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第30話
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朝早くから王城で薬を調合して、予定していた患者の薬師訪問に向かった私は、いつもより急ぎ足で移動した。
どうしても眠っているイメージがない患者がいるからだ。
「アレク様、大人しく寝てるのかな。ラルフ様の元へ遊びに行っていないだろうか。うぅー、気になってソワソワする」
効率よく薬師訪問を済ませ、グリムガル家の屋敷にやってくると、メイドさんにお願いして、すぐにアレク様の元へ向かう。
貧乏ゆすりしたくなるような気持ちを抑え、アレク様の部屋に案内してもらうと……、予想通りだった。
体を起こしたアレク様が、気だるそうにベッドの上で座っている。
「どうして体を起こしているんですか」
「そろそろ落ち着いてきた気がしてな」
「顔色が悪いので、明らかに嘘ですね。先に状態だけ確認します」
スタスタと近づいて、アレク様のおでこにピタッと手を当てる。
「熱が上がってますね。ちゃんと薬を飲んで寝ましたか?」
「ニーナにもらった薬は飲んだが、あまり眠ることはできなかった」
「そうですか。疲労から来ているはずなので、グッスリ眠れると思いましたが」
改めてアレク様の状態を確認しても、変な病原菌と戦っているような反応はない。魔力にも異常はなく、薬に拒絶反応を起こしている様子もなかった。
どうして眠れないんだろうか。眠そうに目がトロンッとしているのに。
「あの苦い薬はどうにかならないのか?」
「兄弟そろって苦いのが苦手なんですね」
「今日も飲まなければならないと思い、朝から憂鬱な気分だった」
「子供じゃないんですから、我慢してくださいよ。今日は粉末タイプなので、流し込めば問題ありません」
王城で作ってきた治療薬を薬師カバンから取り出し、アレク様に差し出す。
しかし、無駄に警戒心の高いアレク様は、普通に受け取ろうとしない。粉末の薬を指でチョンッと一つまみした後、味を確認するかのように口へ運んだ。
苦いとわかりきっているものを、彼はなぜ味見したんだろうか。
「喉が潰れるような苦さなんだが」
「実際には潰れません。飲んでください」
「飲まないで治すという方法は?」
「ないです。飲んでください」
「この薬を味見したことは――」
「はい、頑張って飲みましょうねー。いい子になれませんよー」
「おま、ちょ、ちょっと待て。心の準備というものが……!」
ラルク様と同じように時間を引き延ばす作戦を実行してきたので、強引に突破することにした。
残念ながら、その作戦は対処法が確立されているのだ。
まあ、大人のアレク様には、頑張って飲んだことを褒めるように頭を撫でることはないが。
「鬼のような性格をしているな」
「早く飲まないからダメなんですよ。薬は三日分出しておきますので、次回からは自分の力で飲んでくださいね」
「心配しなくてもいい。俺は子供ではないんだ」
まるで説得力がない。でも、昨日の薬を自力で飲んだなら、嫌がりながらでも飲んでくれるだろう。
「今日はこのまま寝てください。私はラルフ様の診察がありますので、これで失礼します」
「わかった。早く行ってやってくれ」
薬師カバンから三日分の薬を取り出し、注意書きを書いたメモを机に置くが……アレク様は一向に眠ろうとしない。
ずっと体を起こしたままだった。
「どうして横にならないんですか?」
「貴族には威厳というものがある。弱味を見せるように人前では横にならん」
「眠るつもりはないんですね」
「心配しなくても、ニーナが部屋を離れたら眠りにつく」
アレク様は眠そうな顔をするものの、頑なに目を閉じようとしない。その瞳は今にも壊れてしまいそうなほど儚く、寂しそうだった。
言葉と感情を一致させてほしいと思いながら、私はアレク様のベッドに腰を下ろした。
「少しくらいなら話し相手になりますから、早く横になってください」
「必要ない。ラルフの元へ行ってやってくれ」
「恥ずかしがらなくても大丈夫ですよ。寝るのが怖いと思われる方は、意外に多いですから」
