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第3章
心強い助っ人です
「殿下だなんて⁉︎ そ、そんな私のようなものが話しかけられる人ではないです」
わたくしが反応するより早く、メアリー様が全身で遠慮している。
そんなメアリー様に、宥めるようにパトリシア様は言った。
「わたくしたちのお友達でしょう? 何も問題はありませんわ。それに殿下も夢とはいえ、被害が出る可能性があるのならば無碍にはしませんわ」
「で、でも……」
「今、私を呼ぶ声が聞こえた気がしたけれど、どうしたのかな?」
「「ひゃっ」」
なんだかデジャヴ。
振り返ると、殿下とバーナード様が立っていた。
パトリシア様は気がついていたようで、いつも通り挨拶をする。
「おはようございます、殿下。バーナード様」
「ああ、おはよう」
バーナード様はペコリと礼をするのにとどめた。わたくしたちも続く。
メアリー様を見ると、なんだか赤くなったり青くなったり百面相している。
あ、そうか。バーナード様に並々ならぬ思いを抱いているから、こんなに近いのに興奮しているのね。けれど殿下もいて緊張していると。
「先日から一緒にいる令嬢が増えたんだね。よかったら私たちにも紹介してくれないかい?」
さすがだ。こう言われれば、紹介せざるを得ないし、むしろメアリー様のことも考えている。
「メアリー・キャンベル男爵令嬢ですわ。それにしても殿下。いつから聞いておられたのです?」
「魔術の話をしているくらいからかな。キャンベル男爵令嬢は、光属性だったね。やはり扱いが難しいかい?」
「えっ……と、はい。演習もあることですし、使えるようになりたいのですがうまくいかなくて」
メアリー様は緊張のためか、汗をかいている。大丈夫かな。確かにわたくしたちにも最初は緊張していたけれど、その比じゃない。
そういえば、この世界を知っているのなら殿下にも臆さずコミュニケーション取れそうだけれどどうしたのだろう。
「確かにそうだね。ふむ……キャンベル男爵令嬢。魔術じゃなくていい。私に魔力を当ててみてくれないかな?」
「殿下⁉︎ 突然何を言い出すのです」
殿下の言葉にいち早く反応したのはバーナード様。びっくりした。この方がこんな声出すんだ。
あまり話さないので驚いてしまった。
「大丈夫。魔力だけなら大したことにならないよ。それに私なら、何かあっても対処できる」
「……わかりました」
「じゃあ、キャンベル男爵令嬢。やってみて」
「え、はい」
殿下、こんな時に自然に相手を従えるような圧を放たないでください。まだ優しい雰囲気があるからいいけれど。
こういうのも出来るのもやはり、上に立つ者の力か。
メアリー様は、手のひらを殿下に向ける。殿下も同じようにするが、触れ合う寸前で止めた。
メアリー様は目を閉じる。ほのかに手が光り、消えた。
「……ふむ。これは珍しいな」
「な、何がわかったのです?」
思わず聞くと、殿下は応えた。
「……魔力が抑えられている。しかし、そのような道具や魔術を使った痕跡は見られない。キャンベル男爵令嬢、魔力暴走を起こしたことはあるかい?」
「……いいえ。ないと思います。少なくとも私の記憶にはございません」
「なるほど。……これは推測だが、キャンベル男爵令嬢は魔力暴走を起こしたことがあると思う。そしてその記憶に蓋をしていて、同時に魔力を抑えてしまっているんだと思う」
「私が……?」
メアリー様は信じられないようだ。
それもそうだけれど、殿下のその技にわたくしは驚いてしまう。確かに魔力保有量は他者に魔力を当てて把握することができる。
しかし、大体同属性でないとうまくわからないことが多い。それを属性が違う上に本人が知らないことまでわかるなんて。
殿下、あなたは何者ですか。やはり王族だからか。
いや、幼い時から魔物討伐もしているし、きっと努力の結果ももちろんあるのだろう。それを奢ることなく、しかも他者のために使う。
この方が治める国も安泰だろうな。
なんて場違いに考えていた。
◇◇◇
メアリー様も魔力暴走を起こしたことがあるかもしれない。
