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番外編-2

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結局私は強制的に布団を撤去され起きざるをえなくなった。

パジャマを着替えながら、窓ガラスを濡らす水滴にため息をついた。

今日は1日雨予報。
つまり、今日は1日中憂鬱だ。


私は雨が大嫌い。

だって服は濡れて汚れるし、車は当然のように水溜りを通行して水をはねさせるし。
もちろんお外でなんて遊べないし。
湿気でむしむしして気持ち悪いし。
雨の音だってうるさい!

ほら、あげだしたらキリがない。

こんな雨のどこを好きになれっていうの。


その夜。


「ただいまー」

いつもより少し遅い時間に帰宅したお父さん。


「おかえりなさい。
今日は遅かったのね。
って、その手に持ってるのどうしたの?」

「これ?これは…真由ー!」


お父さんが玄関で私の名前を呼ぶ。


そのとき私は中でチラシの裏に落書きをしていたところだった。

中に入ってくればいいのにわざわざなんだろうと、私は手に持っていたクレヨンを置いて玄関に向かった。
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