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第13章 それぞれの対馬。
第1話 真実としての対馬
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定山渓第1雅ホテルの最上階、きよし達が入ったスイートルームの一室。
上質な信楽焼きのマグカップでコーヒーや紅茶をすすりながら、歓談するジェシカや愛子たち。
そのスィートルームから突然、驚きの声が聞こえて来た。
(( えーっ!マジーっ!))
(( ウソーっ!))
廊下で様々な準備をしているホテルスタッフが、その驚きの声に手を止めてから、再びニコニコしながら準備を始めた。
「えー!なんでぇ愛~、今頃~っもう。愛っー!何で今~っ。教えるかなーっ!」
「このほぼ、ほぼ半年以上、4人の不思議話っ!あの青タンのパンダあざ。パンダ犯は愛だったのねー!」
「毎日、学校で顔合わせるのに、どうして今頃なのかなー、もう愛っ。あっ!またプイッて横向いて。コラッ愛っ!」
「ふんっ。プイッ。」
カップを持って、プイッと横を向いたままの布村愛子だった。
「へぇーパンダ隊長のパンダたる由来。最初に青タン作ったの愛ちゃんだったのね。うふふっ。」
腕を回して、きよしの右目をさするジェシカ。
その反対側にいるオディアが自分の鼻をきよしの顔にくっつけて、きよしの右の目をジーと見て、指できよしのまぶたを無理に上下に開いたり閉じたりしていた。
オディアにされるがままにさせて、気にせずコーヒーをすするきよし。
チラチラッと正面の3人を見ながらコーヒーをすする佐藤結衣たち。
「なんだ、愛か~。でも、きよしさん、良く我慢してたね~。私達に会ったのはその次の日の夜だよね~。鮮やかな青タン。」
「いや~結衣ちゃん。めっちゃ痛かった。ホントにガンガン病んでた。それもそのはず、愛ちゃんって剣道部の主将だったんだ。今年の春の高体連、北海道、個人で優勝かぁ。本当にスンゴイべさ。凄いっ!全然知らなかった。へぇ~!」
腕を組んで感心するジェシカ。
「剣道部のキャプテンの強烈な突き。木の枝で突かれるって、きよちゃんの頭蓋骨、3箇所ヒビはいってたのよね。うふふっ。眼底は骨折してたみたいだし。」
( えーっ!骨折って! )
「なんだか、眼底の剥離骨折って。かあちゃん言ってたべさ。目の下の骨、欠けたらしいって。」
また、右の眼の上をさするジェシカ。
そのジェシカの指を持って、眼底のコリコリを教えるきよし。
「な、コレ。まだ、コリコリしてるっしょ!ハハハハッ。」
佐藤結衣もコーヒーカップを置いてから、中腰でテーブル向かいのきよしの眼底を指で触って、一緒に自分の眼底も触って比べた。
「え、え、これかぁ。コリコリって。えーっ。」
腕組をして椅子に深く座る結衣。
シミジミと語り始めた。
「愛子がパンダ隊長のアザ作ったんですね~って、ホント知らなかった。そうなんですか~。麗子も絵里、サッチーも知らなかったよね~。夏休みが終わって教室でさ、愛から(パンダ隊長。3日間、太ももの大腿骨が骨折?ヒビ入ったまま戦った)と聞いた時、さすが全員ビックリしましたけどぉ。愛の剣道の突きで目の周りヒビ、入ってたんですねぇ。ましてや、頭蓋骨の剥離骨折かぁ。また今日ビックリしました。愛につい最近まで、あのパンダ青タンなんで出来たか、本当は知ってるでしょうと、聞いても知らんプリするし。あっ!ほらまたぁ、愛っ!」
プイッと横を向いて、また知らんプリする布村。
「でもぉパンダ隊長ってどうゆう人なんですかぁ。」
「やっぱり軍人さんって我慢強いんですかね~。」
「いや、いやたまたま、僕ぁ、なんというかぁ。」
直ぐに自分の話題から反らそうとするきよし。
