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経過良好

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ネットカフェの個室に入り、硬いイスに腰を下ろす。

すると、すぐにユリから電話がかかってきた。

「譲?終わったよ。
次は一緒に買い物できる所に行こう?」

「あー、3時間で入っちゃったから適当に買い物してて」

「…そっか、わかった。
出たら教えて?」


ユリはそう言って電話を切り、何も文句を言わなかった。

普通なら勝手だって怒るんだろうけど。
さすが俺のお人形。


俺は手に持っていた流行の漫画本をペラリとめくり、その世界へと入っていった。


結局俺は、その漫画本を全巻読み終わるまで延長した。

気づけばもう陽が沈みかけている。


やばい、高級ディナーは行かなくちゃいけないからな。

ネットカフェを出ると、ポケットからケータイを取り出し電源を入れた。


新着メールが1件。

開くとそれはユリからだった。



―――――――――――
FROM 広野ユリ
5/25 4:32

譲、3時間経ったけど、
まだ終わらない?

電話繋がらないから…
連絡待ってます。

―――――――――――


俺はメールを閉じると、ユリに電話をかける。


「もしもし、譲!?」

電話はコール音もなくすぐにユリに繋がった。
それはユリがずっと俺からの電話を待っていたことを物語っていた。


「今終わった。待たせて悪かったな。
今からそっち行くからご飯行こうぜ」

一呼吸おいて、嬉しそうな声が返ってきた。

「うん!じゃあさっきの所で待ってるね」


本当によくできたお人形だ。

俺は口元を吊り上げパタンとケータイを閉じた。
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