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しおりを挟むだれも、わかってくれない。
おにいちゃんにも、きっとわからない。
わたしがどんなに苦しいのか。
だれも
だれも。
わかるはずがないって、思っていたの。
だけどね、もしかしたらって思ったの。
会ってみたい。
とっても。
焦がれて見つめた扉の窓に、人影が写る。
ノックに返事をしたら、かちゃりと音を立てて鍵が解かれる。
ゆっくりと、扉が開く。
いつもと同じように、看護師とおにいちゃんが入ってくる。
でもいつもと同じじゃないのは、その後ろでもじもじしている知らない女の子。
キラキラした虹のかけらを連れて、いつもとは違う消毒液の匂いを含んだ新しい風を連れて、入ってきた女の子を一目見て、ざわざわって血が踊るみたいに騒いだ。
はじめまして。
きてくれてありがとう。
うれしい。
うれしい!
心が、そう、叫んでいた。
―完―
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読んでいて、ポロポロと涙が止まりませんでした。
なぜなら、今回、ライト小説大賞に応募した
作品を書く切っ掛けが、仲良しにしていた男の子が
発達障害で精神病院に通っている事をカミングアウトしたために、
差別されて小説を書くのをやめてしまった事だったからです。
こういう作品は絶対ないといけないです。
ぜひ、続けて書いてください。続きが読みたいです!