「あっ……でも布村さん1つの事やり続けるなんてスゴい人と思う。高体連で1番取るって。凄いと思うよ。ホント。僕なんか、いつも中途半端でぇさっ。」
「パンダ隊長に言われるとホント、光栄です。照れます~。有難うございます。でも……今さらながらごめんなさい。でも、対馬を経験したからかなぁ。スポーツって所詮、遊びですから。プロスポーツとかって平和の中で成立するって最近、良く思います。精神力を高めるのなら武道は別ですけどぉ。でも地上波のスポーツ番組やニュース見るとシラケてチャンネル変えます。だから、剣道もこれで、もう辞めました。次は大学受かったら、銃剣術と古武道を習います。新格闘って言うのかなぁ。フフッ。」
顔を見合わせる、オディア、きよし、ジェシカだった。続けて話す愛子。
「父親に悪いけど、昼のゴルフ番組、ソファーで寝ころがって見てる父親見ると、バッカじゃないの~みたいな。あははっ。全ての私の考えっていうか、変わったなぁって。……パンダ隊長と自衛隊の美紀さんと3人で、沢山の同じくらいの年の女の子や、敵の兵隊さん、お爺ちゃん。お婆ちゃんや、赤ちゃんのご遺体の処理をさせて頂いたりとか……。」
( えぇ~!ご遺体の処理って! )
愛子を見て驚く4人の少女。青タンの原因に続いて、少女は初めて聞いたのだった。
きよしと目が合う愛子。
きよしも、愛子も黙ってコーヒーをすすった。
「何、何、愛っ、パンダ隊長達とそんな事もしたの?初めて聞いた。ご遺体の処理って。」
うなずく4人の少女。
そして、驚いた目を合わせた。
ジェシカは対馬基地の数ある戦況レポートで吉田1陸士の奥様、吉田美紀2等陸尉の戦闘詳報を読んで知っていた。
その時、3人で市民28名のご遺体、敵兵41名の遺体の処理の報告があり、知っていたのだった。
それだけではない。
夏休みが終わった後、きよしはきよしで、愛子は愛子で個別に、ご遺体の写真を元に画像検証の為、札幌の検察に何度か呼ばれたのだ。
2人にはかなりつらい記憶となっていたのだった。
上質な信楽焼きのマグカップでコーヒーや紅茶をすすりながら、歓談するジェシカや愛子たち。
そのスィートルームから突然、驚きの声が聞こえて来た。
(( えーっ!マジーっ!))
(( ウソーっ!))
廊下で様々な準備をしているホテルスタッフが、その驚きの声に手を止めてから、再びニコニコしながら準備を始めた。
「えー!なんでぇ愛~、今頃~っもう。愛っー!何で今~っ。教えるかなーっ!」
「このほぼ、ほぼ半年以上、4人の不思議話っ!あの青タンのパンダあざ。パンダ犯は愛だったのねー!」
「毎日、学校で顔合わせるのに、どうして今頃なのかなー、もう愛っ。あっ!またプイッて横向いて。コラッ愛っ!」
「ふんっ。プイッ。」
カップを持って、プイッと横を向いたままの布村愛子だった。
「へぇーパンダ隊長のパンダたる由来。最初に青タン作ったの愛ちゃんだったのね。うふふっ。」
腕を回して、きよしの右目をさするジェシカ。
その反対側にいるオディアが自分の鼻をきよしの顔にくっつけて、きよしの右の目をジーと見て、指できよしのまぶたを無理に上下に開いたり閉じたりしていた。
オディアにされるがままにさせて、気にせずコーヒーをすするきよし。
チラチラッと正面の3人を見ながらコーヒーをすする佐藤結衣たち。
「なんだ、愛か~。でも、きよしさん、良く我慢してたね~。私達に会ったのはその次の日の夜だよね~。鮮やかな青タン。」
「いや~結衣ちゃん。めっちゃ痛かった。ホントにガンガン病んでた。それもそのはず、愛ちゃんって剣道部の主将だったんだ。今年の春の高体連、北海道、個人で優勝かぁ。本当にスンゴイべさ。凄いっ!全然知らなかった。へぇ~!」
腕を組んで感心するジェシカ。
