだけど──」

「?」

「…部署内で、ぼちぼちやるべきじゃないかって話があるんだって」

「え?!」

「持ちかけてみたら? コ・ラ・ボ♪」

「うーん」

「それだと、<人類由来>の言う条件は満たせないけど…そもそも滅亡が出来ないよりは マシでしょ?」

「─ 確かに」

「じゃあ早速、友達と連絡を取らないとだね」

「── この件が片付いたら、何か埋め合わせするよ」

「楽しみにしてるわ♡」

----------

 七日後。

 人類世界は、ハルマゲドンに巻き込まれて滅亡した。。。
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