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第11話、エルフの聖域
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今日も学校があったけれど、相変わらずだった。
ルイーゼは学年の女王様として君臨しているし、非の打ち所がないというか。カリスマ性があってみんな彼女の真似をする。
相変わらず、私は男好きだというレッテルを貼られて噂されていた。
グリュックシュロス高等学園に登校したらルイーゼの姿もなくフレイヤの姿もなく、リラの姿が見えた。リラはみんなの噂話を知っているんだとか知っていないんだとか話している生徒もいたなぁ。そういえば。でも、一応、リラに不安な感じで挨拶をしてみた。
「おはよう、リラ」
「あら、リリアンナ伯爵令嬢でしたの。ごきげんよう」とはいっていたもののリラは何だか疲れている表情をしていた。
「ルイーゼって、本当にすごいよね。いつも完璧で、決して弱音を吐かない。だから、そばにいると自分まで強くなった気になるんですの。でも、それがだんだん苦しくなってきて……だって、完璧なのはルイーゼだけで、私たちじゃないのに……」といった、憧れと疲弊が混じった感情を私に語った。
そういえば、他の生徒たちによるとルイーゼの親友になるには色々条件があるらしい。
でも、今の私は外の世界に価値を見出しているし、ルイーゼのごきげん伺いなんてする気もなかった。
そしたらリラが「こんなこと、男好きでふしだらなあなたにいっても意味はありませんが、ルイーゼと関わるには独自のルールが必要なんですよ。それでは、ごきげんよう。リリアンナ伯爵令嬢」と少しお辞儀をして、リラは教室に行ってしまった。
それにしても、ルイーゼと友達になるには独自のルールが必要ってなんだろう? 美貌があるとかそんなのかな?
確かにリラとフレイヤはルイーゼよりも貴族としての階級は下だけれども美貌があるし、ルイーゼのファッションの真似もあんまりしていない時もある。それでもルイーゼと一緒にいる時は目立たないけれど個性はある。
そんな感じなのかな? と思って、あの時ルイーゼに合わせて着たえんじ色のプリンセスドレスやオリーブグリーンのエンパイアドレスとはなんだったんだろう? と少し過去の自分に自己嫌悪に陥った。
あーあと悩んでいるとジークフリートが後ろから声をかけてきた。
「リリアンナ嬢、おはようっ! なんだ? 昨日のあの感じ悪いエルフのことで悩んでんのか?」
「まぁ、そうかも。でも人間が嫌いってことは多分、何か人間に関して嫌なことがあったんだよ。きっと。これは私一人だけが立ち向かった方が良いと思うんだよね」とジークフリートには少し嘘をついて、ヴァルデマールさんのことに首を突っ込まないように遠回しに牽制した。
ヴァルデマールさんもきっと二人も人間の話し相手が欲しくないだろうし。
ジークフリートと少し外の世界について話していた後、ルイーゼが現れた。ルイーゼが私の前に現れる時はだいたいリラとフレイヤがいないときだった。
ルイーゼは「ごきげんよう、リリアンナ。ごめん、ちょっと盗み聴きするつもりはなかったんだけど、聴こえちゃったからリリアンナのことを思って忠告させてもらうね。貴族社会ではなく、外の世界へ行くのはあなたのためにならないと思うわ。第一、すでに世間体が悪いのにより酷くなってしまうわ。あなたのようなか弱い乙女には無理よ」といわれてしまった。
でも私は咄嗟に「うん、そうだよね。心配かけさせてごめんね、ルイーゼ。私、外の世界へ行くのはしばらくやめるし、ジークフリートともなるべく関わらないようにするよ」と嘘をついた。
あー今日の私ってば、かなりの嘘つきだなぁと思いつつ今日もヴァルデマールさんのところへ遊びに行く決意はしていた。
どうしてもヴァルデマールさんの人間不信について知りたかったからだ。それにエルフの聖域もまた人間によって統治されるかもしれないし、私はヴァルデマールさんのエルフとして尊重したいから。これは私の善意の押し付けかもしれないけれど。