「剣道部のキャプテンの強烈な突き。木の枝で突かれるって、きよちゃんの頭蓋骨、3箇所ヒビはいってたのよね。うふふっ。眼底は骨折してたみたいだし。」
( えーっ!骨折って! )
「なんだか、眼底の剥離骨折って。かあちゃん言ってたべさ。目の下の骨、欠けたらしいって。」
また、右の眼の上をさするジェシカ。
そのジェシカの指を持って、眼底のコリコリを教えるきよし。
「な、コレ。まだ、コリコリしてるっしょ!ハハハハッ。」
佐藤結衣もコーヒーカップを置いてから、中腰でテーブル向かいのきよしの眼底を指で触って、一緒に自分の眼底も触って比べた。
「え、え、これかぁ。コリコリって。えーっ。」
腕組をして椅子に深く座る結衣。
シミジミと語り始めた。
「愛子がパンダ隊長のアザ作ったんですね~って、ホント知らなかった。そうなんですか~。麗子も絵里、サッチーも知らなかったよね~。夏休みが終わって教室でさ、愛から(パンダ隊長。3日間、太ももの大腿骨が骨折?ヒビ入ったまま戦った)と聞いた時、さすが全員ビックリしましたけどぉ。愛の剣道の突きで目の周りヒビ、入ってたんですねぇ。ましてや、頭蓋骨の剥離骨折かぁ。また今日ビックリしました。愛につい最近まで、あのパンダ青タンなんで出来たか、本当は知ってるでしょうと、聞いても知らんプリするし。あっ!ほらまたぁ、愛っ!」
プイッと横を向いて、また知らんプリする布村。
「でもぉパンダ隊長ってどうゆう人なんですかぁ。」
「やっぱり軍人さんって我慢強いんですかね~。」
「いや、いやたまたま、僕ぁ、なんというかぁ。」
直ぐに自分の話題から反らそうとするきよし。
「あっ……でも布村さん1つの事やり続けるなんてスゴい人と思う。高体連で1番取るって。凄いと思うよ。ホント。僕なんか、いつも中途半端でぇさっ。」
「パンダ隊長に言われるとホント、光栄です。照れます~。有難うございます。でも……今さらながらごめんなさい。でも、対馬を経験したからかなぁ。スポーツって所詮、遊びですから。プロスポーツとかって平和の中で成立するって最近、良く思います。精神力を高めるのなら武道は別ですけどぉ。でも地上波のスポーツ番組やニュース見るとシラケてチャンネル変えます。だから、剣道もこれで、もう辞めました。次は大学受かったら、銃剣術と古武道を習います。新格闘って言うのかなぁ。フフッ。」
顔を見合わせる、オディア、きよし、ジェシカだった。続けて話す愛子。
「父親に悪いけど、昼のゴルフ番組、ソファーで寝ころがって見てる父親見ると、バッカじゃないの~みたいな。あははっ。全ての私の考えっていうか、変わったなぁって。……パンダ隊長と自衛隊の美紀さんと3人で、沢山の同じくらいの年の女の子や、敵の兵隊さん、お爺ちゃん。お婆ちゃんや、赤ちゃんのご遺体の処理をさせて頂いたりとか……。」
( えぇ~!ご遺体の処理って! )
愛子を見て驚く4人の少女。青タンの原因に続いて、少女は初めて聞いたのだった。
きよしと目が合う愛子。
きよしも、愛子も黙ってコーヒーをすすった。
「何、何、愛っ、パンダ隊長達とそんな事もしたの?初めて聞いた。ご遺体の処理って。」
うなずく4人の少女。
そして、驚いた目を合わせた。
ジェシカは対馬基地の数ある戦況レポートで吉田1陸士の奥様、吉田美紀2等陸尉の戦闘詳報を読んで知っていた。
その時、3人で市民28名のご遺体、敵兵41名の遺体の処理の報告があり、知っていたのだった。
それだけではない。
夏休みが終わった後、きよしはきよしで、愛子は愛子で個別に、ご遺体の写真を元に画像検証の為、札幌の検察に何度か呼ばれたのだ。
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