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侯爵様……いえ、お父様

4,馬車の何で……

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 私達はシュレイプ侯爵の馬車に乗り、王都のシュレイプ侯爵邸に向かった。

馬車の中は意外に広く、意外に揺れなかった。

リリーとルルーは窓の外を楽しんでいるようだ。


 あ、そうだ、聞きたいことがいくつかあるんだった。私は、スキルでお嬢様口調にしてっと。

「お父様。いくつか質問があるのですがよろしいでしょうか?」

「!!完璧に貴族の御令嬢じゃないか……まぁ、良いよ。こちらもいくつか質問があるけどいいのなら。」

「答えられないことは、答えなくてもいいですので……っと

1つ目の質問ですが、御家族にはこの任務の事を話されましたか?」

「家族にだけ話してあるよ。ただ、召使い達には話していない。」

フムフム……

「何人家族でしょうか?」

「私と妻と今年18になる息子が1人だ。」

「息子さんですか……どういう性格か分かりますか?」

「そうだな……うちは辺境の地に領地があり、何代をもこの国を他国から……魔物から守ってきた。その為、我々は強くなくてはならないって言う教えを受け育ってきた。その中で妻はとてもとても強く、それに感化された息子も何かを頭で解くより、先に体が動くって感じに育ってしまったな。」

……要するに、辺境に住んでいるから、その地を守る為に強くなれって教えられていたせいで、奥さんがとてつもなく強く、息子も脳筋気味っと……

……大丈夫か?

「……3つ目の質問です。私達は任務以外の時間をどうしていれば良いですか?」

「普通の家族のように接してもらって構わない。仲良く出来ないのならば、伝えてもらえば一定の距離を置くように言っておこう。」

「そうですか……わかりました。あ、ご質問どうぞ?」

「良いのか?ならば、君たち4人をどう扱えばいい?」

「……そうですね……衣食住の中で住だけ用意してくれれば、衣類や食事は自分達で用意します。後は、私達三姉妹は娘として……もう1人は私の従者として、扱ってくれれば。後は……ほおって置いて頂いても良いですよ?」

「「「コクコク」」」

「そうか……ならば、2つ目だ。家ならそうして貰っても構わないが、外ではどうするつもりだ?」

「……仲の良い、普通の家族を装いますよ?仕事ですし……」

「了解した。後は、また聞きたくなったら聞こうと思う。」

「わかりました。お父様。」

これで変な家族絡みは減ったかな?

 私は、モナ達に目を向けると3人とも私の方を見ていた。

「?   どうしたの?」

「いえ、私達本当に姉妹のような見た目になって嬉しくて……」

「そうそう♪お姉ちゃんと私は、双子だから見た目がほぼ一緒だったけれど姉ねとは違かったからね~……」

「……私だけ違いますね……変えましょうか?」

「あはは……変えなくても大丈夫だよ……モナにはモナの可愛い所があるんだから……ね?」

 私は、そっとモナの頭を撫でているとモナは目を細める。

なんだろう?癖なのかな?

「姉様私もお願いします!」

「私も~」

「ちょっ!待って、たんま、たんま!これから話すこといっぱいあるでしょ!お父様も居るんだし、場所を考えて!」

「「「は~い」」」

……チラッとお父様を見ると、微笑ましそうに見ている。

……いやさ、良いんだよ?

 別に観察してる感じで見られるよりは……でもさ、何かこれはこれで恥ずかしいんやよ。

はぁ……大丈夫なのか?


そんなこんなしていると着いたようだ。

「モナ、変化で自分の顔弄ってフードを取りなさい。怪しまれるわ。」

 あぅぅ……何で私は、切り替えのとき偉そうなんだー!!

「かしこまりました。」

モナはそう言ってフードを取る。

あれ?変わってなくね?

『ご主人様、私の顔は元が人間では無いのでこの顔も適当に作ったやつなのですよ。だからあえて変えても、そんなに……って感じです。』

あ~なるほどね……

……まぁ、いいや。

「此処が、王都の我らの家だ。」

そう言って紹介されたのは、豪邸だった。

「「!!」」(リリーとルルー)

 門を通る前迄なので、御屋敷までの庭園も見えるけど、噴水や植物園が見える。

 と言うか、此処(門)から御屋敷まで1キロ位あるんじゃない?

 御屋敷も御屋敷で、海外の豪邸って感じで海外映画のスパイものとかで出て来そう。

え?何でこんなふうに表現したかって?

作者の語彙力が無いからだよ!

うぅぅぅ……悲しくなってきた。

……まぁ、いっか。

「ここから歩きで行くんですか?」

「あぁ、辺境に住んでいるものは、そこら辺の弱い貴族という訳には行かないからね。」

今さらりと他の貴族ディスったよ?

「わかりました。では、御屋敷の前で待っていますね。」

「いや、私の方が早いかもしれないよ?」

「「いーや、姉(ね)(様)の方が早い!」」

「3人も一緒に来るんだよ?」

「わかりました。」

  そう言って私達は、体術をかけないで走る。

え?何で体術をかけないのかって?

 これはぴょんぴょんとんでいくのもいいのだけれど、純粋にスキル無しで走るスピードを知りたかったから。



……そして走り終わった時私とモナは、息も荒らげてなく、さらりっと走って来てしまった。

え?結果?

 だんとつ私達の方が早かった。

 リリーとルルーは、息を荒らげているけど、私達よりちょっと遅れるぐらいだから、訓練すれば何とかなるかな?

 お父様も普通に考えたら早いのでしょうが、私達程では無かったですね。

 普通は歩いたら1kmを12分かかるそうだけど、私達はだいたい2分もしないで着いて、お父様は、3分ちょっとで着いた。

 日本では有り得ないけど、この世界ではどうなんだろうね?

まぁ、いっか。

「はぁ……はぁ……早くないか?」

「そうですか?息切れするほど思いっ切り私は、走ってないんですけどね……」

「コクッ」(モナ)

「「いやいやいやいや」」(リリーとルルー)

「えっ?」(私)

「姉様やモナは息切れさえしてなかったですが私達は、結構本気まで行きませんが息切れするほど走りましたよ!」

「そうそう!姉ねが早すぎるんだよ~」

あらら……それは悪い事をした。

「じゃあ、前言撤回。私達は、まあまあ本気まで行かないけど走ったって事で。」

「いや、早いよ……」

これでもダメだったか……

「まぁ、良いじゃないですか。」

「……そうだな……では、とりあえず入るぞ。」

 そう言って大きな扉を開けてくれた。

 中にはレッドカーペットが引いてあり、その上を靴で歩いている……

「えぇ~……」

汚っ。よく見たら所々汚れている所が多い。

……まぁ、いっか。この世界は、この世界の常識ってものがあるんだし。

 と言うか、メイドさんや執事さんもちらほら居るね……

 王城とは違うメイドさん達の服で、モナともちょっと違うから、色々見て見たいものだね……

「お帰りなさいませ。旦那様。」

「妻達は、何処にいる?」

 白髪の白ひげの歳の言った老執事さんにお父様は、質問していた。

「客間でお待ちしております。」

え?いつの間に?

私達来るように決めたのさっきだよ?

「早馬でございます。」(ボソッ)

私の疑問にモナが教えてくれた。

あ~なるほどね……

「では、お前達行くぞ……」

 そう言ってお父様は、先に進んだので私達も後を着いていく。

さてさて、どんな家族なのかな?



    
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