そして朝礼が始まるチャイムが鳴り、私は急いで教室へと向かった。
お昼休みになったけれど、今日はジークフリートと一緒にお昼ご飯を食べずに違う席で一人でお昼ご飯を食べることにした。友達がいないならいないで変な噂話を立てられるだろうけれど、今の私は学校も社交界も信じられなかった。ジークフリートとレオンハルトとハインリヒ王子は別だけども。
お昼休みも終わり午後の授業も終わり、終礼の時間になって私は誰とも会話をせず、そそくさと一人で自宅まで帰った。あ、そういえば、今まで言及していなかったけれど、前世の日本の学校とは違ってこの世界の学校の授業時間は午前九時から午後三時までしか授業をしなかった。
あとは飛び級と落第制度もあって、成績が良すぎる子は私よりも年下でも同じクラスになることもあれば、逆に私と同学年だけど年上の人も少しいた。私もハインリヒ王子と同学年になろうと飛び級しようと頑張っていたけど無理だったけどね。
私は家に着いて、前回の初めての買い物で買ってきたソフトピンクのディアンドルに着替えて、茶色のショートブーツを履いて、お父様に見つかって叱られお説教もされつつも、私は外の世界へ飛び出した。
一人で歩く景色はいつも登下校でみている景色と馬車に乗って社交界のために王宮に行くときに見る景色はいつもと違っていた。
王宮の庭からしばらく離れて川沿いがあるところに、ヴァルデマールさんは座ってうとうとしていた。
貴族がつけている香水と違って、植物の香りはとても心地よかった。
そんな良い植物の香りの中でうとうとしているヴァルデマールさんに私は声をかけた。
「こんにちは、ヴァルデマールさん」
ヴァルデマールさんは驚いたように声を上げて「そんなに気配を隠さなくて近寄らなくてもいいだろうっ! 人間のくせにっ!」と怒っていてそこが可愛くて面白かった。
ヴァルデマールさんは面白いエルフだ。私は怒られるのは嫌いだけど、ヴァルデマールさんの怒りは何故か可愛らしいものだと認識していた。
私は少し笑いながら「ごめんなさい。ヴァルデマールさん」と謝罪したけれど、ヴァルデマールさんは「笑うなっ! 誠意がないっ!」と余計に怒らせてしまった。
私はそんなヴァルデマールさんに真剣に謝ったフリをして「本当にごめんなさい」といった。
しばらく沈黙が続いたけれど、ヴァルデマールさんは私の今日の服装について指摘してきた。
「今日のリリアンナの服装は、人間の街娘がよく着るというディアンドルじゃないか」
「そうなんですよ。ドレスを着るよりもディアンドルの方が動きやすいですし、なんせ私が貴族だとわかりにくいですからね」と答えると、ヴァルデマールさんは「貴様の所作などで貴族だとわかるぞ」と鋭く言われてしまい、少しショックを受けてしまった。
気を取り直して、私らヴァルデマールさんに今のエルフの聖域が誰が統治しているのか聞いてみた。
「ヴァルデマールさん、今のエルフの聖域は誰が管理しているのでしょうか? エルフ族自身ですか?」と私が質問するとヴァルデマールさんは眉を顰めて「あぁ、そうだ。昔は違っていたがな」と教えてくれた。そして引き続き何が起こったか説明してくれた。
「貴様が親友だとか友達だとか思っていた人間にやられたことと根本は同じことよ。人間は自分の欲望のためなら裏切れる生き物だからな。昔のことだからふわっとしか説明ができないが、私は、エルフ族の代表として人間側の貴族社会と交流があったんだ。人間の貴族はエルフ族の聖地をエルフにとって好条件として、人間の貴族の領地になることを提示されたので、その書類にサインしてこのエルフの聖地は貴族のものされたが、その好条件には抜け道があってな。人間の都合の良いように森は燃やし尽くされ、森に住んでいた精霊たちも人間の貴族によって殺されてしまい、気付いた時にはエルフの聖地は奪われたんだよ。だから、自らエルフの聖地を奪還したんだ。それはそれで大変だった。なんてったってあの人間の狡猾な貴族だ。そうも簡単にいくわけなかろう」