そのことはメアリー様にとっても衝撃だったようだ。恐らくゲーム内では語られなかったのだろう。
それが似た世界だからなのか、それとも設定上も元々そうだったのか、調べる術はない。
「殿下、メアリー様の魔力暴走が原因の1つだとして、どうすれば良いのでしょうか」
パトリシア様が心配そうに尋ねる。もしかして記憶を思い出さないといけないとかあるのだろうか。
トミーの時もそうだけれど、負の感情がトリガーになることもあるし思い出すことが正しいことなのだろうか。
「方法としては、少しずつ魔力の出力を上げていくことかな。かなり地道な作業ではあるけれど、最も確実だ。そうして体を慣らしていけば、いずれ耐えられるようになるはずだよ」
「……それはどのくらいかかるのでしょうか?」
「一概にはいえないけれど、短くても半年くらいかな。もちろん本人の状況によって短くなったりすることもあるみたいだ。ただ、無意識に魔力が抑えられているのなら、時間はかかると思っていた方がいい」
「そんな……」
メアリー様は落ち込んでしまう。覚醒イベントは1ヶ月と少ししかないのだ。圧倒的に時間が足りないと思う。
そんなメアリー様を見て、殿下も何かを感じ取ったらしい。
「……急ぎなら荒療治と言う手もあるけれど、本人への負担が強い。また魔力暴走を起こしかねないからね」
「でも方法だけでも教えてくださいませんか? 次の演習までにはできるようにしたいのです」
「ふむ……そこまで切羽詰まっている理由を聞いてもいいかな? 次の演習は、うまくいかなかったとしても大きな減点にはならないはずだけれど」
「そ、それは……」
流石に殿下にまで、夢としたことを言いにくいのだろう。それもそうだ。下手したら不敬罪とか言われても仕方ない気がする。
うん、ここはわたくしが出ようではないか。
「わたくしから説明いたしますわ。その前に殿下、今からする話を荒唐無稽な物だと思ってしまってもわたくしは仕方ないと思っております」
「いいよ、聞こう」
「はい、メアリー様は幼い時からたまに夢を見たそうです。それは、母親と死別し男爵に引き取られるなど所謂‘’予知夢‘’のようであったと言います」
「それが今回と関わりがあると?」
「はい、今回は演習で魔物の群れに襲われたそうです。夢の中とはいえ、ひどい有様だったとか」
「なるほど……キャンベル男爵令嬢は、本当に起こると思うかい?」
「……はい。あまりにも鮮明で……。悲鳴や怒号が響いていて、とても夢には感じられませんでした。その……自分でも考えすぎだとは思うのですが、念のため対策はしておくべきだと思いました」
殿下は顎に手を当てる。しかし、それは少しの間で笑顔を浮かべながら、信じられないことを言った。
「それじゃあ、私が教えてあげよう」
「……はい?」
何を言っているのかしら。いや、確かに殿下は魔術の扱いに長けているけれど、そもそも属性が違う。
あと、どんな理由にせよ特定の令嬢と仲良くしたら周りがどんな目で見るかは明白だ。
殿下がそんなことわからないはずがないのだけれど。
「で、殿下? 本気ですか?」
「本気だよ。ああ、ヘンリエッタ嬢が心配することは大丈夫だ。何故ならここにいる皆が一緒にやるからね」
「え?」
どうしよう、ついていけない。でもわたくしだけではないらしい。パトリシア様も、バーナード様も驚いている。
「しかし、殿下はお忙しいのでは……」
「夢とはいえ、魔物に襲われるのを黙って見ているわけにはいかないね。魔術の修練と一緒に、どこか魔物が入り込めそうな場所がないかも探さないと」
このお方は存外柔軟性に富んだ人のようだ。呆れられるかと思ったのに、対策をわたくしたちより練っている。
すごい人だな。
「殿下がそう言って下さるのでしたら百人力ですわ。わたくしたちも魔術が上達すれば、魔物の大群を却られますもの」
わたくしがそういうと、殿下は嬉しそうに笑った。
◇◇◇
ということで殿下直々の指導のもと、メアリー様の魔術練習にわたくしたちも加わることになった。
メアリー様は目を白黒させていて、飲み込んだ頃には殿下もバーナード様もいなくなっていた。
自分に何が起こったのか信じられないようで、頬をつねり始めている。