高熱を出すと魔力が乱れ、悪夢を見るケースがある。子供なら素直に言ってくれるが、大人になるほど羞恥心が勝り、誰にも言えず、寝ようとしない人が多かった。
どんなに良い薬を調合しようとも、人の体は寝ないと治らない。だから、話し相手になったり、悪夢のことを聞いたり、愚痴を言わせたりして、気晴らしをしてもらっている。
体調が悪い時に一人で悩み続けるというのは、どんな人でもツラいものなのだ。
「体を起こしていては、いつまでも熱が引かずに悪夢でうなされる期間が延びてしまいます。嫌かもしれませんが、大人しく横になってください」
アレク様の肩と背中に手を添えて、ゆっくりとベッドに寝かせる。
すると、眠れないことを気づいてもらえて嬉しかったのか、珍しくアレク様が優しい顔をしていた。
「立派になったな」
ポロッとこぼしたその言葉に、私は首を傾げてしまう。
目上の人が使う褒め言葉であるものの、昔から知っている人に対して使うような言葉だ。
過去と現在を比較しなければ、そんな言葉は出てこない。
熱で意識が朦朧として、誰かと誤解しているのだろうか。どこか嬉しそうに微笑む姿は、私に向けられているみたいだが。
「立派になった、というのは、どういう意味ですか?」
「いや、何でもない。寝れない理由を気づかれると思わなくて、驚いただけだ」
「まあ、二年ほど薬師をやっておりますので、色々と見逃さないようにしています。悪夢を見る心当たりとかあれば、聞きますよ」
無理に聞くものではないが、今のアレク様はいつもと雰囲気が違う。ずっと優しい眼差しで私の目を見つめていて、何か伝えたそうに思えて仕方がなかった。
「昔、大事な人を傷つけてしまったことがあってな。その時のことを夢で見たんだ」
「子供の頃の後悔、ですか」
「ああ。思い返せば、あれが初恋だった。嫌われたくなくて、未だに謝ることができていない」
少しばかり複雑な気持ちになるが、アレク様に好きな人の一人や二人いても、まったく不思議なことではない。むしろ、人として当たり前のことだろう。
実際に本人の口から聞かされると、アレク様にもそういう人がいたんだ……と思ってしまうけど。
もしかしたら、アレク様が結婚しないのは、その人のことを思い続けているからかもしれない。
「夢にうなされるほど心残りなら、キッチリ清算された方がいいと思いますよ」
「嫌われたらどうするつもりだ?」
「前に進めないよりはいいでしょう。誠心誠意の謝罪をして、現実を受け入れるべきですね」
「……こういう時は大人っぽい意見を言うんだな」
「プライベートがグダグダなだけで、私は普段から大人っぽいですよ。紅茶もストレートで飲みますから」
フッと鼻で笑われたのは、気のせいだろうか。紅茶にハチミツを入れないことは、私の中だとかなり大人っぽい行動に分類されるというのに。
まあ、アレク様が笑みを浮かべてくれているので、良しとしておこう。
「こっぴどく嫌われたときは、大人っぽく慰めて差し上げますよ」
「心配するな。ニーナに慰められることはない」
「失礼ですね。薬師の仕事で数多の人生相談に乗ってきた女ですよ。本気を出したら、余裕で慰められますから」
「本気を出す日が来ないといいがな」
「まあ、それはそうですね。無事に初恋の相手に受け入れてもらえることを祈っておきますので、今日はもう寝てください」
アレク様の初恋の人、か。一体どんな人なんだろう。そして、私は今、どうしてこんなにも複雑な感情を抱いているんだろう。
そんなことを考えていると、不意にアレク様に手を繋がれた。
「少しだけ握っていてくれ。あの時もニーナの手に安心して、眠れるようになった」
「……?」
それだけ言ったアレク様は、安らかな眠りにつくように目を閉じ、スースーと寝息を立て始めた。
眠くてボーッとしていただけなのか、高熱で雰囲気が違っただけなのかはわからない。
でも、間違いなく言えるのは、なぜか自分が懐かしいと感じていることだ。
今まで看病した経験はないはずなのに、どうしてアレク様の握る手が懐かしいと感じるんだろう。そして、どうしてこんなにモヤモヤするんだろうか。
いや、今は考えるのをやめよう。せっかくアレク様が眠ったんだから、起こさないようにしないと。
