素直になれなくて-吉哉の場合-

吉野ゆき

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季節は巡り、今日から俺も3年生。
うちの学校はクラスが成績順
になっているので、学年が変わってもほとんどが同じ顔だ。

なので特になにかが変わるわけでもないが、やっぱり少し新鮮な気分になる。

ガラにもなく感傷に浸りながら、満開の桜の下、心地よく吹く風を受け、校舎へと足を進める。



「先輩!」


…いや、やっぱり変わったか。


振り向くと、そこにはピカピカの制服に包まれた鈴原の姿があった。


そう、鈴原は奇跡的にこの学校に受かったのだ。


「お前、本当に受かったんだな」

「先輩ほんとに失礼ですよね。合格発表の番号まで確認しておいて」

確かに、一人では見れないという鈴原に付いて番号の確認をしたのだが、未だに信じられない。
それくらい鈴原の成績はひどかった。

でも、こうやって制服姿を見て、やっと本当だと実感する。

「まあ、先輩が勉強見てくれたおかげもあるから許してあげますけど!」

「何をえらそうに」


くだらない話をしながら、俺たちは一緒になって校舎へ向かう。


教室へ入ると、いきなり男女数人に囲まれた。

「有原君、さっき一緒にいた子、彼女?」

聞いてきたのは女だけど、男の方が知りたいって目してる。
鈴原、モテんじゃん。

「違うよ。ただの友達」

そう言って自分の席に着く。



なのに、

『有原君と朝の1年の子、付き合ってるんだって』


放課後にはこんな噂が広まった。


違うって言ってるのに。
自分たちの中で答えが決まってるなら最初から聞くなよ。

ため息をつきながら好奇の目を避けるように教室を後にした。
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