「メアリー様、赤くなりますわよ。おやめなさいな。気持ちはわかりますけれども」
「……どうしてこんなことに?」
「わたくしもよくわかりませんわね」
パトリシア様がメアリー様を現実に引き戻した。2人とも思うように本当に怒涛の展開だった。
とはいえ、これはいい感じだと思う。きっとゲームとは大きく異なった方向になっているだろう。
「とにかく、道筋が見えたということで喜んでおきましょう。そろそろ教室に戻らないと」
「そうですわね。行きましょう」
◇◇◇
昼休み。今日は忘れずにトミーを誘う。お兄様も迎えに来てくれて皆で食堂に向かった。
メアリー様もだいぶ緊張をしなくなったようで、食事を楽しむ余裕も出て来たようで何よりだ。
でも時々パトリシア様の手元を見ながら食事をしている。そろりと見ていて、なんだか可愛い。
食事を食べ終わる頃、なぜかトミーの顔が険しくなった。トミーが見る方向に視線を向けると、殿下とバーナード様が来ていた。
「やぁ、迎えに来たよ。善は急げとも言うし、早速始めようかと思うんだけれどどうかな?」
気のせいだろうか、いつもと笑顔が違う。なんだか、嫌な予感がする。
と、ちらとトミーを見た。そしてトミーから冷気が……。
あああああこれも目当てですか。あと主語を省いているのもわざとですね。
メアリー様のためなら、こういうことはしないでいただきたい。
「……姉上、なんのお話でしょう」
目が笑っておりませんわ。
最近、トミーをほったらかしてしまうことが多いので、これ以上刺激したら本当に恐ろしい。まだ日程は決まっていないけれどお出かけの予定もあるし、あまり刺激したくない。
よし、逃げよう。
「まあ、わざわざ迎えに来てくださるなんて、殿下は寛大ですわ。さあ、メアリー様、頑張ってきてくださいね」
「え?」
「パトリシア様、メアリー様のことよろしくお願いしますわ」
「え、ええ」
さすがパトリシア様。この流れでわたくしがどう動こうとしているか理解してくれた。
しかし、納得しない者もいる。
「おや、ヘンリエッタ嬢も行くと思っていたのだけれど」
「殿下、申し訳なく思っていますわ。しかし、わたくしお兄様とトミーと約束をしていましたの。わたくしは先に約束していた方を優先させていただきますわ」
「へぇ。ヘンリエッタ嬢は身分差を考慮しないのかな?」
こっちも圧がすごい! しかしここで負けるわけにはいかない!
「ふふ、もちろん殿下が‘’命令‘’するのであれば、わたくしは臣下としてお供いたしますわ。しかし、今回の場合は‘’お誘い‘‘ですもの。それに寛大な殿下であれば、わたくしごときが誘いを断ろうと不快に思うことはございませんでしょう?」
圧に負けないように、強気の態度を心がける。
ここで殿下が‘’命令‘’に変えたら、自分で狭量だって認めるようなものだからね!
さあ、どうする‼︎
「……そうか、私を信頼してくれているようで何よりだ」
(勝ったわ……‼︎)
「えぇ――」
「それじゃあ、放課後はまだ空いているかな?」
「へ?」
「どちらにせよ、時間は作らないといけないだろう? やることは山のようにあるからね。昼休みは兄弟での親睦を深めてもらって構わないけれど、放課後はキャンベル男爵令嬢のためにも時間をもらわないと」
そうですね。それはそうです。
ですが、ちょっと準備期間が欲しかったかなぁ⁉︎
同日の朝と昼よ⁉︎ 行動が早すぎてびっくりですわ。
お兄様とトミーにバレるのも時間の問題だから、なんとかそれっぽく言っておこうと思ったのにいえてないんですよおおおお!
ホラァ、殿下が煽るから、トミーからまた冷気が出てるじゃないですかあ。
ていうか、わたくしの返事待ってます?
ここは断ったらメアリー様にも悪い。うう、作戦をそのまま使われている。断れない空気にされた……。
「もちろんですわ。メアリー様のためですもの」
「ふふ、それじゃあ2人とも、行こうか」
「は、はい」
メアリー様は心配そうに、パトリシア様は複雑な表情で去っていった。今はパトリシア様の感情を読む余裕がない。
この後のことを考えて、思わずため息を吐いた。
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