私はヴァルデマールさんの過去を聞いてショックを受けたけれども「私だって貴族です。もう二度とそんな悲しいことが起きないように私ができることをしますと告げます」と宣言したら、ヴァルデマールさんは私を嘲笑するように「リリアンナ、貴様は貴族といえどまだ小娘でしかないだろう。しかも貴族としての公務もまだやったことは無さそうだしな」とごもっともなことをいわれてしまった。
リヒテンベルク家がエルフの聖域を統治すれば、エルフを尊重できるのではないかと一瞬思ったけれど、ヴァルデマールさんになんていわれるか怖かったので黙っておいた。
ヴァルデマールさんは憎たらしく「人間なんて俗物だからな」といったので、私は傷つきながらも「ならどうして私と関わるのでしょうか?」と悲しみに溢れながらも聞いてみた。
ヴァルデマールさんは困ったように「さぁな。貴様は私が見てきた貴族の中では見たこともない種類の人間だったからな。あの人間の小僧は知らぬが」
あの人間の小僧は多分、勇者であるジークフリートのことだと思った。
「じゃあ、ヴァルデマールさんは人間とエルフの混血、ハーフエルフについてどう思いになられているのでしょうか? ヴァルデマールさんは人間嫌いなんですよね?」と聞いたら意外な返事が返ってきた。
「確かにハーフエルフは迫害されやすいし、我々エルフの中にもハーフエルフはエルフだと思っていない。だが私はハーフエルフも我々エルフの同胞だと思っている。どんだけ私が人間を憎んでいようがな」と真剣な眼差しで言っていた。
私は「なら、人間も同じことですよ。ハーフエルフもエルフであり人間の同胞です」と笑顔で答えた。
ヴァルデマールさんは私がそのことをいった直後に、驚いた顔をしつつ頬をエルフの耳の先を少しだけ赤らめて、「時間だ。帰るぞ、リリアンナ。それに王宮から人間の騎士がきたようだ」といってエルフの聖域である森に早歩きで帰ってしまった。
そして私は、馬に乗ったレオンハルトに見つかり叱られてしまった後、色々と良くないことを聞いてしまった。
レオンハルト曰く「先ほど、リリアンナ様がエルフ族の男性とお話していたところを拝見いたしましたが、ロザリント公爵がエルフ族が住む森を領地にしたいと申し上げたそうです。とりあえず、リリアンナ様のご自宅までお送りしますので、この馬に乗ってください」だそうな
私はレオンハルトの指示に従ってレオンハルトと一緒に馬に乗った。
ルイーゼは学年の女王様として君臨しているし、非の打ち所がないというか。カリスマ性があってみんな彼女の真似をする。
相変わらず、私は男好きだというレッテルを貼られて噂されていた。
グリュックシュロス高等学園に登校したらルイーゼの姿もなくフレイヤの姿もなく、リラの姿が見えた。リラはみんなの噂話を知っているんだとか知っていないんだとか話している生徒もいたなぁ。そういえば。でも、一応、リラに不安な感じで挨拶をしてみた。
「おはよう、リラ」
「あら、リリアンナ伯爵令嬢でしたの。ごきげんよう」とはいっていたもののリラは何だか疲れている表情をしていた。
「ルイーゼって、本当にすごいよね。いつも完璧で、決して弱音を吐かない。だから、そばにいると自分まで強くなった気になるんですの。でも、それがだんだん苦しくなってきて……だって、完璧なのはルイーゼだけで、私たちじゃないのに……」といった、憧れと疲弊が混じった感情を私に語った。
そういえば、他の生徒たちによるとルイーゼの親友になるには色々条件があるらしい。
でも、今の私は外の世界に価値を見出しているし、ルイーゼのごきげん伺いなんてする気もなかった。
そしたらリラが「こんなこと、男好きでふしだらなあなたにいっても意味はありませんが、ルイーゼと関わるには独自のルールが必要なんですよ。それでは、ごきげんよう。リリアンナ伯爵令嬢」と少しお辞儀をして、リラは教室に行ってしまった。
それにしても、ルイーゼと友達になるには独自のルールが必要ってなんだろう? 美貌があるとかそんなのかな?
