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侯爵様……いえ、お父様

2,……ここでも実力テストですか……

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「入る前に一応言っておくが、1人ずつ戦え。1人だけでどれだけ戦えるかを知りたいんだ。分かったな? 」

「「「「はい」」」」

そう言って私達は、部屋に入る。

 そこには、学校の教室……よりは小さいけど、家具と窓が1つづつ。後は、30人のマントを着た暗殺者達。

せっま。

「カイル、お前から行け。」

「はい」

そう言って、カイルさんは、走り出す。

 武器は、投げナイフ……基本この世界の暗殺者の武器ってナイフか、毒かだよね?

カイルさんは、ナイフをマントから10本出し次々に投げていく。

暗殺者達は、避けたりするが避けた先にまた計算して投げられていて、腕や、足に当たっていく。

ナイフが無くなったら拾ってまた使うか、奪って行くか……

効率的には良くないね……

どんどん暗殺者達は、しゃがんでいっている。

どうやら、負け判定はしゃがむ事らしい。

体術も上手いけど、イメージが少しなってないね。

基本的な蹴りと拳。

ちょっと、動作が遅いんだよね……

……おっと、考えている間に全員しゃがんでいっているね~。

「よし、ナナ、こいつらの怪我治してやってくれ。」

「分かりました。皆さん、ナイフを抜いてくださいね。でないとナイフがくっついたまま傷が治りますから。」

ちょっと、怪しめに脅すと、だいたいの人は即座に抜いて行った。けど、刺さり所が悪くて抜けない人が居るね……

「モナ、悪いのだけれど、ナイフを抜けない人のを抜いてさしあげて。」

「かしこまりました。」

モナは、一礼すると即座に、しかも躊躇なく抜いて行く。

わ~痛そう。

 そうこうしているあいだに、もう抜き終わったみたい。仕事がとても早いです。

モナは、この部屋全体に、【パーフェクトヒール】を掛ける。

柔らかい、白い光が部屋全体を覆う。

「な、治った。……後遺症とまで言われていた怪我が治った……」

「私も目が視力が回復している……」

おっと……ちゃんと伝えとけばよかったかも?

お貴族さんまでが治っているもんね……

脅す?

……辞めておこう。

「これでいいですね?」

「はっ!……あ、あぁ。カイル、合格だ。次、お前ら4人の中で誰か1人やれ。」

……余り驚かないという事は、既に昨日の事を聞いていたのかな?暗殺者は、情報が命だもんね。

「じゃあ、リリー。やってくれる?私が教えた事よく使って、殺さない程度に痛めつけていいからね?精神的にやらなくなっても、どうやら変えは居るようだし……」

「はい。頑張ります!」

「「!!」」(カルドたち)

そうなのだ。

他の人はなんでバレた??って顔してるけど隣の部屋に30人まだ居るんだよね。気配ビンビン来てるよ……

「決まったか?じゃあ、やれ。」

その声に、リリーは、動かない。

「リリー、初めて。」

「はい!」

 リリーは、走り出す。……どうやら、ムキムキのおじさんの言うことを聞きたくなかったのかな?

 リリーは、あの変な剣で切って、刺して、なげて、呼び出して、どんどん殺戮……いや、一歩のところで生かしてる。偉い!

うん、うん。いい感じ。

そこまで文句は無いけど、あえて言うなら、足?

