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第9章 バトル・オブ・苫小牧。激突!バルトッシュ中隊。
第4話 しがらみの中の最前線。
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ブロンシュの核融合電池の円筒のアッセンブリーが後ろに後退し、余剰冷却ガスを宇宙空間に放出した。
( ブシュー。 )
ブロンシュにはそんな核融合アッセンブリーが、あと3基もあるのだ。
そして、再セットされる核融合アッセンブリーの円筒部。
次弾の発射準備も引き続き完了したのだ。
監視・攻撃母衛星基地のシーラス2ボーチャンの球形司令室。
フランス宙軍側のコンソールエリアの後ろに浮かんでいる清水日本国宙軍中尉。
清水が次弾準備完了の合図を、真上の鈴木と木村のいる日本国宙軍側で浮かんでいるソフノフスカへ知らせた。
「司令、キャブ砲。次弾準備完了しました。」
「よろしい、清水。」
厳しい表情をしたままのソフノフスカ司令。
御舩へ報告する。
「御舩閣下?キャブ砲、次弾発射準備完了。いつでも行けます。効果は敵司令を除くWALKER部隊のみです。敵現場指揮官以外、WALKERの対HARMOR部隊、全数殲滅しました。倒れている敵、現場指揮官の苗小校はいかがされますか。」
「よろしい、有難うソフノフスカ長官。前線の指揮官はそのまま寝かせておけ。あとは待機を頼む。それで、長官。敵、楊司令官は?」
「打ち漏らしました。もう一度、ピンポイントで狙いますか?」
「いや、すまんが捕虜にしたい。聞きたいこともある。まぁ、その、寝ころがってる現地指揮官も。」
「了解しました。では、後処理は内方中佐で?」
喉のインカムを押さえたまま、無言で下を向くソフノフスカ司令。
「そうだ、今、彼は作戦行動後でウィスキー(潜水母艦の「わたつみ」)の自室で休んでいると思うが、もし彼女(楊司令)を撃ち漏らしたのなら、敵が苫小牧一時占領された場合だけ、内方チームに確保してほしい。その時、作戦立案と実行編成は彼(内方はじめ)に任せる。桐生君?シーエアラー(スサノオ)の全権を彼(内方はじめ)に委譲。シーエアラーの田中司令に秘匿通信。内方チームが向かうと。(はい。了解しました。)要人確保は、オリジナル・ペンタゴンのOPPISTからの司令だ。気になる事がある。しかしだ。戦場は生き物だ。状況次第の命令だ。」
渋い顔をして1人でつぶやくように言う御舩。
「いくらオリジナル・ペンタゴンの戦略のベクトル上とはいえ、苫小牧市などの北海道の市町村の占領予想前提の作戦とは凶器の沙汰だ。全く。」
一瞬、考えてオペレーションルームを見渡す御舩だった。
「今は、あくまでも現地の戦果が最優先だ。敵の殲滅が最優先だ。」
( はいっ! )
少し笑顔で一緒に答える桐生と岡島の両名だった。
そんな御舩の通信を聞きながら、一瞬考えて答えるソフノフスカ長官。
「……はい、では、ウィスキー(わだつみ)へ、わたしから内方中佐に司令を送りますか。」
「そうだな。戦闘権が絡む。参謀本部司令形式で頼む。」
「はい。引き続き、カバーを致します。ただ、閣下。苫小牧が白兵戦になった場合は国連陸戦要綱通り待機します。戦闘状況次第では、敵の楊司令官や苗小校も確保出来ない場合があります。」
「それは、それで構わん。戦況優先だ。」
「了解しました、閣下。」
また渋い顔になる御舩だった。
4年前にロシアの第2次ウクライナ進行が始まった時、ロシア軍とウクライナ・ポーランド共同戦線と乱戦・白兵戦になった。
その時、ロシア側は新型気化爆弾(大量破壊兵器)のオヴブ-3の巡航ミサイルで攻撃。
敵味方共に数千人の死傷者を出した事があった。
その惨事を受けて、戦闘当事国とNATO軍は世界中から非難を受けたのだ。
それを国連が仲裁。
緊急国連総会で新たに国連要綱を作った。