確かにリラとフレイヤはルイーゼよりも貴族としての階級は下だけれども美貌があるし、ルイーゼのファッションの真似もあんまりしていない時もある。それでもルイーゼと一緒にいる時は目立たないけれど個性はある。
そんな感じなのかな? と思って、あの時ルイーゼに合わせて着たえんじ色のプリンセスドレスやオリーブグリーンのエンパイアドレスとはなんだったんだろう? と少し過去の自分に自己嫌悪に陥った。
あーあと悩んでいるとジークフリートが後ろから声をかけてきた。
「リリアンナ嬢、おはようっ! なんだ? 昨日のあの感じ悪いエルフのことで悩んでんのか?」
「まぁ、そうかも。でも人間が嫌いってことは多分、何か人間に関して嫌なことがあったんだよ。きっと。これは私一人だけが立ち向かった方が良いと思うんだよね」とジークフリートには少し嘘をついて、ヴァルデマールさんのことに首を突っ込まないように遠回しに牽制した。
ヴァルデマールさんもきっと二人も人間の話し相手が欲しくないだろうし。
ジークフリートと少し外の世界について話していた後、ルイーゼが現れた。ルイーゼが私の前に現れる時はだいたいリラとフレイヤがいないときだった。
ルイーゼは「ごきげんよう、リリアンナ。ごめん、ちょっと盗み聴きするつもりはなかったんだけど、聴こえちゃったからリリアンナのことを思って忠告させてもらうね。貴族社会ではなく、外の世界へ行くのはあなたのためにならないと思うわ。第一、すでに世間体が悪いのにより酷くなってしまうわ。あなたのようなか弱い乙女には無理よ」といわれてしまった。
でも私は咄嗟に「うん、そうだよね。心配かけさせてごめんね、ルイーゼ。私、外の世界へ行くのはしばらくやめるし、ジークフリートともなるべく関わらないようにするよ」と嘘をついた。
あー今日の私ってば、かなりの嘘つきだなぁと思いつつ今日もヴァルデマールさんのところへ遊びに行く決意はしていた。
どうしてもヴァルデマールさんの人間不信について知りたかったからだ。それにエルフの聖域もまた人間によって統治されるかもしれないし、私はヴァルデマールさんのエルフとして尊重したいから。これは私の善意の押し付けかもしれないけれど。
そして朝礼が始まるチャイムが鳴り、私は急いで教室へと向かった。
お昼休みになったけれど、今日はジークフリートと一緒にお昼ご飯を食べずに違う席で一人でお昼ご飯を食べることにした。友達がいないならいないで変な噂話を立てられるだろうけれど、今の私は学校も社交界も信じられなかった。ジークフリートとレオンハルトとハインリヒ王子は別だけども。
お昼休みも終わり午後の授業も終わり、終礼の時間になって私は誰とも会話をせず、そそくさと一人で自宅まで帰った。あ、そういえば、今まで言及していなかったけれど、前世の日本の学校とは違ってこの世界の学校の授業時間は午前九時から午後三時までしか授業をしなかった。
あとは飛び級と落第制度もあって、成績が良すぎる子は私よりも年下でも同じクラスになることもあれば、逆に私と同学年だけど年上の人も少しいた。私もハインリヒ王子と同学年になろうと飛び級しようと頑張っていたけど無理だったけどね。
私は家に着いて、前回の初めての買い物で買ってきたソフトピンクのディアンドルに着替えて、茶色のショートブーツを履いて、お父様に見つかって叱られお説教もされつつも、私は外の世界へ飛び出した。
一人で歩く景色はいつも登下校でみている景色と馬車に乗って社交界のために王宮に行くときに見る景色はいつもと違っていた。
王宮の庭からしばらく離れて川沿いがあるところに、ヴァルデマールさんは座ってうとうとしていた。
貴族がつけている香水と違って、植物の香りはとても心地よかった。
そんな良い植物の香りの中でうとうとしているヴァルデマールさんに私は声をかけた。
「こんにちは、ヴァルデマールさん」
ヴァルデマールさんは驚いたように声を上げて「そんなに気配を隠さなくて近寄らなくてもいいだろうっ! 人間のくせにっ!」と怒っていてそこが可愛くて面白かった。
ヴァルデマールさんは面白いエルフだ。私は怒られるのは嫌いだけど、ヴァルデマールさんの怒りは何故か可愛らしいものだと認識していた。
私は少し笑いながら「ごめんなさい。ヴァルデマールさん」と謝罪したけれど、ヴァルデマールさんは「笑うなっ! 誠意がないっ!」と余計に怒らせてしまった。
