大切なもの

吉野ゆき

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ドアの開く音。




どこの?








――――――オレの部屋!!





「美月ッ!!」

思わず叫んで走った。


「えっ!?なに?」


目の前には驚いた美月の顔。

美月…本当に美月だ!


ガバッ!

「わっ!?ちょっ…」


オレは思い切り美月を抱きしめた。


「美月…よかった……」


「ケイ?どうしたの。
泣いてるの…?」

「どうしたのってお前…」


「だいたい今まで、どこにいたんだよ」

オレの質問に美月は目をパチクリして答えた。


「どこって仕事でアメリカにいたけど」


――――――は?
今なん…仕事??アメリカ???

今度はオレが目を丸くする番だった。


「やぁっぱり聞いてなかった!
あたしちゃんと行く前にケイに言ったよ!?
誰かサンは曲作りに夢中でしたからねぇ」


あっ!あのとき!!
……ホントにオレって…。


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