白兵戦および市街地、近接戦闘での大量破壊兵器の使用は禁止となったのだ。もちろん、強力なレーザー兵器も含まれた。
その要綱通りで、大多数の白兵戦などゼロ距離戦術行動を取る限り、衛星空間からの使用はこの会戦では一切使用できないのだ。
ソフノフスカはその事を言っていたのだ。
しかし、実際の戦場。
それも敵、味方が対峙する前線の戦場だった。
もちろん衛星からの強力な破壊兵器、重量子レーザーは浜辺に陣を構える楊司令をも襲っていた。
( ブシュー。 )
ブロンシュにはそんな核融合アッセンブリーが、あと3基もあるのだ。
そして、再セットされる核融合アッセンブリーの円筒部。
次弾の発射準備も引き続き完了したのだ。
監視・攻撃母衛星基地のシーラス2ボーチャンの球形司令室。
フランス宙軍側のコンソールエリアの後ろに浮かんでいる清水日本国宙軍中尉。
清水が次弾準備完了の合図を、真上の鈴木と木村のいる日本国宙軍側で浮かんでいるソフノフスカへ知らせた。
「司令、キャブ砲。次弾準備完了しました。」
「よろしい、清水。」
厳しい表情をしたままのソフノフスカ司令。
御舩へ報告する。
「御舩閣下?キャブ砲、次弾発射準備完了。いつでも行けます。効果は敵司令を除くWALKER部隊のみです。敵現場指揮官以外、WALKERの対HARMOR部隊、全数殲滅しました。倒れている敵、現場指揮官の苗小校はいかがされますか。」
「よろしい、有難うソフノフスカ長官。前線の指揮官はそのまま寝かせておけ。あとは待機を頼む。それで、長官。敵、楊司令官は?」
「打ち漏らしました。もう一度、ピンポイントで狙いますか?」
「いや、すまんが捕虜にしたい。聞きたいこともある。まぁ、その、寝ころがってる現地指揮官も。」
「了解しました。では、後処理は内方中佐で?」
喉のインカムを押さえたまま、無言で下を向くソフノフスカ司令。
「そうだ、今、彼は作戦行動後でウィスキー(潜水母艦の「わたつみ」)の自室で休んでいると思うが、もし彼女(楊司令)を撃ち漏らしたのなら、敵が苫小牧一時占領された場合だけ、内方チームに確保してほしい。その時、作戦立案と実行編成は彼(内方はじめ)に任せる。桐生君?シーエアラー(スサノオ)の全権を彼(内方はじめ)に委譲。シーエアラーの田中司令に秘匿通信。内方チームが向かうと。(はい。了解しました。)要人確保は、オリジナル・ペンタゴンのOPPISTからの司令だ。気になる事がある。しかしだ。戦場は生き物だ。状況次第の命令だ。」
渋い顔をして1人でつぶやくように言う御舩。
「いくらオリジナル・ペンタゴンの戦略のベクトル上とはいえ、苫小牧市などの北海道の市町村の占領予想前提の作戦とは凶器の沙汰だ。全く。」
一瞬、考えてオペレーションルームを見渡す御舩だった。
「今は、あくまでも現地の戦果が最優先だ。敵の殲滅が最優先だ。」
( はいっ! )
少し笑顔で一緒に答える桐生と岡島の両名だった。
そんな御舩の通信を聞きながら、一瞬考えて答えるソフノフスカ長官。
「……はい、では、ウィスキー(わだつみ)へ、わたしから内方中佐に司令を送りますか。」
「そうだな。戦闘権が絡む。参謀本部司令形式で頼む。」
「はい。引き続き、カバーを致します。ただ、閣下。苫小牧が白兵戦になった場合は国連陸戦要綱通り待機します。戦闘状況次第では、敵の楊司令官や苗小校も確保出来ない場合があります。」
「それは、それで構わん。戦況優先だ。」
「了解しました、閣下。」
また渋い顔になる御舩だった。
4年前にロシアの第2次ウクライナ進行が始まった時、ロシア軍とウクライナ・ポーランド共同戦線と乱戦・白兵戦になった。
その時、ロシア側は新型気化爆弾(大量破壊兵器)のオヴブ-3の巡航ミサイルで攻撃。
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ソフノフスカはその事を言っていたのだ。
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