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一章
一筋の希望
しおりを挟むギラギラ と温かい太陽が僕らを照っている
公園のベンチに男と女の二人のかげが、 チョコン と腰をかけている。
「おごってもらってすいません-」申し訳なさそうに上目遣いで覗き込んでくる。
「いえ、こっちも財布に100円しか入ってなくて、水ですいません。」
「ほんとにありがとうございました-」
【この人語尾を伸ばす癖があるんだなー、なんか引っかかるなこの人・・・あ、そうだ】
「名前、なんて言うんですか?」
「あ、私ですか?私は神堂といいます-」
「!?ししししし、神堂・・・さん?」
「え-?あ-、はい-、神堂っていいます-・・・?」
【い、いや待てよ、性別違うしさっきの人とは別人物か。びっくりした】
「どうかしたんですか-?」 キョトン とした顔でこちらを見てくる。
「あ、いえごめんなさい・・・人違いです。そ、そういえば何であんなとこで倒れてたんですか?」【やけに取り乱しちゃったな、なに考えてんだか。】と考えながら返答をしていると
「あ"ーーーー-!!」そう言うと、彼女は ガバッ と立ち上がった。
「そうだ-!兄ちゃん-!馬鹿兄貴-!!」
温かかった太陽は照らし飽きたかのように色を変え夜が近づいたことを冷たく知らせていた
「馬鹿兄貴-!!!」
彼女はそう叫んだ。あまりにもとっさの出来事に驚いた。
「そういえばさっき-、神堂って言ったら反応してましたよね-!」 キラキラ と圧迫感溢れる目でそう問われた。
【うわー、面倒くさそう・・・】とりあえず苦笑で返した。
「もしかして-・・・その-・・・どっかで馬鹿兄貴に会ったんですか-?」
「いやー?そ、その~・・・・・・」
「馬鹿兄貴-、どこで何をしてたんですか-!?」ほほを プクーッ と膨らませ、 プリプリ と怒っている。
【う、・・・・・・流石に知らない家でユウレイしてた・・・なんて言えねぇ!】
「・・・え~っと、その、・・・・・・そうだ!歩いてたら一瞬見かけて・・・ぶつかった拍子に名刺が落ちて拾ってあげたときちょっと見えちゃったんですよ」【よし!我ながらナイス言い逃れ!といえど、深く聞かれたら答えられないので話をそらそう!】
「でも、何でその、お兄ちゃん?を探してるの?」
苦い顔をして語る、「えっと~-、その-・・・兄貴が昨日の夜からず~っと居ないくて-・・・。」
「そ、そうなんだー」【そりゃそうだな、だって今絶賛幽霊中だもんな・・・】
「よしゃ!俺も手伝うよ!」
「え-?」
「兄ちゃん探してんだろ!?」
「はい-」
「だったら俺も探すよ!ようあるし」
「ほんと-?ありがとう-!!」 ニコー と可愛らしい笑顔で微笑んでくる
「良いってもんよ!」 ニカッ と笑って返す
「そうだ-、今日は遅いし泊まっていけば-?」真剣な表情で言ってくる・・・正気か!
「いや、親御さんも居るだろうし」
「ううん、兄貴と二人暮らし。」
「え・・・そうなの??」
「ちょっと事情があってね-」
「じゃあ泊まらせてもらおうかな」【あの、神堂さんも来るかもしれないし】
「ちょっと待って-、7時30分ぐらいに来て-」
「分かった!」
気がつくとため口になっていた
「はぁ、今日は色々あって疲れたな」
いつの間にか手に大量のビールがあった。うわー、お酒って怖いなー(笑)
この日の記憶はここで終わった。
「ごめんね」
くらい夜道に一人の声が響いた。
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