名残惜しい気持ちになりながらも、アレク様の手を離して、その場を後にする。
このことは忘れようと心に決め、ラルフ様の元へと向かうのだった。
どうしても眠っているイメージがない患者がいるからだ。
「アレク様、大人しく寝てるのかな。ラルフ様の元へ遊びに行っていないだろうか。うぅー、気になってソワソワする」
効率よく薬師訪問を済ませ、グリムガル家の屋敷にやってくると、メイドさんにお願いして、すぐにアレク様の元へ向かう。
貧乏ゆすりしたくなるような気持ちを抑え、アレク様の部屋に案内してもらうと……、予想通りだった。
体を起こしたアレク様が、気だるそうにベッドの上で座っている。
「どうして体を起こしているんですか」
「そろそろ落ち着いてきた気がしてな」
「顔色が悪いので、明らかに嘘ですね。先に状態だけ確認します」
スタスタと近づいて、アレク様のおでこにピタッと手を当てる。
「熱が上がってますね。ちゃんと薬を飲んで寝ましたか?」
「ニーナにもらった薬は飲んだが、あまり眠ることはできなかった」
「そうですか。疲労から来ているはずなので、グッスリ眠れると思いましたが」
改めてアレク様の状態を確認しても、変な病原菌と戦っているような反応はない。魔力にも異常はなく、薬に拒絶反応を起こしている様子もなかった。
どうして眠れないんだろうか。眠そうに目がトロンッとしているのに。
「あの苦い薬はどうにかならないのか?」
「兄弟そろって苦いのが苦手なんですね」
「今日も飲まなければならないと思い、朝から憂鬱な気分だった」
「子供じゃないんですから、我慢してくださいよ。今日は粉末タイプなので、流し込めば問題ありません」
王城で作ってきた治療薬を薬師カバンから取り出し、アレク様に差し出す。
しかし、無駄に警戒心の高いアレク様は、普通に受け取ろうとしない。粉末の薬を指でチョンッと一つまみした後、味を確認するかのように口へ運んだ。
苦いとわかりきっているものを、彼はなぜ味見したんだろうか。
「喉が潰れるような苦さなんだが」
「実際には潰れません。飲んでください」
「飲まないで治すという方法は?」
「ないです。飲んでください」
「この薬を味見したことは――」
「はい、頑張って飲みましょうねー。いい子になれませんよー」
「おま、ちょ、ちょっと待て。心の準備というものが……!」
ラルク様と同じように時間を引き延ばす作戦を実行してきたので、強引に突破することにした。
残念ながら、その作戦は対処法が確立されているのだ。
まあ、大人のアレク様には、頑張って飲んだことを褒めるように頭を撫でることはないが。
「鬼のような性格をしているな」
「早く飲まないからダメなんですよ。薬は三日分出しておきますので、次回からは自分の力で飲んでくださいね」
「心配しなくてもいい。俺は子供ではないんだ」
まるで説得力がない。でも、昨日の薬を自力で飲んだなら、嫌がりながらでも飲んでくれるだろう。
「今日はこのまま寝てください。私はラルフ様の診察がありますので、これで失礼します」
「わかった。早く行ってやってくれ」
薬師カバンから三日分の薬を取り出し、注意書きを書いたメモを机に置くが……アレク様は一向に眠ろうとしない。
ずっと体を起こしたままだった。
「どうして横にならないんですか?」
「貴族には威厳というものがある。弱味を見せるように人前では横にならん」
「眠るつもりはないんですね」
「心配しなくても、ニーナが部屋を離れたら眠りにつく」
アレク様は眠そうな顔をするものの、頑なに目を閉じようとしない。その瞳は今にも壊れてしまいそうなほど儚く、寂しそうだった。
言葉と感情を一致させてほしいと思いながら、私はアレク様のベッドに腰を下ろした。
「少しくらいなら話し相手になりますから、早く横になってください」
「必要ない。ラルフの元へ行ってやってくれ」
「恥ずかしがらなくても大丈夫ですよ。寝るのが怖いと思われる方は、意外に多いですから」
高熱を出すと魔力が乱れ、悪夢を見るケースがある。子供なら素直に言ってくれるが、大人になるほど羞恥心が勝り、誰にも言えず、寝ようとしない人が多かった。
