法曹界の魔女と華澄

水無瀬 桜

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第一話

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黒いパンツスーツの華澄と紺のパンツスーツの奈緒子はとある偶然から大阪 梅田で再会する
「越川ちゃん?」
桧山先生、ご無沙汰しております。
「ホンマにねぇ。元気そうで良かった。」
奈緒子は拠点を京都に移していた。
ところで、桧山先生はなぜ大阪に?
「それやねんけどね、大阪府警から京都府警経由で連続殺人の捜査協力が私に来たんよ。」
殺人ですか…。大阪府警の担当者からは何か聞いてます?
そこへ大阪府警のパトカーが停車した。
「越川華澄弁護士と桧山奈緒子弁護士ですか? 自分は大阪府警の山中と言います。」
山中と名乗った黒いスーツの刑事は警部補であった。
「山中警部補、被害者の詳細な情報は?」
大阪城近辺で見つかった遺体なんですが、10代の大学生です
長く伸ばした黒髪から女性と考えたほうがいいと。
「その被害者の居住地が京都ということですね?」
さすが桧山先生、お察しの通りです。
でも、大学生なのだとしたら法学生ということも考えられませんか?
大学が大阪だった…。か。
桧山先生、越川弁護士は名探偵の素質があると思うんですが。
素質じゃなくて、名探偵ですよ。越川ちゃんは
しばらくして、大阪城が見える現場に到着した。
非常線が張られ、鑑識などがあわただしく動いている
「警部、桧山奈緒子弁護士、越川華澄弁護士をお連れしました。」
見た目は金融業者のような刑事が捜査指揮を行っていた
「お忙しい中すんません。大阪府警の竹内です。」
竹内警部、被害者の学生証は?
これです。
それは奈緒子と華澄が通学していた大学だった。
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