動きが少し、戸惑っているね。

 まぁ、気にする程でもないから良いのだけれども。

……あ~もう終わっちゃった。これまでの時間。約50秒。

「もういい!もう良いから、治してやってくれ!」

「分かりました。モナ?」

「【パーフェクトヒール】」

「姉様!どうでしたか?」

「うん、教えた事をちゃんと出来てたよ。あえて言うなら、足の動きが少し戸惑っていたね?どうして?」

「姉様に貰った服を汚したくなくて……」

「なるほどね……変えは幾らでもあるから、汚しても大丈夫だからね。」

「はい!」

「おいおい……あんなに強いのにまだ、強くなれんのかよ。……その姉ってどんだけ強いんだ?」

「姉様なら、3秒あれば充分だと……」

「「「「「3秒?!」」」」」

「え?だって暗殺は、スピードが命ですよ?当たり前です。」

「まぁ、私の話は置いといて。ルルー次行ける?」

「はい!頑張るよ!」

「「「「「「「「ひっ!」」」」」」」」

「……おっと、精神的には、回復してなかったみたい……モナ、出来ます?」

「出来ますよ。」

「じゃあ、お願いします。」

「かしこまりました。ご主人様。【リカバリー】」

 今度は青い、少し冷たい光が部屋を包み込み、……見た目はそんなに変わらないので、よく分からないけど、まぁ、大丈夫だよね?

「ルルー行ってらっしゃい。」

「は~ぃ♪」

「よし、やれ。」

ルルーは、歩き出し、暗殺者達は、襲い掛かるけど、ナイフや、剣を、カードが弾いていく。

……と言うかカードがルルーの周りを浮いているんだよね……

ルルーが手を前にかざすと、カードが暗殺者達の足を切断して行く。

あら~これまでの時間、約40秒。

うん、文句無しかな?

「【パーフェクトヒール】」

「お姉ちゃん!姉ね!モナ!どうだった?」

「早かった。負けました。」

「流石ご主人様の妹です。文句ありませんよ!」

「凄かったよ。」

私達は、ルルーの頭をなでなでする。

「じゃあ、次、モナ行ってみようか?」

「かしこまりました。」

「「「「「(こいつらやべぇ)」」」」」

私達以外の人全員が思った事だった。

 モナは、一歩前に出ると、呪文を出さずに結界を張り、モナが声を出す。

 声と言っても超音波見たいな?耳の膜がキレるやつ。

あれで、暗殺者達は、次々と倒れていく。

これまでの時間。約10秒。

「何が起こったんだ?」

「【パーフェクトヒール】【リカバリー】」

「秘密です。」

うんうん。凄いなあ、やっぱり神獣だからかな?

そして、頑張りました!って顔でこっちに歩いてくるのがまた可愛い。

「よしよし。良くやったね。」

「「凄ーい」」

「お前ら……そこの使用人も、何もんだよ。」

「秘密です。暗殺者には秘密が付き物ですね。」

「はぁ~聞いても仕方が無いか。じゃあ最後、お姉さんは、どうやって戦うんだ?」

「では、やりますか。」

私は、何気ないふうに髪を軽く梳いている様に見せ、指に糸を絡ませる。

「では、始めます。」

 私は、糸を指でクイックイッと部屋中に巡らせる。その時に暗殺者達の身体を絡ませ、動けない様にするのを忘れない。首にもかけて……っと

「終わりました。」

「「「「「は?」」」」」

あれ?気付いていないのかな?

「どうしてだ?っと言うか何故お前ら動かないんだ?」

「動かないのではなく、動けないんです。」

「はぁ?どうやって?お前変に指を動かしていただけだろう。」

「あ、信じていませんね?では、まず全員の右足。」

私は、小指をクイッとやると暗殺者達の右足が切れ、床に落ちる。

「「「「ーーーッ!!」」」」

「左足。」

中指をクイッとやると左足が落ちて、中に浮いた暗殺者達。

「「「「「ーーーーーーツ」」」」」

「分かりましたか?」

「あ、あぁ。そういう事か。やろうと思えば幾らでも首を吹っ飛ばせるっと言うことか……」

「はい。」

私は、糸を回収していく。

するとゴスンっと暗殺者達が床に落ちる。

「「「「「「「「ーーーッ」」」」」」」」

「【パーフェクトヒール】」

 ちゃんと元に戻しますよ?今回は、テスト何ですから。

「これでいいですか?」

「あ、あぁ!お前ら全員合格だ!」

「「「「「「「「(コクコク)」」」」」」」」

やった!仕事ゲット!
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