どんなに良い薬を調合しようとも、人の体は寝ないと治らない。だから、話し相手になったり、悪夢のことを聞いたり、愚痴を言わせたりして、気晴らしをしてもらっている。
体調が悪い時に一人で悩み続けるというのは、どんな人でもツラいものなのだ。
「体を起こしていては、いつまでも熱が引かずに悪夢でうなされる期間が延びてしまいます。嫌かもしれませんが、大人しく横になってください」
アレク様の肩と背中に手を添えて、ゆっくりとベッドに寝かせる。
すると、眠れないことを気づいてもらえて嬉しかったのか、珍しくアレク様が優しい顔をしていた。
「立派になったな」
ポロッとこぼしたその言葉に、私は首を傾げてしまう。
目上の人が使う褒め言葉であるものの、昔から知っている人に対して使うような言葉だ。
過去と現在を比較しなければ、そんな言葉は出てこない。
熱で意識が朦朧として、誰かと誤解しているのだろうか。どこか嬉しそうに微笑む姿は、私に向けられているみたいだが。
「立派になった、というのは、どういう意味ですか?」
「いや、何でもない。寝れない理由を気づかれると思わなくて、驚いただけだ」
「まあ、二年ほど薬師をやっておりますので、色々と見逃さないようにしています。悪夢を見る心当たりとかあれば、聞きますよ」
無理に聞くものではないが、今のアレク様はいつもと雰囲気が違う。ずっと優しい眼差しで私の目を見つめていて、何か伝えたそうに思えて仕方がなかった。
「昔、大事な人を傷つけてしまったことがあってな。その時のことを夢で見たんだ」
「子供の頃の後悔、ですか」
「ああ。思い返せば、あれが初恋だった。嫌われたくなくて、未だに謝ることができていない」
少しばかり複雑な気持ちになるが、アレク様に好きな人の一人や二人いても、まったく不思議なことではない。むしろ、人として当たり前のことだろう。
実際に本人の口から聞かされると、アレク様にもそういう人がいたんだ……と思ってしまうけど。
もしかしたら、アレク様が結婚しないのは、その人のことを思い続けているからかもしれない。
「夢にうなされるほど心残りなら、キッチリ清算された方がいいと思いますよ」
「嫌われたらどうするつもりだ?」
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「……こういう時は大人っぽい意見を言うんだな」
「プライベートがグダグダなだけで、私は普段から大人っぽいですよ。紅茶もストレートで飲みますから」
フッと鼻で笑われたのは、気のせいだろうか。紅茶にハチミツを入れないことは、私の中だとかなり大人っぽい行動に分類されるというのに。
まあ、アレク様が笑みを浮かべてくれているので、良しとしておこう。
「こっぴどく嫌われたときは、大人っぽく慰めて差し上げますよ」
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「失礼ですね。薬師の仕事で数多の人生相談に乗ってきた女ですよ。本気を出したら、余裕で慰められますから」
「本気を出す日が来ないといいがな」
「まあ、それはそうですね。無事に初恋の相手に受け入れてもらえることを祈っておきますので、今日はもう寝てください」
アレク様の初恋の人、か。一体どんな人なんだろう。そして、私は今、どうしてこんなにも複雑な感情を抱いているんだろう。
そんなことを考えていると、不意にアレク様に手を繋がれた。
「少しだけ握っていてくれ。あの時もニーナの手に安心して、眠れるようになった」
「……?」
それだけ言ったアレク様は、安らかな眠りにつくように目を閉じ、スースーと寝息を立て始めた。
眠くてボーッとしていただけなのか、高熱で雰囲気が違っただけなのかはわからない。
でも、間違いなく言えるのは、なぜか自分が懐かしいと感じていることだ。
今まで看病した経験はないはずなのに、どうしてアレク様の握る手が懐かしいと感じるんだろう。そして、どうしてこんなにモヤモヤするんだろうか。
いや、今は考えるのをやめよう。せっかくアレク様が眠ったんだから、起こさないようにしないと。
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