私はそんなヴァルデマールさんに真剣に謝ったフリをして「本当にごめんなさい」といった。
しばらく沈黙が続いたけれど、ヴァルデマールさんは私の今日の服装について指摘してきた。
「今日のリリアンナの服装は、人間の街娘がよく着るというディアンドルじゃないか」
「そうなんですよ。ドレスを着るよりもディアンドルの方が動きやすいですし、なんせ私が貴族だとわかりにくいですからね」と答えると、ヴァルデマールさんは「貴様の所作などで貴族だとわかるぞ」と鋭く言われてしまい、少しショックを受けてしまった。
気を取り直して、私らヴァルデマールさんに今のエルフの聖域が誰が統治しているのか聞いてみた。
「ヴァルデマールさん、今のエルフの聖域は誰が管理しているのでしょうか? エルフ族自身ですか?」と私が質問するとヴァルデマールさんは眉を顰めて「あぁ、そうだ。昔は違っていたがな」と教えてくれた。そして引き続き何が起こったか説明してくれた。
「貴様が親友だとか友達だとか思っていた人間にやられたことと根本は同じことよ。人間は自分の欲望のためなら裏切れる生き物だからな。昔のことだからふわっとしか説明ができないが、私は、エルフ族の代表として人間側の貴族社会と交流があったんだ。人間の貴族はエルフ族の聖地をエルフにとって好条件として、人間の貴族の領地になることを提示されたので、その書類にサインしてこのエルフの聖地は貴族のものされたが、その好条件には抜け道があってな。人間の都合の良いように森は燃やし尽くされ、森に住んでいた精霊たちも人間の貴族によって殺されてしまい、気付いた時にはエルフの聖地は奪われたんだよ。だから、自らエルフの聖地を奪還したんだ。それはそれで大変だった。なんてったってあの人間の狡猾な貴族だ。そうも簡単にいくわけなかろう」
私はヴァルデマールさんの過去を聞いてショックを受けたけれども「私だって貴族です。もう二度とそんな悲しいことが起きないように私ができることをしますと告げます」と宣言したら、ヴァルデマールさんは私を嘲笑するように「リリアンナ、貴様は貴族といえどまだ小娘でしかないだろう。しかも貴族としての公務もまだやったことは無さそうだしな」とごもっともなことをいわれてしまった。
リヒテンベルク家がエルフの聖域を統治すれば、エルフを尊重できるのではないかと一瞬思ったけれど、ヴァルデマールさんになんていわれるか怖かったので黙っておいた。
ヴァルデマールさんは憎たらしく「人間なんて俗物だからな」といったので、私は傷つきながらも「ならどうして私と関わるのでしょうか?」と悲しみに溢れながらも聞いてみた。
ヴァルデマールさんは困ったように「さぁな。貴様は私が見てきた貴族の中では見たこともない種類の人間だったからな。あの人間の小僧は知らぬが」
あの人間の小僧は多分、勇者であるジークフリートのことだと思った。
「じゃあ、ヴァルデマールさんは人間とエルフの混血、ハーフエルフについてどう思いになられているのでしょうか? ヴァルデマールさんは人間嫌いなんですよね?」と聞いたら意外な返事が返ってきた。
「確かにハーフエルフは迫害されやすいし、我々エルフの中にもハーフエルフはエルフだと思っていない。だが私はハーフエルフも我々エルフの同胞だと思っている。どんだけ私が人間を憎んでいようがな」と真剣な眼差しで言っていた。
私は「なら、人間も同じことですよ。ハーフエルフもエルフであり人間の同胞です」と笑顔で答えた。
ヴァルデマールさんは私がそのことをいった直後に、驚いた顔をしつつ頬をエルフの耳の先を少しだけ赤らめて、「時間だ。帰るぞ、リリアンナ。それに王宮から人間の騎士がきたようだ」といってエルフの聖域である森に早歩きで帰ってしまった。
そして私は、馬に乗ったレオンハルトに見つかり叱られてしまった後、色々と良くないことを聞いてしまった。
レオンハルト曰く「先ほど、リリアンナ様がエルフ族の男性とお話していたところを拝見いたしましたが、ロザリント公爵がエルフ族が住む森を領地にしたいと申し上げたそうです。とりあえず、リリアンナ様のご自宅までお送りしますので、この馬に乗ってください」だそうな
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