素直になれなくて

吉野ゆき

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新しい朝

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―――――朝。


「ん…」

まだ外が薄暗い中、私は目を覚ました。


時計を見ると4時ちょうどを指している。

「やだっ遅刻…!!」

ガバッと勢いよく起き上がってから、ハッとする。

「あ…、もう行かなくていいんだった…」


結婚前まで朝方はコンビニのバイトが入っていたのだ。
習慣てこわい。


私はまた寝転がり布団をかぶる。


2度寝が出来るなんて、なんて幸せだろう…。



ピピピッピピピッ

今度は規則正しい目覚まし時計の音で目が覚める。

私はのそのそと起き上がり、食事の支度に向かった。



パカッ

冷蔵庫を開けると、見事にカラ。


今日は買い出しに行かなくちゃな。


でも材料がないのには慣れっこの私。

必要最低限しかない冷蔵庫の中から質素な朝ごはんをこしらえた。

目玉焼き
ごはん
ワカメのお味噌汁
あとは家から持ってきた漬物をだしてっと…。


テーブルに料理を用意して眺める。

「うん、朝食OK!」

確かに質素ではあるけど、前に聞いていた吉哉さん好みに黄身を半熟に仕上げた目玉焼き。
キッチンに広がる炊き立てのごはんと味噌汁の匂い。
その中に並んだ2人分の茶碗がうれしかった。
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